雨、18度、92%
フランス菓子のピエールエルメが作り出した「イスパハン」という香り豊かなマカロンがあります。 ピエールエルメのマカロンの本からとった写真です。「バラ」「フランボアーズつまりラズベリー」「ライチ」を香りと味のベースにして作られているマカロンです。この「イスパハン」を虎屋とのコラボで和菓子に作り替えたものが期間限定で売られています。
小さな羊羹はどこの虎屋でも手に入ります。「イスパハン」と名前を持つ2種類の店舗限定の生和菓子をいただきました。
きんとんの「イスパハン」 そぼろは「バラ」と「ライチ」の香りです。
白あんの真ん中に「フランボアーズ」の水羊羹が隠れています。一口目は口の中に「バラ」が香ります。ふた口目、中の白餡とともに「フランボアーズ」が甘さとともに主張します。確かに素材は和菓子です。なのにマカロンのような組み立てられた洋菓子の個性を持つきんとんの「イスパハン」です。
求肥で作られた「イスパハン」は「氷餅」が振られているのでキラキラとまるで宝石のようです。色は「フランボアーズ」そのもの。「バラ」が香る薄い求肥の下には白餡に潜んでいる「ラズベリー」のジュレに出くわします。 強烈なインパクトがあるこのジュレはあとあとまでも口に余韻を残します。
ピエールエルメの持つ香りと味の世界を虎屋が和菓子として置き換えた「イスパハン」だと感じます。「ライチ」の香りに気付きにくいのですが、本に依れば「ライチ」と「バラ」は似ているのだそうです。
「バラ」「フランボワーズ」「ライチ」端的にその味を味わうには羊羹が最適です。福岡では手に入れることのできない「イスパハン」の生和菓子は遠くから送られて来ました。10年近くも前のことです、虎屋パリ限定で「ラズベリーの羊羹」が売られていた事を知りました。その時以来、「ラズベリー」の羊羹を夢見て来ました。どんな味だろう?羊羹になったラズベリーの香りは?と想像していました。友人のおかげで珍しいものをいただけた「口福」に恵まれました。
味や香りの融合するお菓子の組み立て方に頭がいっぱいになった昨日のおやつでした。