還暦直前に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症弁形成術体験記)

還暦を目前にして滋賀医大の浅井徹先生の執刀で僧帽弁形成術を受けました。
私の体験が同病の方の参考になれば幸いです。

僧帽弁形成術の歴史

2012年09月12日 | 雑記帳(心臓と関係有り)
弁置換術は1960年代に始まりましたが、形成術がいつ頃から始まった手技なのか興味があって調べていたのですが、ようやくわかりました。
半蔵門循環器科クリニックのHPから引用します。

僧帽弁形成術は、心臓外科手術の初期の頃から行われてきていますが、当時の手技は交連部を縫い縮めるような比較的簡単なものがほとんどで、強くない逆流に対して行われたり、逆流を減らすのが目的で行われていたようです。

そこに登場したのがフランスの外科医カルポンティアで、1960年代後半からパリのブルセ病院で積極的に僧帽弁形成術を行っていたが、1983年米国胸部外科学会の講演で僧帽弁閉鎖不全症(MR)の病因とメカニズムの分類に基づいたさまざまな形成手技を発表しました。これは逆流が強いものでも、ほとんどすべてのMR症例を対象とし、また「弁の機能や形態を正常化させる」というそれまでにはなかった概念をもったもので、弁形成術の新しい歴史が始まりました。

1990年ブルセ病院のデロシェは、カルポンティアのコンセプトと手技を用いて行われた僧帽弁形成術の良好な長期成績を報告し、この手術は世界に普及するようになりました。

人工弁置換術は1960年代初頭に開発され50年の歴史がありますが、形成術は本格普及が始まってまだ20年ということなので、かなり新しい手技と言えそうです。

各心臓血管外科のHPを見てみると、置換術と形成術の割合については半々ぐらいから、形成術が90%を超える病院まで大きなばらつきが見られますし、治療方針も様々です。
形成術は執刀医の技量に大きく左右されるそうで、形成術が名人芸と言われる所以なのかもしれません。