昨晩のミニクラス会の飲み過ぎで、頭がすっきりしないが、だいぶ前に観た太田記念美術館の相撲絵展のことを書こうと思う。単発にはお相撲さんを描いた浮世絵をみることはあるが、こうして、展示室すべてが相撲絵で埋め尽くされるのはぼくには初めての経験。相撲好きにはうれしい展覧会だった。
これも、コレクターの石黒和義さんのおかげ。昭和19年生まれの石黒さんは日本IBMに勤務し、現在も関連会社でご活躍されているが、相撲錦絵のコレクターとしても知られていた。なんと550点もの作品を所蔵いていたが、このたび、そのすべてを太田記念美術館に寄贈されたとのこと。そのうち、100点が選ばれ、今回の”江戸の相撲と力士たち展”で公開されている。
さて、どの作品を紹介したら良いか、迷うところだが、今月はじめに、国技館の相撲博物館でみた”江戸時代の横綱と雷電展”で馴染みになった力士をまず、載せてみようかと思う。ついでながら、相撲博物館が所蔵している相撲絵は、3000点だという。この数字からも、石黒さんの、蒐集数は尋常ではないことがわかる。
まず、歴代横綱土俵入りから。参考に、江戸の横綱一覧表をあげておく。詳しくは前述のブログ記事でどうぞ。
初代横綱 明石志賀之助(宇都宮市?出身)
2代横綱 綾川五郎次(栃木市?)
3代横綱 丸山権太左衛門(宮城県登米市)
4代横綱・谷風梶之助
5代横綱 小野川喜三郎(大津市)
6代阿武松緑之助(石川県能登町)
7代横綱 稲妻雷五郎(茨城県稲敷市)
8代横綱 不知火諾右衛門(熊本県宇土市)
9代横綱秀ノ山雷五郎(宮城県気仙沼市)
10代横綱 雲龍久吉(柳川市)
11代横綱 不知火光右衛門 (熊本県大津町)
12代横綱 陣幕久五郎(島根県松江市)
相撲博物館のちらしにも用いられた、歌川国貞(三代目豊国)”歴代横綱の図”中央一番上の明石志賀之助から時計回りに、谷風梶之助、阿武松緑之助、秀ノ山雷五郎、稲妻雷五郎、不知火諾右衛門、小野川喜三郎。
勝川春好 ”横綱ノ伝図 西・谷風 東・小野川” 熊本の吉田司家が、力士にしめ縄を腰にまとって土俵入りする免許を与えることを”横綱之伝”を許すという。寛政元年11月場所中、谷風と小野川にはじめてそれが許可された。木村庄之助が二人に綱を授ける場面。これが初の横綱力士誕生だが、のちにそれ以前の三力士にも称号が与えられた。
国貞(三代目豊国) 稲妻雷五郎 横綱土俵入りノ図
国貞(三代目豊国) 阿武松緑之助 横綱土俵入りノ図
佐藤正持 稲妻雷五郎 横綱土俵入りノ図
国貞(三代目豊国) 秀ノ山雷五郎 横綱土俵入りノ図
国貞(三代目豊国) 不知火諾右衛門 横綱土俵入りノ図
国貞(三代目豊国) 不知火光右衛門 横綱土俵入りノ図 不知火型の土俵入りで名を残す。
国貞(三代目豊国) 雲龍久吉 横綱土俵入りノ図 雲竜型の土俵入りで名を残す。
二代歌川国輝 陣幕久五郎 土俵入りの図
二代歌川国輝 鬼面山谷五郎 土俵入りの図 明治2年に44歳で横綱免許を受ける。
二代歌川国明 堺川浪右衛門 明治の谷風と称される人気力士。14代横綱。
当面、ここで区切りをつけ、遊びに出掛けたい(汗)。図録を買ったので、相撲シリーズをつづけたいと思います。