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KORAIL・南道海洋観光列車「S-train」(1)~外観編

2014-09-22 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

6月にMAKIKYUが韓国へ足を運んだ際には、幾つもの観光列車に乗車し、その中でも中部内陸観光列車「O-train」や、白頭大幹峡谷列車「V-train」などは、既に「MAKIKYUのページ」でも取り上げましたが、これらの観光列車の中で最初にMAKIKYUが乗車したのは、「S-train」(南道海洋観光列車)と呼ばれる列車でした。

「S-train」は比較的海岸に近い区間を走る慶全(Gyongjeon)線を走る観光列車として設定され、「S」は「South」や「Seaside」などに由来しています。

当初は慶全線(厳密には他路線にも跨るのですが…)で2区間の運行だったのですが、利用実態などを考慮してか、比較的短期間の間で2度の運行区間変更が行われています。

2014年6月~の運行区間は、釜山(Busan)~三浪津(Samnanjin:「S-train」は通過)~順天(Suncheon)~宝城(Boseong)と、龍山(Yongsan:ソウル市内)~西大田(Seo-Daejeon)~益山(Iksan)~順天~麗水(Yeosu)の2区間で、青字部分のみが慶全線運行区間となります。

そのため現在慶全線を走るのは、2列車が設定されている「S-train」の片方だけと言う状況ですが、両列車は上下共に順天で接続、隣接ホームで乗り継ぐ事も可能なダイヤが設定されており、2系統の列車を走らせる事で、順天やその周辺の全羅南道(Jeolla-nam-do)各地を観光する際の便宜を図っています。

MAKIKYUが「S-train」に乗車したのは、慶全線を運行する系統の全区間で、釜山市内から慶全線方面へ向かう列車は、通常釜田(Bujeon)駅を発着するのですが、「S-train」だけはKTXなどが発着する釜山駅発着となっていますので要注意です。
(釜山~釜田間は地下鉄1号線で15分程度、また釜山市内では他に西郊の亀浦(Gupo)駅にも停車しますので、宿泊場所などによってはこちらを利用するのも一つの手です)

この「S-train」は、慶全線の一部区間が非電化という事もあり、ディーゼル機関車が牽引する客車列車となっています。

編成は2系統共に現在のKORAILではありふれた存在ながらも、専用塗装に改められたアメリカンスタイルのディーゼル機関車(DL)+ムグンファ号用客車の改造車両5両+電源車(計7両)で構成されており、両系統共に1編成ずつで予備車なしですので、「S-train」は基本的に月曜日運休となります。
(車両検査の関係などで、これ以外にも閑散期の平日などに運休日が設定される事がありますので要注意です)


列車の先頭に立つDLは、如何にも異国の列車という雰囲気があり、強烈な表情をした姿もインパクトは絶大で、韓国で不定期刊行されている鉄道雑誌「Railers」の表紙を飾った事もある程です。

「S-train」の存在を知らない人物にこのDLの写真を見せ、玄界灘を挟んで福岡とは僅か200km強、高速船に乗船して3時間程度で足を運べる近場を走っている列車と説明したら、少々驚かれるかもしれません。

 
DLが従える5両の客車と電源車は、どちらも日本とは異なる大陸の列車ならではの雰囲気が漂う車両ですが、これもKORAILではありふれた存在で、外観は装いを除くと一般列車とは差異が少ないものです。


「S-train」は2系統が運行されている事もあり、MAKIKYUが乗車した慶全線系統の列車は青系統の装いですが、龍山駅発着のもう1編成は赤系統の装いとなっており、両列車が同一ホームで隣同士に停車し、相互接続となる順天駅での誤乗防止にも役立っているのでは…と感じます。

またKORAILの列車線を走る一般列車では、最近走り始めたばかりの新型電動車を除くと、今でも列車種別・行先表示はサボの使用が
一般的で、「S-train」も客車側面にサボを掲げていますが、このサボの様式は、他の一般列車とは異なる「S-train」独特のモノとなっています。


MAKIKYUが乗車した際には、釜山発着列車の終着駅が宝城に変更されてから日が浅い状況だったものの、以前の行先の上にステッカーなどを貼り付けての代用ではなく、きちんと新たなサボが掲出されていました。

この「S-train」は観光向けに特化した列車だけあり、車内設備なども非常に特色の強いモノになっているのですが、こちらに関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
突然の連絡すみません。 (岸 正太郎)
2016-12-14 17:32:11
突然の連絡失礼します。
私、BS-TBSにて番組を制作している岸と申します。
今回、番組内にて「世界の鉄道」を取り上げようと考えており、このブログに掲載されている
S-トレインの写真を使用させていただきたくご連絡をいたしました。
返信する
詳細はメールにてお願いします (MAKIKYU)
2016-12-14 20:18:27
岸 正太郎様こんばんは。

以前にも出版関係の方からブログ公開画像の使用に関する問い合わせを頂いた事が何件かありますが、商用での使用に関しては応相談とさせて頂いております。

掲載画像をご入用でしたら、このページについて(ご案内と注意事項)の項に記しているメールアドレス宛に一報お願い致します。

なお「このページについて(ご案内と注意事項)」の項のアドレスは以下の通りです。
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