晴、13度、66%
球根を植えると忘れた頃に芽を出すことがあります。「何の芽だったかな?」よくあることです。数日前、緑の雑草の間に小さな紫の花を見つけました。 花を見れば「ゲイソリーザ」だとわかります。花になるまで気付かずにいました。小さな花に「ごめんね、忘れた。」と詫びました。
アフリカ原産の球根植物「ゲイソリーザ」、ずっと昔この花が一面に咲いている景色をグラビアで見たことがあります。乾いたアフリカの土地に色とりどりの「ゲイソリーザ」が地面を覆い風に揺れているかのようでした。「名前もいいなあ。」
近くの園芸店でこの球根を見つけたのは数年前です。小さな球根でした。大豆ぐらいの小さな球根、どちらを上にして植えればいいのかもわからないほどの球根でした。植えた翌年、花がひとつ咲きました。あれだけの球根の数でひとつ、残念でしたが花が咲いてくれたことは嬉しかった。熱帯が原産なので福岡の冬は地中でも寒く芽生えないのだと知りました。
植物は気候や地質に大きく左右されます。高山植物の夏の管理、熱帯植物の冬の管理は難しく、庭に欲しい花をいくつも断念しました。芽が出ても直ぐに溶けるように消えてしまったものもありました。この家の地質、福岡の街中の気候、やはり向き不向きがあることをこの6年間で身に沁みています。
土の中で眠っていたのでしょうね、「ゲイソリーザ」の小さな花の横に座って飽かず眺めました。小さいながら精巧なつくりの花です。めしべおしべのバランス、柔らかな紫の花弁は花芯の黄色でより鮮やかに見えます。この冬は寒かったのによく堪えてくれたと思います。白やピンクの花もあるのに私が選んだのはこの紫でした。
来春も一つでもいいから、顔を出して欲しいと願う「ゲイソリーザ」です。