曇り、10度、63%
30数年前香港に渡って、まずお野菜の違いに驚きました。大きなキュウリやナス、皮までオレンジ色のジャガイモ、かすかすのトウモロコシ。地元で採れるものは少なく、お隣中国から入ってくるものが多かったように記憶しています。サツマイモやかぼちゃは筋が多く水分の多い美味しとは言い難い代物でした。日本からみえる方にかぼちゃを一つとお願いしたこともあります。最近では香港だってお野菜の水準がぐっと良くなっています。
日本に帰国していちばんの楽しみは日本のお野菜、日本のお魚でした。葉物は地元のもので十分です。ジャガイモなどは北海道のものがさほど高くないお値段で売られています。ブランド野菜というのまであるのには驚きました。お値段もとびきりよくお味もきっといいに違いありません。でも、私が欲しいのは普通のお野菜です。
日本人の好みの変化でしょうか?かぼちゃやさつまいもがほっこりとでんぷん質を感じる食感ではなく、ややねっとりしたものが多いと思います。かぼちゃで言えば「栗カボチャ」のようなかぼちゃを探します。ありがたいことに半分に切って中身が見えるのを判断の頼りに買うのですが、思うようなかぼちゃに出会えません。北海道、熊本、佐賀、年末ごろからはメキシコ。ほっくりしたカボチャはどこにあるのかしらと思います。
私のかぼちゃの食べ方は皮もつけたまま蒸してそのままいただきます。味をつけない分素の味がはっきりとわかります。皮のすぐ裏がいちばん美味しくトラカワにも剥かず皮はつけたままです。カボチャは夏の野菜、冬の端境期には南半球から輸入されて来ます。日本のお野菜ではありません。数日前、ニュージーランドのかぼちゃを見つけました。確か香港に移る数年前から、この時期ニュージーランドからかぼちゃは輸入されるようになったと思い出しました。その頃はお安い上に美味しかった記憶があります。早速買い求めました。
久しぶりに美味しいかぼちゃです。ほっこり、少しざらっと舌に当たるでんぷん質、甘みも十分。
お魚も日本のものではなく海外からのものがたくさん並んでいます。致し方ない事情でしょうが、日本で採れた物を楽しみにしていた私にはいささかがっかりです。
蒸したかぼちゃ、しばらくはニュージーランドのもので楽しむつもりです。