展示室1,2の”描かれたチャイナドレス展”をみ終えて、常設展示室を廻っていたときに、ギャラリートークのアナウンスがあった。これ幸いと参加した。講師はこの展覧会を企画された方で、面白く聞かせていただいた。
まず展示室1,2の朱色の壁の色からお話があった。わざわざ、お金と時間をかけて塗り替えたそうだ。チャイナドレスの絵に合う背景色として選んだそうだ。たしかに合う!朱色はチャイナのイメージもあるし。
藤島武二の絵は6点。挨拶代わりのはじめの一点は”匂い”。1915年(大正4年)作で、油彩画でチャイナドレスが描かれた日本初の絵だという。女性の前に嗅煙草が置かれる。で、”匂い。
藤島はチャイナドレスが好きで、50着も買い求めていたという。それをモデルに着せて描いた。ちらしを飾った、ポーラ美術館蔵の”女の横顔”。モデルは夢二が”お葉さん”と呼んでいた佐々木カ子ヨ。藤島は、横顔のうつくしい人を探していたようで、ようやくおめがねにかなったというところ。ぼくも、この横顔が好き。年末の美女ベストテンにノミネートしておこう(笑)。
メナード美術館所蔵の”台湾の女”も藤島作。漢族ではなく台湾先住民の顔。目鼻立ちのはっきりした美人系が多いことを、昨年の旅行で知った。写真はない。
久米民十郎”支那の踊り”1920年 個人蔵。30歳で夭折したこともあり、作品は10点ほどしか確認されていないという。印象的な作品。
小出楢重”周秋蘭立像”1928年。大阪のリーガロイヤルホテルの喫茶室に、いつも飾られているという。コヒー代だけで観られる(笑)。今度、行ってみよう。
児島虎次郎”西湖の画舫”1921年 (高梁市成羽美術館蔵)。杭州の西湖ではなく、南京の情景。屋形船で遊覧しちる様子を描いた。
梅原龍三郎 ”姑娘とチューリップ”。梅原は北京がすっかり気に入り、何度も、長期間訪れ、午前中は紫禁城を、午後は姑娘(くうにゃん)を描き、夜はおいしい中華料理とお酒と、楽しい毎日をおくっていたようだ。50代前半で生涯、一番楽しい頃だったそうだ(笑)。
そして、トリはこの絵。1930年代の油彩の最高峰とも評価されている、安井曾太郎の代表作”金蓉”1934年(東京国立近代美術館蔵)。モデルは小田切さんという外交官の娘さんで、スケッチはしたが、チャイナドレスだけおいて外国に行ってしまった。抜け殻をもとに仕上げたという。何度も観ているが、いい作品ですね。
ほかに、藤田嗣治の”力士と病児”、恩地孝四郎、三岸好太郎、正宗徳三郎など28点。チャイナドレスも5,6点展示されています。また、チャイナドレスを着てきた方は入場料が割引になります(笑)。毎日、一人くらいは、いらっしゃるようですよ。
さあ、これから、サッカー観戦!!! 落ち着かない文章になったのはこのためですごめんなしゃい。4対0で日本、絶対勝つ!!!