おはようございます。
東博の桃山/天下人の100年を前期展の最終日、11月1日に見に行ってきました。ここも事前予約のだが、大失敗。パソコンで予約したバーコード付きの証明書を忘れてきてしまった。それでも、受付で名前と電話番号を伝え、無事、パス。ほっとした。以前にもこんなことがあり、いよいよぼけてきたのかも。
安土桃山時代の大作、名品が目白押しというので、楽しみにしていた。第一会場ではいきなり、豪華な洛中洛外図屏風が勢ぞろい。永徳作の国宝・洛中洛外図屏風(上杉本)は、山形旅行のとき、米沢市の上杉博物館に見に行ったが、展示は複製のものだった。でも東博の京都展で本物を一度、見ている。これが二度目。できれば、又兵衛の舟木本と並べて欲しかったが、これは後期展示のようだ。最古の洛中洛外図といわれる歴博甲本も来ている。では、思いつくまま、名品巡り。撮影禁止なので、以前撮った写真などを使用している。
国宝・洛中洛外図屏風(上杉本)織田信長が、上杉謙信に贈ったとされる京の都を描いた屛風。
先日、”新美の巨人たち”で取り上げられていたので、細かいところはそのテレビ画面から。右隻は東寺・清水寺などの都の東側、左隻は金閣寺・高尾の山々など都の西側が描かれている。かってあった相国寺の七重の塔から見た風景ではないかという。春夏秋冬も描き分けられている。建物だけではなく、そこに住む、老若男女、身分、職業を問わず、人々の生活も克明に描かれている。登場人物は約2500人はいるそうだ。
会場ではなかなか細かいところまで見られないのでテレビはいい。
渡月橋
室町幕府の花の御所。永徳が23歳のときに描いた時点ではすでに焼失しているが依頼者の要望があったようだ。
祇園祭の蟷螂山。洛中洛外図では必ず入る祇園祭。ぼくの好きな蟷螂山(動くかまきりが面白い)も描かれている。
次の部屋がまた、”永徳と等伯の競演”という横綱対決。永徳は国宝・檜図屏風、等伯は国宝・松林図屏風と智積院の国宝・楓図壁貼付。ここの写真は東博平常展や智積院で撮ったものです。
国宝・檜図屏風(永徳)
国宝・松林図屏風(等伯)
国宝・楓図壁貼付
本展の主催者がこう自慢する(笑)。これほど桃山文化にまつわる優品が集まったことは、今までになかったかもしれません。狩野元信から永徳に探幽、さらにはライバルとされる長谷川等伯の絵画から江戸時代初期の風俗画、または上杉謙信や豊臣秀吉らの戦国武将ゆかりの甲冑、ないし千利休や古田織部にまつわる茶道具のほか、蒔絵や南蛮美術などの作品がずらりと並んでいて、ほぼ全編がハイライトと捉えても過言ではありませんでした。たしかに!どこでもハイライト!
豪華絢爛から一転、信長、秀吉、家康の手紙(消息)が並んでいる展示もよかった。信長が夕庵へ、家康がちよほに、そして、秀吉がおね(ねね)に宛てた消息。
信長のそっけない書状
あけっぴろげに感情を表わした飾りのない文章でねねに近況を伝える秀吉。
孫娘である千姫は豊臣秀頼に嫁いたが、大坂の陣で豊臣家は滅亡、千姫は大坂城から救出された。夏の陣後に千姫のもとに届けられた手紙。祖父としての気遣いがうかがわれる。
どこでもハイライト!
黄瀬戸立鼓花入 銘 旅枕
とても豪華な展覧会であった。後期展もあと一週間になってしまった。行けるかどうか。
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!