チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「お花墨」古梅園

2024年06月03日 | ステイショナリー

晴、18度、81%

 先日「墨」の匂いが恋しくて、硯箱を開けるとそこにはチビれた二欠けの「墨」と見慣れない立派な「墨」がありました。模様の入った立派な「墨」は中国の「墨」で母の残したもの、チビれた二欠けの「墨」は私が子供の頃から使って来た2つの「墨」の名残です。「墨」の匂いが嗅ぎたくて立派な「墨」をすりました。でも懐かしい「墨」の匂いとは違います.筆につけて字を書くと「墨」の色も掠れ具合も日ごろ自分の字と違います。立派な中国の「墨」、この1本でこれから先の私の筆生活は十分な量です。そう思い新しい「墨」を買うのを控えていました。

 繁華街で古くから「墨」「筆」を扱う店をちょっと覗いてみようと足を向けました。以前は文房具屋にも並んでいた「墨」ですが、まず、文房具屋がありません。あって「墨」は?と尋ねても、取り扱っていないとの返事です。尋ねた店は昔はショーケースに「墨」が並んでいました。今では店の片隅の棚に有名どころが置かれているだけです。私が欲しいのは、古梅堂「お花墨」です。当然幾種類か並んでいます。墨色の違う「仮名書き用」「漢字用」と種類も揃っています。その中で、これと手にしたのは、一番小さなサイズ、普通の半分の「半丁」と呼ばれるものです。 私の筆を持つ頻度から考えれば、この「墨」の半分は硯箱に残るかしら?などと思い包んでもらいました。

 家に帰り、 丁寧にすりました。香ります。小さい時から慣れ親しんできた「墨」の香りです。ほっと胸に落ちる香りです。筆から生まれる字の色、艶も私の欲しかったものです。

 毎日、硯箱の蓋を取るわけではありません。硯箱の中に「お花墨」があると思うだけで、心がゆるゆるしています。


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