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【cinema】『ブレス しあわせな呼吸』

2018-10-26 00:59:46 | cinema

2018.10.05 『ブレス しあわせの呼吸』鑑賞@角川シネマ有楽町

 

試写会応募したかな? 日程が合わなくって応募しなかったのかな? とにかく気になっていはいたけど、積極的に見に行こうという感じではなかった。金曜日だからテアトル系で見たい映画ないかなと調べてみたら角川シネマ有楽町でやってる! ってことで見に行ってきた~

 

 

ネタバレありです! 結末にも触れています!

 

「ロビン・カヴェンディッシュは、ダイアナと恋に落ち結婚。アフリカで紅茶を買い付ける仕事をしていたが、現地で倒れてしまう。運ばれた病院でポリオと診断され、首から下がマヒ。人工呼吸器なしでは生きられない体になってしまう。イギリスに移送されるも病院で寝たきりの生活。死を望む彼を励ますため、ダイアナは医師の反対を押し切って彼を自宅に連れて帰ることにする。そこから彼は重度障碍者に対する世間の考えを変えていくことになる。」という話で、これは実話。重い話なのにユーモアを交えて描かれている。多少脚色されている部分はあるかなと思うけれど、エンドロールでご本人の映像も出てくるので、おおむね事実に基づいていると思われる。これ、とっても良かった。

 

俳優のアンディ・サーキス初監督作品。アンディー・サーキスといえば『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、『ホビット』シリーズ(感想はコチラコチラコチラ)、『猿の惑星』シリーズ(感想はコチラコチラ)でのモーションキャプチャー演技があまりにも有名だけど、実は『ホビット』シリーズでは第2撮影隊の監督してたりするんだよね。そう考えると、監督するのは自然な流れなのかも。でも、こういう作品を撮るとは思わなかった。

 

作品について、毎度のWikipeidaから引用しておく。『ブレス しあわせの呼吸』(ブレス しあわせのこきゅう、原題:Breathe)は、2017年のイギリスのドラマ・伝記映画。アンディ・サーキスの監督デビュー作で、脚本はウィリアム・ニコルソン。出演はアンドリュー・ガーフィールド、クレア・フォイ、ヒュー・ボネヴィル、トム・ホランダー、エド・スペリーアス、ディーン=チャールズ・チャップマン。製作のジョナサン・カヴェンディッシュの両親の実話を基にしており、28歳でポリオに感染し首から下が麻痺になったロビン・カヴェンディッシュの人生が描かれる。 2017年9月11日、第42回トロント国際映画祭でワールドプレミアが行われた。アメリカではブリーカー・ストリートより2017年10月13日に、イギリスではSTXインターナショナルより同年10月27日に公開された。

 

主人公のモデルとなった人物の息子であり本作のプロデューサーを務めるジョナサン・カヴェンディッシュは、本作の監督のアンディ・サーキスとともにイマジナリウム・プロダクションズを経営している。彼は本作の製作にあたり脚本をウィリアム・ニコルソンに依頼した。

 

撮影中、アンドリュー・ガーフィールドはロビン同様に動けない体勢を取り続けた。ガーフィールドはダイアナに対してソウルメイト以上の関係として演じ、「彼は物理的にも精神的にもダイアナに非常に依存していた」と述べている。ガーフィールドは実際のダイアナ、ジョナサン、彼らの友人や家族らと過ごし、ロビンの性格や「呼吸器の中の人格」を吸収したと語っている。

 

ダイアナを演じたクレア・フォイは、「最も重要なことはお互いの愛だった。彼女を過度に感傷的に描きたくはなくて、聖人や天使やすばらしい看護師に見られたいわけでもない。ただの愛だった」と述べている。ジョナサン・カヴェンディッシュによれば、彼の父親がポリオに罹って最初に考えたことは機械を切ることで、当時25歳のダイアナに「まだ君は人生をやり直せる」と言い聞かせていたという。フォイはこのエピソードから、「彼女はどこにも行かなかった。これは理解するのに最も簡単なことで、彼女が彼を愛していたということ。彼女は彼と常に一緒で、逃げ出すなんてことはない。選択肢にない」と語っている。

 

2016年9月、ブリーカー・ストリートはアメリカでの配給権を獲得した。2017年2月、STXエンターテインメントがイギリスでの配給権を獲得した。2017年9月11日、第42回トロント国際映画祭でワールドプレミアが行われた。第71回ロンドン映画祭のオープニング作品としても上映された。アメリカでは2017年10月13日に、イギリスでは同年10月27日に公開された。

 

映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには148件のレビューがあり、批評家支持率は66%、平均点は10点満点で6.4点となっている。サイトの批評家の見解の要約は「本作の力強い演技は、現実の出来事に対して温かいアプローチを取っており、伝記映画に鋭さを加えている」となっている。また、Metacriticには28件のレビューがあり、加重平均値は51/100となっている。 第26回ハートランド映画祭でTruly Moving Picture Awardを受賞。

 

と、キャストとあらすじ以外はほぼほぼコピー。2人の息子だから当然ながら映画内にも登場するけど、『ブリジット・ジョーンズの日記』などのプロデューサーのジョナサン・カヴェンディッシュのご両親のお話しなのね。そういう意味ではもしかしたら美化している部分もあるかもしれないけれど、決して身びいきにはなっていないと思う。

 

冒頭、豪華なお屋敷の庭でパーティーが開かれており、男性たちはクリケットに興じている。それを眺める女性たちの中でひときわ目立っていたのがダイアナ(クレア・フォイ)。ロビン・カヴェンディッシュ(アンドリュー・ガーフィールド)も彼女に惹かれるが、友人はダイアナは難攻不落で多くの男たちが振られているという。ロビンはここぞとばかりに張り切って特大ホームラン?を打つも、ダイアナの近くのテーブルのお皿を割ってしまう。これ、2人が出会うきっかけなのは分かるけど、パーティー席に向かって打ち込むフォーメーションになっているのは不自然な気が🤔 まぁ、そのツッコミはいいか😅

 

特大のホームラン?を打てる腕前と、その後の対応の良さに難攻不落のダイアナも恋に落ちる。双子の兄ブロックスとデイヴィッド(トム・ホランダー2役)は、ロビンの仕事が安定していないことを理由に反対するけれど、ダイアナはこれは運命と感じ結婚を決意する。

 

結婚した2人はロビンの仕事先であるアフリカに頻繁に出かける。ロビンは紅茶を仕入れる仕事をしているらしく、アフリカでも山に登ったり、キャンプをしたりする生活。ダイアナは必ず同行している。友人たちとともにキャンプした時、ダイアナはその方が楽しいからだというような主旨のことを答えている。ダイアナが明るく前向きで、行動力のある女性であることが分かる。そしてこの資質がその後の2人の人生に生きてくる。2人でキャンプした時、ダイアナは妊娠を打ち明ける。このシーンは美しかった。アフリカの自然も美しい✨

 

ロビンは運動神経抜群なようで、友人たちをいつもテニスで負かしていたらしい。しかし、ある日友人とテニスに興じた時、体が思うように動かず負けてしまう。この時直ぐに病院に行っていたらどうなのかは分からないけれど、とにかく兆候は見えていたということ。

 

夜中に具合が悪化。なんとか友人の部屋にたどり着き助けを呼ぶが、既に立っていられない。病院に運ばれると診察台でもう手足が動かない。医師は慌てて喉を切り、呼吸器を取り付ける。診断はポリオ。ポリオ菌を吸ってしまったことが原因なのだそう。ポリオって小児麻痺だよね? 菌で感染するものなのね? これ現在ではどんな感じの予防法になっているのかな? 映画の中ではかなりの患者が登場するのだけど、当時流行してたのかしら? とりあえずWikipediaを貼っておく!

 

アフリカの病院の医師は白人だったし、それなりに設備も整っていたからイギリス系だったのかな? 数ヶ月は入院していたっぽい。その間、ダイアナは長男を出産している。ポリオになると首から下は麻痺し、呼吸器がないと自発呼吸もできない。一生寝たきりということ。仕事も順調で息子も生まれ、本来ならば幸せの絶頂なのに、息子を抱くことも出来ない悲劇。これは辛い😢

 

イギリスに帰国することになるけど、飛行場に救急車が待機しており、担架で運びながら装置につなぐまでは手動で呼吸器を動かす。そのまま病院に収容されると、病室にはポリオ患者が6人以上。ここでもただ寝ているしかない。ロビンは次第に死にたいと考える。後に訓練して喋れるようになるけど、この頃は話すこともできなかった。必死でダイアナの双子の兄に伝えた言葉が自分を殺せというものだった。ダイアナは必死でロビンを勇気づけようとするけど、なかなか上手く行かない。まぁそうだよね。病室にテレビがあるわけでもないし、ただただ寝ているだけで排泄はもちろん、呼吸すら自力でできない。ただただ生きているだけ。これで前向きに生きろと言われても😣

 

ダイアナはなんとかロビンを退院させられないかと考える。病院長?は大反対だけど、インド系?の医師は協力的。とにかく人工呼吸器が壊れれば即死亡なわけで、この辺りがネック。ダイアナは手動ポンプのやり方を習う。これだけで人工呼吸器が壊れた時のリスクが回避できたとは思えないけど、とにかくダイアナは住む家も見つけて着々と準備を進める。妻に先立たれた老人から値引きして物件を買う下りはコミカルで微笑ましい。そしてダイアナたくましい。

 

家に引き取って直ぐ。まだ幼い長男と飼い犬がじゃれ合って、人工呼吸器の電源を抜いてしまい、危うく死にかけるというアクシデントがあるけど、それ以降この問題は出てこない。電源について特に対処した描写もないけれど、この辺りは特に何もしなかったのかな? 例えば一番気がかりであるお金の問題などはどうなっているのか全く説明がない。例えば入院費だけでも大変だろうし、その後の生活費はどうなっているのか? ダイアナが働いていたとも考えられるけれど、そういう描写もない。そういえば株で儲けた描写があったから、それで生計を立てていたのかな? その辺り気になったけれど、描きたいのはそこではないということかな😌

 

ロビンの友人の1人にテディ・ホール(ヒュー・ボネヴィル)という人物がいる。オックスフォード大学の教授で、いろいろ発明をしているらしい。ある日ロビンが何か(失念💦)を見て、あるアイデアを思いつく。そしてテディ・ホールが開発。それは人工呼吸器つきの車椅子。これが成功すれば寝たきりのポリオ患者が外に出ることが出来る。試行錯誤の末完成 これが評判を呼ぶ。これは画期的。

 

ロビンはまた従来の活発さを取り戻し、なんと家族でスペイン旅行に出かけちゃう。車に乗って山道を走っている時、ダイアナの兄が電源を間違えて差し、人工呼吸器が壊れてしまう💦慌てて車を止めさせて、手動のポンプを使う。ダイアナは兄の1人にテディに直ぐに来てくれるよう電話をかけてくるように依頼。その間、ダイアナ、息子のジョナサン、そしてもう1人の兄が交代で手動ポンプで空気を送る。一見悲惨な状況だけれど、なんとテディが来る頃には、地元民?が集まってお祭り騒ぎになっている。これも実話なのかな? とにかく、ロビンとダイアナが前向きで明るい😳

 

人工呼吸器付き車椅子のことがクレメント・エイトキン医師(ステファン・マンガン)の興味を引く。公式サイトのキャスト紹介にもないし、Wikipediaにも詳しい表記がないのだけど、障碍者支援団体の代表をしていた人物だったはず。この人工呼吸器付き車椅子があれば、ポリオ患者にとって大変有意義なことになる。なんとか支援を取り付け量産化させたいというのだった。演じるステファン・マンガンが何となく苦手なサシャ・バロン・コーエンを彷彿とさせてうさん臭く感じ、これは騙されてしまうのでは?と思ったら、この人後にある重大な役割を果たすとてもいい人だった。2人は貴族や資産家を訪ね寄付を募ったりする。

 

エイトキン医師はロビンをドイツの学会え連れて行く。その際、ドイツの病院のポリオ患者の病室を訪れて衝撃を受ける。まるで遺体安置室のような無機質な病室内の壁に、2段に別て患者が格納されている。要するに遺体安置室のように引き出し式になっているベッドに寝かされているので、患者たちは頭のみが壁から出ている状態。車椅子に乗り移動しているロビンをうつろな目で見る。中には少年もいる。これ本当にこんな病室あったのかしら。説明した医師たちは、患者のことを考えていると自信満々だったけれど、こんな人間の尊厳を奪われた病室ありえない😠

 

ロビンは学会で演説する。最初は危険性を唱えて反対していた医師たちも、ロビンの熱心な演説に感動し涙を流す。ちょっと見てから時間が経ってしまったので、正確なセリフは忘れてしまったけれど、要するに障碍者だからといって自由を奪わないで欲しい的なことを言っていたと思う。感動して泣いてたわりに忘れた😅

 

資金を得て開発された人工呼吸器付き車椅子は量産され、多くの障碍者たちが外に出た。中にはロビンの隣のベッドに寝ていた男性も。皆で車椅子で行進するシーンは感動的。全てが上手くいき、友人に恵まれ、愛する家族もいて、順風満帆に見えたのだけど・・・

 

ある夜、寝ていた息子のジョナサン(ディーン=チャールズ・チャップマン)は、ダイアナが自分を呼ぶ声で目を覚ます。慌てて階下に降りると父の喉から血が噴き出していた。慌ててタオルで喉を押さえる。どうやら人工呼吸器を長年つけていると、こういう発作を起こすらしい。肺が限界ということなのかな。この発作は度々繰り返すようになる。そこで、ロビンはある決心をする。命を終わらせようと考え、エイトキン医師に相談する。もちろんイギリスでも安楽死は違法だと思われるけれど、エイトキン医師は同意する。

 

ロビンは友人たちにも彼の決意を話したようで、友人たちはお別れパーティーに集まってくれる。パーティーは盛大に行われ楽しい雰囲気となるが、その意味を知っているから見ている側も辛い。親友たちはそれぞれお別れの言葉を述べるけれど、どれもとても感動的。こんな時、自分が友人の立場だったら何と声を掛けるだろうか。自ら命の期限を決めたいと考えることは、自分は悪いことではない気がする。それを実行するかはまた別だし、自殺をいいことだとは思わない。でも、長くは生きられないことが分かっていて、その日を待つ状態で、なおかつ肉体的にも辛いだけならば、自分の意志で死にたいと思うのではなだろうか。どうやっても治らないならば。そう思ったから、ダイアナもジョナサンもロビンの意志を尊重したのではないかな。それが許されることかどうかは別として。

 

その日、ロビンはダイアナとジョナサンを呼び、11時30分にエイトキン医師がやって来るから、その前に家を出て、12時前に戻ってきて欲しいと告げる。エイトキン医師がロビンを死なせるため何をするのか説明はないし、処置を施す映像もないので方法は分からないのだけど、この行為が違法であることは間違いない。なのでこれは2人を巻き込まないようにということなのでしょう。

 

2人は近くのカフェに行き、テラス席に座るも何も口に出来ない。そりゃそうだよね。カフェの前をエイトキンが運転する車が通る。2人と目が合う。急いで戻る2人。ロビンはまだ生きていた。ロビンとしては亡くなっているところを2人に見つけて欲しいということだったのかな? その辺りはちょっとよく分からないけど、結果3人はそれぞれお別れの時を持つ。ここは感動的だった。実際がどんな感じだったのか分からないけれど、やわらかい日差しが入る部屋で、もちろん泣いているけれど穏やかに自分の思いを伝える。ダイアナがロビンを一番愛しているし幸せだったと言ったのは泣けた。障碍者の家族といえば介護というイメージで、ましてやロビンのように排泄の世話もしなければならないとなると、本当に大変だったと思う。でも、ロビンといて幸せだったということに嘘はないのでしょう。それはとっても伝わって来た。そして、それこそが今作のプロデューサーでもある、実の息子ジョナサン・カヴェンディッシュの伝えたいことであり、アンディー・サーキスの見せたいことなのでしょう。

 

エンドロールでジョナサンが映画のプロデューサーになったこと、今作をプロデュースしたことが伝えられてビックリ😲 ご本人の思い出だから美化されいている部分もあるかもしれないけれど、とにかく目線が温かい作品だった。その辺りはアンディー・サーキス監督の目線でもあるのかな? そしてエンドロールではロビンとダイアナご本人の映像も。映画でも登場した浜辺を人工呼吸器付き車椅子で友人たちと走る場面も実際にあったことだったのね。これも良かった。

 

キャストはみな良かった。双子の兄のトム・ホランダーは1人2役で頑張っていたけど、コメディー担当という感じで2人で漫才やってるみたいだった。ってホメてます。エイトキン医師のステファン・マンガンも良かった。最初うさん臭く見えたのは狙いではないと思うけれど、ロビンの良き理解者であったことは伝わって来た。

 

ダイアナのクレア・フォイが良かった。登場シーンはまるでスカーレット・オハラのように高嶺の花感があったのに、献身的で明るい奥さんになる。ロビンを支えたのはもちろんだけど、ロビンの存在が自分を幸せにしていることがきちんと伝わって来た。

 

首から上だけで演じきったアンドリュー・ガーフィールドが素晴らしい 演技上手いのは知っていたけど、ホントに首から下が全く動かなかった。顔だけで年齢を出していくのもすごかったし、ちゃんと夫であり父親であった。前半部分は絶望している場面も多かったけれど、精力的に活動していく姿が印象的。良かった。

 

ダイアナの服装や髪型などで時間の流れを感じさせる演出も良かったし、アフリカやスペインの風景も良かった。時々、例えば幼いジョナサンと3人暮らしっぽいのに、車椅子に座っているロビンをどうやってベッドに寝かせるんだろう?という疑問がわいたりもしたけれど、その辺りはまぁいいか😌

 

見てから時間が経ってしまったので、上映終わっちゃったかな? テアトル会員1000円で見れる日だったのに、お客さん10人くらいしかいなかった💦 良い作品だから見て欲しかったんだけどな。是非、DVDでチェックしてみて欲しい。クレア・フォイ好きな方是非、アンドリュー・ガーフィールド好きな方必見です!

 

『ブレス しあわせの呼吸』公式サイト

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