チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「大いなる不在」

2024年07月17日 | 映画

晴、27度、93%

 森山未來主演「大いなる不在」を観ました。

 幼い頃、自分と母を捨て他の女性と結婚した父、その父が警察に捕まって面会に行くところから話は始ります。その父は認知症が始まり結婚相手の女性は行方知れず、面会を重ねるうちに、父のこと、何故その女性と結婚したか、そして女性が何故父の元を離れて行ったか、父が残した手紙やメモ、女性の昔の日記を読むうちに、次第に父の人となり、長年の姿が見えてきます。

 一人の人(父)を知ることで、本来なら憎むべき父を深く受け止めるようになる息子を森山未來は静かに演じています。父親役の藤竜也、認知症を見事に演じています。結末のない話です。離れていた父を知ること、解き明かすことで静かな家族愛を感じる話でした。

 いくつかの映像の美しいシーンがありました。桜が見事でした。桜の花芯までもが見える花吹雪、行方のわからなくなった父の再婚相手を探しに出向いた熊本宇土市、綱田の海。父が住む街は北九州で撮影が行われたようです。北九州の海沿いを走るシーン、私の住む福岡の隣の北九州、目にも心にも馴染んでいる海です。監督の出身地は北九州です。

 

 3連休明け、午前中の映画館は人が少ないだろうと出かけましたが、多くの方が観にきていました。しかもお歳が私より上の方が多かったように思います。父の再婚相手の女性の行方も、これから先も詳らかな結末ではありません。美しい風景と共に余韻の深い映画でした。

コメント
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