ピカソをして”ニ十世紀最後の巨匠”と言わしめた画家の展覧会をみないわけにはいかないと都美に出掛けたのはもう半月も前だった。没後初の大回顧展ということで注目され、NHK日曜美術館と”ぶら美”でも取り上げられていた。録画しておいたので、最近、視聴してみた。前者では、ご夫人の節子さんもゲスト出演されていた。
節子さんが、20歳くらいのとき、来日した、50代後半のバルテュスに見初められ、生涯の伴侶となった。節子さんの若き日のデッサンも展示されている。まるで吉永小百合さんみたい。
小百合さんといえば、彼女もバルテュス・フアンで、節子さんと親交があり、住居兼アトリエの、スイスのグラン・シャレを訪れている。そのアトリエが、生前のまま残され、今回、運ばれて、特別展示されている。これも見ものである。
今回の展覧会は、”称賛と誤解だらけの、20世紀最後の巨匠”という副題がついている。たしかに、主な作品のモチーフが少女で、それも、おぎょうぎの悪い恰好でモデルしている。とくに、デビューの頃は、世間を驚かしてやろうという気持ちがあったから、ちょっと大胆な絵を描いた。これが賛否両論の渦となった。
代表作の”夢見るテレーズ”。はじめての少女モデル。その後、何度か引っ越しするが、そのたびに少女モデルを起用。少女を、”何かになりつつあるもの”と、とらえ、過渡期的な美を表現しようとした。明月院の姫紫陽花でいえば、ちょうど今頃の色つきはじめかな(笑)。
美しき日々
読書するカティア
会田誠は、学生時代からバルテュスに注目していたようだ。そういえば、少女をモチーフに、そして大胆ポーズが似ているかな。彼の森美術館での展覧会の副題が、「現代美術界の“取り扱い注意”作家・初の大個展」だったことを思い出す。
栴檀は双葉より芳し。11歳のときに描いた絵本”ミツ”も見逃せない。ポーランド貴族の血を引くバルテュスの父は美術史家、母は画家という環境で育った。でも、美術学校にはいかず、独学。当時の潮流、シュールレアリスムにも見向きもせず、我が道をゆく。
少女というより大人のモデルも。
節子さんをモデルにした、朱色の机と日本の女。
部屋に飾るとしたら、こうゆう風景画もいいネ。”樹のある大きな風景”
ネコもお好きだったようです。
なかなか楽しい展覧会だった。
。。。。。
外はけっこうな雨。小雨になったところで出掛けよう。