気ままに

大船での気ままな生活日誌

癒しの宿 星のや軽井沢 

2010-06-12 11:25:42 | Weblog


この川は湯川といって、白糸の滝を源流とする。このほとりに星川温泉がある。ぼくは軽井沢に温泉があるなんて知らなかったが、昔は、この近くに沓掛宿があり(そういえば沓掛時次郎まんじゅうを売っていた)、草津の強い温泉に入った帰りに寄る、仕上げ湯として名高かったそうだ。

そこに、星野嘉助が大正3年(1914年)、現在の”星のや軽井沢”の前身となる温泉宿を開業した。当時の旅館名は”明星館”といって、ぼくの散歩道、北鎌倉の円覚寺の管長さんが命名してくれたということだ。それ以来、100年近い年月がたった。その間、与謝野鉄幹・晶子夫妻、北原白秋、島崎藤村ら、そして嘉助と親交のあった、野鳥研究家で歌人、詩人でもあった中西悟堂ら文化人も逗留するようになった。彼らの詩碑、歌碑等も広大な敷地の中に建っている。

雑木林の中に湯川から水をひいた小川が流れ、池がある。その敷地の中に一軒家風の宿泊棟が点在している。ぼくらの入った家は山側で、山小屋風のつくりだった。ベランダからは、今は盛りの山藤をみることができる。食事はメインロビー棟にある和食、”嘉助”でしてもいいし、宿着で林内の小路を5分ほど歩き、宿泊客以外の人も利用できる”村民食堂”で、でもいい。そこに”トンボの湯”という大きな露天風呂があり、ここも一般の人が利用できる。ぼくらは、ここでお湯につかり、そこで夕食をとった。ぼくが最近よく晩酌している、信州の銘酒”眞澄”と、ほかの地酒2本いただいた(汗)。とてもいい気分だった。

前述の中西悟堂は日本野鳥の会の創設者だが、ここにもバードウォッチングの小屋があって、自然観察ツアーなども毎日、やっている。鳥ではないがムササビ観察ツアーも夕方ある。ムササビの巣に定点観測カメラを向けていて、その画像をその小屋でみることができる。夜行性なので、昼間、寝ている姿を画面で観ることができた。こんな話を聞いてうれしくなった。5,6年前、新しい宿泊棟を建築する際、一本の木を切る計画だったが、自然観察ツアー係から、この木を切ると、ムササビが木々の間を飛べる距離を越えてしまうと反対があり、木を残し、宿泊棟をずらしたそうだ。

新幹線ができてから、軽井沢は近くなった。今回は一泊だったけれど、連泊して、近くの山路を一日歩いてみたいと思った。・・落葉松の林を過ぎて落葉松をしみじみと見き 落葉松は淋しかりけり旅行くは淋しかりけり 落葉松の林を出でて 落葉松の林に入りぬ 落葉松の林に入りてまた細く道は続けり・・ ぼくの一番好きな詩、北原白秋の”落葉松”は、ここに逗留しているときに出来た詩だそうだ。
。。。

鈴(りん)や梵鐘のような、癒しの音色で迎えられる。

宿泊棟からの景色

室内

宿着で歩く

与謝野鉄幹・晶子夫妻の歌碑 
一むらのしこ鳥のごとわかき人明星の湯にあそぶ初秋 (鉄幹)
秋風に しろく なびけり 山ぐにの 浅間の王の いただきの髪 (晶子)

中西梧同の歌碑

巣中のムササビ生中継と実際の巣


北原白秋の詩碑 ”落葉松” 活字体で全節の詩。右上は自筆の第8節。”世の中よ、あはれなりけり 常なれどうれしかりけり 山川に山がはの音”

可愛いワンコがいた。ワンコも泊れる家が一軒だけあり、予約待ちが多いらしい。

カルガモの親子は自由に泊れるらしい。
コメント
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