こんばんわ。
国立新美術館で”テート美術館展/ターナー、印象派から現代へ”が開催されている。先月中頃に行ってきました。
ロンドンのテート・ブリテンを訪ねたのは2011年の晩秋だった。漱石が草枕で”風流な土左衛門”と命名した、ジョン・エヴァレット・ミレー作の”オフィーリア”はここにある。当時、これだけ見て、安心して帰ったが(汗)、ほかにもたくさんの優品がある。それら優品が国立新美術館に集合している。加えて、ここでは現代美術のテート・モダンのも含めている。
テート(ブリテン)美術館は、19世紀の英国リバプール出身の実業家ヘンリー・テートのコレクションに端を発している。1500年代から現代までのイギリス絵画を中心に所蔵している。ターナーの一大コレクションのほか、ジョン・エヴァレット・ミレー、ウイリアム・ブレイク、コンスタブル、ゲインズバラ、ホガーズ、ロセッテイ、ウイリアム・モリス、ウオーターハウス、サージェントなどの作品。さらに、テート・モダンには、イギリス美術だけでなく印象派などの世界の近代・現代美術も。本展ではこれらの中から、光をテーマにした優品が120点も来日している。そのうち100点が初来日とのこと。
ギリシア神殿風のテート・ブリテン美術館(2011年撮影)
以下の章立てで展示されている。
第一章 精神的で崇高な光
第二章 自然の光
第三章 室内の光
第四章 光の効果
第五章 色と光
第六章 光の再構成
第七章 広大な光
数えきれない表情をみせる「光」をどう作品で描くのか。まずは、本展サイトの説明を。
新たな芸術表現を追求するアーティストたちはこの難解なテーマに向き合ってきました。本展では18世紀末から現代までの光をめぐる表現や技法の移り変わりを明らかにします。ウィリアム・ブレイクやターナー、コンスタブルから、モネなどの印象派、そしてジェームズ・タレル、オラファー・エリアソン、草間彌生ら現代アーティストまで、時代や地域、ジャンルを超えて「光の作品」を俯瞰できる会場構成です。多様な光の表現に包まれる空間にご期待ください。
素人には分かりにくい章分けなので、ぼくは、あまり詳しい説明は読まず(汗)、ロンドンのテート・ブリテンとテート・モダンをぶらぶら歩きするような感じで見てきた。写真撮影が可能なので、自分が気に入ったものや有名作家の作品を撮ってきた。以下、とくにコメントはつけずに、ほぼ見た順に載せていきたい。
第一章 精神的で崇高な光
ウィリアム・ブレイク《アダムを裁く神》1795年
バーン=ジョーンズ《愛と巡礼者》1896-97年
ジョセフ・ライト・オブ・ダービー 噴火するヴェスヴィオ山とナポリ湾の島々を臨む眺め
ターナー 陽光の中に立つ天使(1846)
ジョン・マーティン ポンペイとヘルクラネウムの崩壊(1822)
ターナー 光と色彩(ゲーテの理論/大洪水の翌朝/創世記を書くモーゼ(1843)
第二章 自然な光
ジョン・コンスタブル《ハリッジ灯台》1820年
ジョン・ブレット《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》1871年
ホイッスラー《ペールオレンジと緑の黄昏—バルパライソ》1866年
クロード・モネ《エプト川のポプラ並木》1891年
シスレー 春の小さな草地 1880
ジョン・ヤング・ハンター 私の妻の庭 (1899)
ジョン・エヴァレット・ミレー 露に濡れたハリエニシダ
ウイリアム・ホルマン・ハント 無垢なる幼児たちの勝利 (1883-4)
ピサロ 水先案内人がいる桟橋 ル・アーヴル、朝、霞がかかった曇天 1903
アルマン・ギヨマン モン=シュル=ロワン 1902
第3章 室内の光
ヴィルヘルム・ハマスホイ《室内》1899年
ウィリアム・ローゼンスタイン《母と子》1903年
ここから現代アートですね。
第4章 光の効果
ルイジ・ヴェロネージ《写真 n.145》1940年制作ほか。
第5章 色と光
ワシリー・カンディンスキー《スウィング》1925年
ブリジット・ライリー《ナタラージャ》1993年
マーク・ロスコ《黒の上の薄い赤》1957年(右側の作品)
リヒター アブストラクト・ペインティング(726)(1890)
第5章 光の構成
デイヴィッド・バチェラー《ブリック・レーンのスペクトル 2》 2007年
ピーター・セッジリー《カラーサイクル III》 1970年
第7章 広大な光
オラファー・エリアソン《星くずの素粒子》2014年
まるで、ロンドンのテート・ブリテン内を彷徨っているようないい気分であった。ロンドンでは下の写真のように壁一面に飾られている。オフィーリアも、こんな風に。本展ではゆったりと。
では、おやすみなさい。
いい夢を。
(ミレーのオフィーリア)今回は来日していません。