朝日新聞でアルフィーが『メリーアン』を作曲する際の元ネタにしたと紹介されていた、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督・脚色・台詞の'55年作品『わが青春のマリアンヌ』をビデオで見ました。
“君の声が聞こえる。それは青春の日々を呼び戻す‥‥”のナレーション。森の中を移動するカメラは走る鹿の姿を捕えます。やがて現れる城。“君の来るのは知らなかったが、動物たちが静まった。君を待ったのだ”のナレーション。城の前に鹿が集まり、入り口からは子供らが走り出てきます。彼らはあり余る自由時間を過ごすために遠出をすると語るナレーション。車で来たヴィンセント(ホルスト・ブッフホルツ)は母と別れ、マンフレートに迎えられます。城に見えたのは寄宿舎で、マンフレートはヴィンセントに、対岸の邸宅の廃墟に10年ほど前から男爵の霊が取りついているという噂を語ります。アレクシスを頭目として“盗賊団”を名乗る5人組は肝試しとして邸宅の廃墟に行くことにし、ヴィンセントを誘います。夜、寄宿舎の長である教授から親戚の娘として皆に紹介されるリゼロッテ。翌日ヴィンセントに届いた母からの手紙には、母は長旅に出るので、代わりに大尉が来ると書いてあり、ヴィンセントは憤慨します。悪いことが起こると言って止めるリゼロッテを無視し、盗賊団とボートで邸宅へ向かったヴィンセントは、ボートの見張りを頼まれますが、何時間たっても5人組が戻って来ないため、1人で邸宅に向かいます。番人が連れた2頭の犬に追われた盗賊団は、ヴィンセントを置いてボートで逃げ出します。ヴィンセントには吠えない犬たち。その夜の夕食にヴィンセントが現れないのにリゼロッテは気付き、夕食後に不安から自室で失神します。明け方に嵐になり窓が割れ、リゼロッテも目覚めますが、そこへヴィンセントが喜びに満ちて帰ってきます。彼の腕の傷の手当てのために自分のネグリジェを脱ぐリゼロッテ。翌日盗賊団はヴィンセントが女性のハンカチを持っているのを発見します。数日後、沈み込むヴィンセントにマンフレートが話しかけると、ヴィンセントはあの夜のことを話します。番人に邸宅の部屋へ幽閉された彼は、そこで部屋に置かれた絵画そのままの女性マリアンヌ(マリアンヌ・ホルト)と出会い、彼女から「待っていた」と言われます。彼女は病気の男爵が自分を監視していると言い、このことは誰にも話さないようにと言って、彼をボートで送り、ハンカチを落として去ります。そして彼女の面影を数日前から思い出せなくなったのだとヴィンセントは告白します。教授からボートの使用を禁止され、毎日双眼鏡で対岸を見つめるヴィンセント。祭りに現れた黒い車の中にマリアンヌを認めるヴィンセントでしたが、車は去ります。言い寄るリゼロッテを無視するヴィンセント。やがて対岸から青年がボートでやって来てヴィンセント宛ての手紙を寄宿舎の少年に託しますが、アレクシスに奪われたその手紙には「助けて マリアンヌ」と書かれていました。自分になついていた鹿をリゼロッテに殺され、「いい気味だ」と言い放つ彼女を平手打ちするヴィンセント。そこへ手紙の件が伝えられ、ヴィンセントは対岸目指して泳ぎ始めますが、途中で溺れます。マリアンヌのことを口外した罪だと語るヴィンセント。翌朝、城の前に集まる鹿たち。走り出すヴィンセントを追うリゼロッテは鹿たちに追い返されます。丸1日戻らないヴィンセントに対し、ボートで探しに出たマンフレートは、行き倒れているヴィンセントを発見します。彼の話によると、ヴィンセントは邸宅に到り、結婚式を控えるマリアンヌに再会しましたが、駆落ちしようとして男爵に見つかり、いずれ連絡すると言うマリアンヌを後に、番人に追い出され失神したとのことでした。ヴィンセントは改めてマンフレートと邸宅を訪れますが、結婚式の跡は微塵も残ってなく、無人でした。寄宿舎に来ていた大尉は母と再婚するためヴィンセントを母の元へ連れて行こうとしますが、ヴィンセントは母の元へではなく、マリアンヌに会うために寄宿舎を去り、映画は終わります。
この1作で引退したと言う伝説的な女優マリアンヌ・ホルトは、晩年はこの映画を毎日のように見て自分の生涯を終えたという、映画的なエピソードを持った女優さんで、ポーレット・ゴダード似の美しい方でした。また、主人公とともに生きた鹿を捕えた多くのショットやナレーションも幻想的な雰囲気を作るのに成功していました。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
“君の声が聞こえる。それは青春の日々を呼び戻す‥‥”のナレーション。森の中を移動するカメラは走る鹿の姿を捕えます。やがて現れる城。“君の来るのは知らなかったが、動物たちが静まった。君を待ったのだ”のナレーション。城の前に鹿が集まり、入り口からは子供らが走り出てきます。彼らはあり余る自由時間を過ごすために遠出をすると語るナレーション。車で来たヴィンセント(ホルスト・ブッフホルツ)は母と別れ、マンフレートに迎えられます。城に見えたのは寄宿舎で、マンフレートはヴィンセントに、対岸の邸宅の廃墟に10年ほど前から男爵の霊が取りついているという噂を語ります。アレクシスを頭目として“盗賊団”を名乗る5人組は肝試しとして邸宅の廃墟に行くことにし、ヴィンセントを誘います。夜、寄宿舎の長である教授から親戚の娘として皆に紹介されるリゼロッテ。翌日ヴィンセントに届いた母からの手紙には、母は長旅に出るので、代わりに大尉が来ると書いてあり、ヴィンセントは憤慨します。悪いことが起こると言って止めるリゼロッテを無視し、盗賊団とボートで邸宅へ向かったヴィンセントは、ボートの見張りを頼まれますが、何時間たっても5人組が戻って来ないため、1人で邸宅に向かいます。番人が連れた2頭の犬に追われた盗賊団は、ヴィンセントを置いてボートで逃げ出します。ヴィンセントには吠えない犬たち。その夜の夕食にヴィンセントが現れないのにリゼロッテは気付き、夕食後に不安から自室で失神します。明け方に嵐になり窓が割れ、リゼロッテも目覚めますが、そこへヴィンセントが喜びに満ちて帰ってきます。彼の腕の傷の手当てのために自分のネグリジェを脱ぐリゼロッテ。翌日盗賊団はヴィンセントが女性のハンカチを持っているのを発見します。数日後、沈み込むヴィンセントにマンフレートが話しかけると、ヴィンセントはあの夜のことを話します。番人に邸宅の部屋へ幽閉された彼は、そこで部屋に置かれた絵画そのままの女性マリアンヌ(マリアンヌ・ホルト)と出会い、彼女から「待っていた」と言われます。彼女は病気の男爵が自分を監視していると言い、このことは誰にも話さないようにと言って、彼をボートで送り、ハンカチを落として去ります。そして彼女の面影を数日前から思い出せなくなったのだとヴィンセントは告白します。教授からボートの使用を禁止され、毎日双眼鏡で対岸を見つめるヴィンセント。祭りに現れた黒い車の中にマリアンヌを認めるヴィンセントでしたが、車は去ります。言い寄るリゼロッテを無視するヴィンセント。やがて対岸から青年がボートでやって来てヴィンセント宛ての手紙を寄宿舎の少年に託しますが、アレクシスに奪われたその手紙には「助けて マリアンヌ」と書かれていました。自分になついていた鹿をリゼロッテに殺され、「いい気味だ」と言い放つ彼女を平手打ちするヴィンセント。そこへ手紙の件が伝えられ、ヴィンセントは対岸目指して泳ぎ始めますが、途中で溺れます。マリアンヌのことを口外した罪だと語るヴィンセント。翌朝、城の前に集まる鹿たち。走り出すヴィンセントを追うリゼロッテは鹿たちに追い返されます。丸1日戻らないヴィンセントに対し、ボートで探しに出たマンフレートは、行き倒れているヴィンセントを発見します。彼の話によると、ヴィンセントは邸宅に到り、結婚式を控えるマリアンヌに再会しましたが、駆落ちしようとして男爵に見つかり、いずれ連絡すると言うマリアンヌを後に、番人に追い出され失神したとのことでした。ヴィンセントは改めてマンフレートと邸宅を訪れますが、結婚式の跡は微塵も残ってなく、無人でした。寄宿舎に来ていた大尉は母と再婚するためヴィンセントを母の元へ連れて行こうとしますが、ヴィンセントは母の元へではなく、マリアンヌに会うために寄宿舎を去り、映画は終わります。
この1作で引退したと言う伝説的な女優マリアンヌ・ホルトは、晩年はこの映画を毎日のように見て自分の生涯を終えたという、映画的なエピソードを持った女優さんで、ポーレット・ゴダード似の美しい方でした。また、主人公とともに生きた鹿を捕えた多くのショットやナレーションも幻想的な雰囲気を作るのに成功していました。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)