こんばんわ。
昨日(10月11日)からはじまった東博の”やまと絵展”を見に行った。国宝の四大絵巻が勢揃いするなど期待通りの素晴らしい展覧会だった。それについては後ほどゆっくり記事にするとして、今日のところは庭園編でお茶をにごしたい(笑)。東博庭園内には茶室がいくつもあるが、その一つ、応挙館の前に大きな金木犀の木がある。鎌倉の金木犀がなかなか開花しないので、都内ではどうなのか、それも知りたかった。
これが応挙館の前の金木犀。
ほのかに金木犀の香りがするので、いくつか開花しているだろうと思った。しかし、いくら探しても蕾ばかりだった。でもだいぶ膨らんできていて、数日中には花盛りになりそうな雰囲気だった。
応挙館がいつもと違う様子で、縁側で人々がくつろいでいる。
玄関に廻ると、期間限定でここをカフェとして利用しているとのことだった。応挙館に入ったことがなかったので、いい機会だと、この「TOHAKU茶館」に入り、お茶をいただいた。
応挙館は、尾張国の天台宗寺院、明眼院の書院として寛保2年(1742)に建てられ、後に東京品川の益田孝(鈍翁)邸内に移築、昭和8年(1933)東博に寄贈され、現在の位置に移されたとのこと。室内に描かれている墨画は、天明4年(1784)、円山応挙が明眼院に眼病で滞留していた際に揮亳したもの。松竹梅を描いた床張付が残されている。
応挙の襖絵の前でお茶をいただくぜいたく。
うっとりするような幾何学模様、直線美。
隣りの建物は九条館。京都御所内の九条邸にあったものを東京赤坂の九条邸に移した建築で、当主の居室として使われていた。昭和9年(1934)九条家から東博に寄贈され、現在の位置に移築された。床張付、襖などには狩野派による楼閣山水図が描かれており、欄間にはカリンの一枚板に藤花菱が透かし彫りされている。
外の裏窓から襖絵が覗ける。
金木犀を訪ねたお陰で、応挙館の室内をはじめて見学することができた。1週間後にお礼参りに来よう。まばゆいばかりの満開の金木犀の花と香りが迎えてくれるだろう。
では、おやすみなさい。
いい夢を。
春草廬(しゅんそうろ)