こんばんわ。
昨日、東博で”横尾忠則の寒山拾得展”を見てきた。とてもよかった。
ぼくは横尾忠則が好きである。2014年に川崎市民ミュージアムで”横尾忠則/肖像図鑑”という展覧会を見てファンになった。高倉健とか浅丘ルリ子の特徴を見事にとらえた色彩豊かな作品には魅了された。そして、2020年、国立新美術館で”古典x現代2020”展があった。日本の現代美術家8名を江戸時代以前の作家の名品と対比させて展示するもので、そこで、横尾忠則は曽我蕭白と対比された。蕭白の”寒山拾得”を下敷きにして、横尾忠則は”寒山拾得2020”を描いた。これが横尾忠則の寒山拾得を見た最初である。さらに、2021年、東京都現代美術館で特別展、”GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?”も見ている。ここでは、横尾忠則の生涯全作品紹介の大展覧会であったが、ぼくが一番気に入ったのは、寒山拾得連作コーナーだった。ほかの作品のはではでしさとは、少し違う、黄色、緑を主体とした柔らかな明るい色彩が好ましかった。まるで、ラウル・デュフィのような色彩。
今回は横尾忠則の寒山拾得限定の展覧会である。なんと、完全新作102点が東博・表慶館に集結した。
まず、寒山拾得とは。唐代中期の寒山と拾得の二人の高僧。二人とも奇行が多く、詩人としても有名だが、その実在すら疑われることもある。拾得は天台山国清寺の食事係をしていたが、近くの寒巌に隠れ住み乞食のような格好をした寒山と仲がよく、寺の残飯をとっておいては寒山に持たせてやったという。また、この二人は文殊菩薩、普賢菩薩の生まれ変わりといわれる。画題としてもよく用いられる。(Goo辞書)
さて、横尾忠則が描く寒山拾得は?寒山の巻物はトイレットペーパーに拾得の箒は掃除機に変身しているので気を付けて(笑)。横尾忠則はユーモア作家なのだ。何を描こうとしているのかあまり深刻に考えないでいいと思う(笑)。前述のようにラウル・デュフィのような軽やかな色彩だけで楽しめる。加えて、アインシュタインの舌や江戸川乱歩や、大谷翔平まで出ているから、つい笑ってしまう。それぞれの絵には画題はついていない。ただ、描いた日付だけ。だからここでも、とくにコメントをつけずに、撮ってきた写真を見た順に並べておく。100点すべてというわけにはいかないので適当に選択している。ではGo!
大谷選手
2Fへ。
江戸川乱歩とエドガー・ランポ
ゲルニカ(Guernica )。ピカソがあのゲルニカを描いているま後ろで2人の愛人が鉢合わせ。ピカソをめぐって2人の女が言い争っている、と横尾忠則を言っているが、そういう絵か(笑)。
アインシュタイン登場(四睡図)
終了
とても楽しい展覧会だった。
では、おやすみなさい。
いい夢を。
本展の連携展示として、東博所蔵の”寒山拾得”作品が本館の一室で集合ている。その一つ、暁斎の”四睡図”。