滋賀の旅、近江八幡の続き。3月20日の午後から。
午後12時15分に出発する八幡堀めぐりの屋形船に乗る。
恐れていた通り、犬2匹を連れた家族と同船。この犬2匹が激しく他の乗船客に向かって吠え続けるのである。「鳴く」といったレベルではない。東京では何十年来、こんなに激しく吠え続ける犬を経験したことがないが、この飼い主は黙らせようともしないで、犬が吠えるにまかせて平然としている。関西の犬文化はこんなものなのか、それともこの飼い主の躾けが特別に悪いのか。
おまけに曇り空からはとうとう雨が落ち始めた。船は商家の土蔵などを眺めながらゆったりと進む。一時は晴れ間も見られたが、再び曇ったり降ったりと変わりやすい天候であった(下の3枚)。
※ 昨日夜のテレ東の番組(中川礼二の旅番組「妄想トレイン」)で近江八幡をやっていた。屋形船が浮かぶ八幡堀の桜の季節の風景が写っていた。桜が咲いていたら、こんな光景を眺めることができたのだった。今年の春の桜の開花の大幅な遅れを恨んでおこう(下の写真。2024年5月14日追記)。
約30分ほどで元の船着き場に戻って、下船。
「八幡堀」バス停前に出て、「白雲館」で作戦会議。今度はバス通りを東に進み、鍛冶屋町バス停をを目印に、ヴォ―リス学園を目ざすことにする。
歩いているうちに、雨と風が強くなり、傘をさすのも困難になる。ようやく「鍛冶屋町」バス停を見つけて、右折。慈恩寺町通りというらしい。ほどなくして、小さな路地の向うにヴォ―リスが創設した「近江兄弟社学園」の瀟洒な二階建て校舎が見えた。前面はきれいに刈り込まれた黄緑の芝生。東京でいえば成城学園や成蹊学園のような学校なのだろうか(冒頭の写真)。
元は幼稚園だったという「ハイド記念館」の案内表示があったので構内に入ってみる。この建物もヴォ―リスの建築らしく、白を基調としたニュー・イングランド風(?)の小ざっぱりとした建物である(下の写真1枚目)。いかんせん雨が激しく、早々に退出した。
慈恩寺町通りを少し行った先に「ヴォ―リス記念館」(「一柳邸」ともいうらしい)がある。この建物は、それまでのヴォ―リス建築から一転して、板張りの和風建築である。ヴォ―リスの晩年の住居で、夫人に配慮して和風にしたというから、奥さんは日本人だったのか(2枚目)。ヴォ―リス記念館の銘板(3枚目)。
雨の中を八幡堀に戻り、千成亭近江八幡店に入る。ようやく雨から逃れることができ、そして昨日来の念願の(?)近江牛にありつくことができた。
われわれのテーブルの両隣りは、卒業旅行と思われる大学生たちのグループ。男子ばかりの4人組が2班に分かれて楽しそうに語らっている。ぼくにもあんな時代があったのだろうか。
本当はこの後、長浜に行くか、彦根港から竹生島に渡ろうと思っていたのだが(琵琶湖周航の歌!)、あまりに天気が悪いので中止。彦根のホテルは午後3時以降ならチェックインできるので、バスで近江八幡駅に戻って彦根のホテルに向かうことにする。強風のためか、「新町」バス停の看板が横倒しになっていた。
近江八幡駅に着いてみると、JR湖西線が強風で不通のため、サンダーバード(?)が琵琶湖線廻りになっているとかで、運行が乱れていた(下の写真1枚目は近江八幡駅ホームと列車)。午後4時すぎに彦根駅に到着し、駅前のホテルに投宿(2枚目)。
昼食を奮発したので、夜は駅前のスーパーで弁当とおつまみとビールを買ってきて、ホテルでメジャー・リーグを見ながら済ませた。これが穏やかにドジャース戦を見ることができる最後の夜になるとは思ってもいなかったが。
明日は、いよいよ今回の旅行の目的である祖母と曽祖父の本籍地を訪ねる。見つけ出すことができるだろうか。
2024年3月24日 記