気ままに

大船での気ままな生活日誌

アンドレ・ボーシャン+藤田龍児 牧歌礼賛/楽園憧憬

2022-06-15 09:00:40 | Weblog

おはようございます。

東御苑に花菖蒲を見に行った日(6月4日)、東京ステーションギャラリーで開催されている特別展、アンドレ・ボーシャン+藤田龍児 牧歌礼賛/楽園憧憬も見てきた。どちらも知らない画家だったが、牧歌礼賛/楽園憧憬に惹かれて入った。メルヘンチックなほのぼのした絵が多く、楽しませてもらった。

アンドレ・ボーシャン(1873-1958)と藤田龍児(1928-2002)とどういう結びつきがあるかというと、接点はない。ただ、ヨーロッパと日本、20世紀前半と後半、と活動の場と時代は異なっているが、共に牧歌的で楽園のような風景画を描いたという共通点がある。またどちらも、人生半ばから画家になったことも共通している。

アンドレ・ボーシャン:1873年、フランスで生まれる。苗木職人であったが、第一次世界大戦で徴兵され、除隊後、独学で絵を描き始めた。画家でもある建築家、ル・コルビュジェがいち早くその作品を評価したことでも知られている。アンリ・ルソー以来の素朴派の画家ともいわれ、1949年にはパリで大回顧展を開催している。

藤田龍児:1928年、京都の生まれ。大阪市立美術研究所で絵画を学ぶ。美術文化展に毎年出品を続けていたが、1976年から77年にかけて脳血栓を発症し、半身不随となって利き手の自由を失なう。一旦は画家の道を断念し、旧作のほとんどを廃棄する。その後、再起し、1981年に(53歳)個展を開いて復活。以降は美術文化展といくつかのグループ展に参加、また毎年のように個展を開き、2002年に没するまで精力的に活動した。

会場は残念ながら撮影禁止で、図録も買わない主義(笑)なので、ちらしの写真のみの紹介となる。

アンドレ・ボーシャンの巻

川辺の花瓶の花(1946)

芸術家たちの聖母(1948)

トゥーレーヌの風景(1940)

トゥールの大道薬売り (1944)

タルソスでアントニウスに会うクレオパトラ(1952)

藤田龍児の巻 エノコログサ、とんがり帽子の女の子、白い紀州犬、鉄道、道がよく作品に登場する。

 デッカイ家(1986)

静かなる町 (1997)

軍艦アパート (1990)

啓蟄(1986)エノコログサが生命力の象徴として描かれる。

古い花(1973)

3階展示室はすべて藤田龍児の作品、2階の煉瓦壁の展示室はアンドレ・ボーシャンの作品、そして、最後の部屋に二人の作品を比較するような形で数点、展示されている。ここも撮影禁止。とほほの配慮。

トゥールの大道薬売り(ボーシャン、前出)と神学部も冬休み(藤田)が並べられ、こういう説明があった。両作品は、ともに実在の場所がテーマになっているが、実際とはかなり異なる。ボーシャンは広場であることを維持しながら建物などを変えているのに対し、藤田は個々の建物は忠実だが配置を大胆に組み替えている。

どちらも、牧歌的風景であるが、作者の思いは別のところにあるに違いないし、鑑賞者もひとそれぞれに感じればいいと思う。楽しい展覧会であった。

展示室を出ると建物内は撮影OK。古い東京駅の煉瓦の壁が残っている。展示室も2階室はこの煉瓦壁でとても風情ががある。

東京ステーションギャラリー「牧歌礼讃/楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児」

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする