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【tv】100分de名著「赤毛のアン」(第1回)

2018-10-10 22:51:25 | tv

【tv】100分de名著「赤毛のアン」(第1回)

想像力の翼を広げて

 

 

 

1回25分×4回で1つの作品を読み解く番組。10月はルーシー・モード・モンゴメリ著「赤毛のアン」(Wikipedia)で、講師は脳科学者の茂木健一郎氏。今回はその1回目。


茂木健一郎氏は小5で初めて本書を読んだそうで、これはビルドゥイングス・ロマンなのだそう。ビルドゥイングスというのはドイツ語で、教養とか形成という意味。ロマンは小説。ということで、これは教養小説ということで「個性が新しい世界で花開き成長し、周りの大人も成長していく物語」なのだそう。


作者はルーシー・モード・モンゴメリ(Wikipedia)。1908年出版で、1952年村岡花子(Wikipedia)訳で日本出版。「アンの青春」「アンの娘リラ」など人気シリーズの第1作目。世界的にも日本のファンが熱狂的で、村岡花子訳がすばらしく功績が大きい。


最初の登場人物はリンド夫人。リンド夫人は「世間」みたいな存在。世間の視点から始まるのが秀逸。


そうだった! 最初はリンド夫人から始まってた! 


レイチェル・リンド夫人はマシュウ・クスバートがよそ行きの服を着て馬車で出かけるのを目撃し、妹のマリラ・クスバートを訪ねる。年老いてきたマシュウとマリラの兄妹は、畑仕事を手伝ってもらうため孤児院から男の子を引き取ることにしたのだという。しかし、マシュウが駅に着くと待っていたのはおしゃべりで空想好きな女の子だった。


アンは「安全基地」がない少女。不安だから喋ってしまう。


伊集院光氏感想:芸人も芸に自信がある人は喋らない。


たしかにそれはあると思う。もちろんアンはそんなこと意識してないと思うけど、自分を家族として迎えてくれるという人に対して不安で、しかもマシュウが内気で喋らない人だから余計に喋っちゃう気持ちは分かる。


マシュウの馬車に乗ると見る物全てを称賛し始める。白い花をつけた木々が並ぶ道で絶句。あの道は何というのか尋ねる。マシュウが並木道だと答えると、そんな名前はありえないとばかり"歓喜の白路"と名付ける。バリーの池にも"輝く湖水"と名付ける。グリン・ゲイブルスに着くと、自分の想像通りだと喜ぶ。


ネーミングの天才。プリンスエドワード島の普通の田舎。よそから来た人にしか見つけられないその土地の良さ。


リンド夫人の言葉:こんなところに自分たちだけで暮らしているのだもの、マシュウもマリラも変わった兄妹さね。木じゃあ話し相手にゃならないのに、木でよかったら、いやというほどあるけれどね。


子どもは大人がつまらないと思うものに新しい意味を見出す力がある。アンはその象徴。


マリラは男の子が欲しかったことを告げる。今日は泊まっていくように言い、初めて名前をたずねる。するとアンは本名はアン・シャーリーだがコーデリアと呼んで欲しいと言う。心の慰め。家に置いてもらえないならせめてコーデリアと読んで欲しい。

 

伊集院光氏感想:ここに来た意味を1つでも持ちたいからコーデリアと読んで欲しい。健気である。

 

するとアンはeのついたAnneと呼んで欲しいと言う。マリラはeのついたアンと呼んでくれる。

 

伊集院光氏感想:そうとう厳しい状況の中で、わずかでも変化をくれということ。健気である。

 

アン=空想好き、マリラ=現実的、マシュウ=気弱。でも、肝心な時にマシュウは意志を通す。今回もマシュウはアンを置いておきたい様子。

 

今の感覚からするとコーデリアという名前はちょっと古臭いかなと思うけれど、あの時代だと物語の主人公っぽかったりするのかな? 発音は同じだけどAnnよりAnneの方がいいのは分かる気がする。フランスっぽい。

 

家に置いてもらえないことを知ったアンは泣きながらベッドに入る。このトラブルに腹を立てたマリラが孤児院に帰すと言うと、マシュウはあの子は良い子だから返すのはかわいそうだし、自分たちがあの子の役に立つことがあると思うと言う。

 

伊集院光氏感想:わしらの方で役にたつことがあるかもというのはマシュウの成長なのでは?

 

利他性により脳は成長する。他人のためになろうとしてマシュウは成長する。何歳になっても人間は変われる。

 

アンの語りたくない生い立ち。生後3ヶ月で両親と死別。里親のもとで子守りや手伝いをしながら育つ。想像力が心の支え。想像以上にかわいそうで心がゆれる。

 

マリラは仲介者のスペンサー夫人を訪ね事情を説明する。するとスペンサー夫人はアンをブリュエット夫人のところに預けるという。ブリュエット夫人はケチで癇癪持ちであることを知っているマリラは心がうずく。ブリュエット夫人がアンを引き取ると言うと、アンは真っ青な顔をしている。マリラはアンをブリュエット夫人に渡してしまったら、この先一生この顔が忘れられないだろうと思い、マシュウと相談するから1日待って欲しいと言って、アンを連れて帰る。心ではアンを引き取ると決めている。本当のことか想像かと問うアンに、本当のことと区別がつかないならその空想とやらはなんとかした方がいいと答える。

 

マリラは愛情表現が下手で皮肉でしか答えられない。

 

グリン・ゲイブルスのアン:Anne Of Green Gables(原題) 引き取られることが決まり、自分がAnne Of Green Gablesになったと言った1回しか出てこない。

 

安全基地(グリン・ゲイブルス)の発見がひとつの着地点。ここからビルドゥイング・ロマンの始まり。

 

"赤毛が嫌い"自分が好きになれないことを、どう乗り越えるかが大きなポイント。→みんなの物語である。

 

赤毛のアンは大好き。村岡花子訳のシリーズ全巻読んで今も持ってる。高校生ぐらいの時に読んだから、アンの世界に酔いしれてるだけだったけど、意外に深いことを描いていたんだね。続きが楽しみ😌


100分de名著:毎週月曜日 午後10:25~10:50 Eテレ

100分de名著

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