以前、ホンダの“インサイト・メールサービス”というのに申し込んでおいたら、先日第1回目のメールが届いた。
その中に、インサイトのスクリーンセーバーがあったので、ダウンロードした。
ところが、このスクリーンセーバーが何とも陰気くさいのである。まず第一に薄暗い。何とかして全体像を見せるまいと、ことさらに薄暗くしている印象である。
とくに、リアのあたりを見せたくないらしく、マジックか何かで黒く塗られていて、陰気さが増している。
「リアの処理がプリウスにそっくり」とあちこちで書かれているために、リアのデザインをパリ・モーターサロンに出品したコンセプト・カーから大きく変えようとしているのだろうか。
それならそれで、わざわざこの時期にスクリーンセーバーなんか公開しなくたっていいのに・・・。
F1からの撤退なんか、ぼくにとってはどうでもいいことだけれど、せめて地球への罪滅ぼしにハイブリッドくらいでは、元気を出して頑張って欲しいのだが・・・。
ところで、最近読んだ“週刊東洋経済”2008年12月20日号の“特集/自動車全滅!”は、クルマ専門雑誌より面白かった。
クルマを取り巻く社会的環境(とくに経済的環境)がきわめてよく理解できた。これを読んでいたから、きょうの朝刊のトップを飾った“トヨタ 赤字に転落! 社長、更迭へ”という記事にも、何の驚きも感じなかった。
少し早く来たかな、くらいの印象である。
アメリカでは、クルマの購入者の9割が実はローンによる購入者だという。しかもいわゆる「残価設定」式になっていたらしいが、中古車が売れないうえに、金融の引き締めでローンを組めない人が続出したために、今では金利0%でも新車がまったく売れなくなったのだそうだ。
わが国のクルマ購入者はどうなのだろうか。
やっぱりローンで買う人が多いのだろうか。昔からVWはよく0.9%といった金利キャンペーンをやっていたが、近頃では、かつては高級車かと思っていたBMWやベンツまでもが、“月々1万6400円からBMWが”、とか、“月1万9000円からベンツが”といった広告をよく見かけるようになった。
あんな広告を打ったのでは、道でBMWを見かけても、「あの人は金持ちでBMWに乗っているのか、それともローンでBMWに乗っている見栄っ張りなだけなのか・・・」と思ってしまう。
いわゆるブランド・イメージが崩れてしまったのではないだろうか。
逆にいえば、ブランド・イメージを犠牲にして、ローンででも売らなければならないくらいに、あの手のクルマも売れなくなっていたのだろう。
最近では、金曜日になっても新聞にクルマの折り込み広告が1枚も入っていない。
最近のクルマの売上げは、1969年頃の数字にまで落ち込んだということだが、ぼくにとっては、4、5年で買いかえさせるような近年のクルマの売り方のほうが異常で、本来あるべき姿に戻っただけのことではないかと思うのだが。
* 写真は、“週刊東洋経済”12月20日号に掲載されたホンダ・インサイト(の量産車か?)。コンセプトカーに比べると、のっぺりした感じで、一昔前の平べったかった頃のシビックのように見える(とくにボンネットが)。
青山のショールームにインサイトのコンセプトカーが展示してあるというので、明日見物に行くつもりである。