チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

母の残した浴衣生地

2024年07月19日 | 日々のこと

曇、30度、85%

 春の終わりでしたか、主人が「この夏、浴衣を作ったら?」と言いました。主人は知りませんが、浴衣生地は母が残したものがあります。母の残した物の整理は大変でした、掃除はしない、整理整頓はしない、壊れても修理もしない人でした。そして衣服も本も日常の品もどれもいい品ばかりでした。この家にいっぱいのそうしたものはほとんど捨てました。いい皿は欠けていました。いい服は丸めて箪笥に突っ込んでありました。私が残したものは家具と大きな壺などの焼き物、服はジパンシーのスーツのみ。畳まれもせず乱雑に茶箱に入っていた和服も捨てました。ただまだ仕立てていない反物を四疋取り残しました。その一疋が浴衣生地です。

 最近の大柄な浴衣生地ではありません。母の好みらしい浴衣生地です。細かく描かれているのは「桔梗」です。 茶箱に見つけた時に「何かに使ったのかな?」生地の端が切られた様子がありました。この浴衣生地を抱えて呉服屋さんに持って行きました。

 「浴衣を仕立てるのに生地は足りますか?」と若い店員さんに尋ねました。大雑把に生地を測り、私の着丈などを図りました。「大丈夫です。」と仕立てを引き受けてくれました。ふた月待つことになりました。帯や下駄も新調しようと久しぶりにワクワクしていました。

 数日前、呉服屋さんから電話が入りました。「生地がほんの少し短いので、着丈、袖丈が短くなりますがどうしましょう?」浴衣ですから裾が上がっていてもおかしくはありません。それも若い人なら可愛く映ります。でも私の年齢では寝巻きならまだしも丈が短い袖が短いのは着れません。「わかりました、今回の仕立ては取りやめさせていただきます。」と生地を引き取ってきました。

 母が残してくれたものを纏うことができる喜びがありました。この桔梗柄、とても素敵です。今時見かけない浴衣の柄です。引き取ってきて以来、出してきては幾度も眺めています。枕カバーにでも仕立てようか?襟なしのワンピースでも縫ってみようか?まだ気持ちが決まりません。

 あと三疋、一つは男物の大島です。久留米絣は私の好みではありません。もう一つは洋服の生地のような格子です。残した物を生かしてやることも大事です。格子柄の反物を合わせに仕立ててみようかとも考える日々です。

コメント
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