また昨日の続きです。
野沢は闘争に疑問を感じ、中山とミサコの結婚式でも胸がもやもやし、それが何か追求する勇気も持ち合わせてなかったと語ります。新聞社に潜り込んだ自分は、周囲が結婚という日常に埋没していく中、不安定な気持ちのままで過ごしてきましたが、60年安保にやっと自分の居場所を見つけ出したのだと付け加えます。野沢がここまで語ったところで、太田はレイコを連れ出そうとします。北見の居場所を知っているという佐々木。
病院の場面。レイコは北見に「やっぱり安保は通るだろう」と言い、北見は「学生連合の主流派に自分が合流したのは、とりあえずのことだった」と語ります。
再びレイコの結婚式。「お疲れ様と言って、途中で手を引く連中は、明らかに前衛ではない」と太田が言うと、中山は党として考える未来についての演説を始めます。そして「今日の暴露をお二人はこれからの生活の糧に」と言って式を終わらせようとする中山に対し、宅間は「何も問題は解決していない。統一と団結の偽善に隠れて責任逃れをしているお前は、高尾を死に追いやった時と同じだ」と非難します。
再び青年が逃げ出したあの夜の場面。絶望する高尾と話す宅間。荒れる野沢。壁は厚いと憤る高尾は、改めて絶望します。
「あの時、高尾のスパイ容疑の噂をなぜ否定しなかったのか」と中山と野沢を宅間が責めると、中山は「米日反動が彼を殺したのではないのか?」と反論します。
あの夜、高尾は教授に「私はあの青年はスパイではないと思う」と断言し、「先生が青年の身元を引き受けて、2度とこんなことはしないと約束させて釈放したらどうでしょう?」と言い、教授も同意します。そこへ聞こえて来るブザーの音。高尾は一旦は青年を確保しますが、「スパイじゃないんだから、逃がしてくれ」と懇願する青年を結局逃がしてしまいます。青年を逃がすということは自分の弱さに起因しているとして、党から自己批判を命じられる高尾。
宅間は「青年がスパイでなかったとしたら、1人の友人を死に追いやり、1人の青年の心に深い傷を追わせたことになる。北見君からも目を離してはいけない」と語ると、ミサコは、6月15日に党の命令で流れ解散をした後、ミサコの体を求めることしかしなかった中山を糾弾します。太田は新しい前衛を作る必要を説きますが、坂巻は「中山らの大きな組織を動かせれば革命は前進する」と反論します。「北見のところへ行く」と言って外に出て、霧の中、刑事たちに襲いかかられる太田。大立ち回りの末、太田が刑事たちに連れていかれると、レイコの友人の佐々木は同志たちに「皆、すぐ行こう。そして太田が逮捕されたことを知らせよう。15日の二の舞いはよそう」と言って、同志たちと立ち去ります。式の他の出席者は庭に立ちすくんだままです。中山は「佐々木君、ここにいた方がいい。我々の統制を乱し、無謀なデモばかりやってる連中が逮捕されたところで、それは自業自得だ。我々の責任ではない。(会場から出て太田が逮捕された庭の方を見ていた式の出席者に相対する形になると)現実的な見通しをしない、労働組織とその共闘戦線を破壊し、世間が彼らをもてはやすのに有頂天となり、自ら何ら生産的な、生活的な根拠のない存在になることを忘れ、いたずらに晴れ上がってる連中‥‥」と中山は太田の批判を続け、やがて党の正しさを延々と主張し出すと、式の出席者は皆頭をたれ、その中で黒衣のミサコは1人怒りに燃えた顔で中山の演説に耐え、レイコは悲痛な表情で演説を聞き続けます。そしてカメラは中山から離れ、闇を映して映画は終わります。
役者が話してる最中に、やたらに台詞をかむのが印象的で、臨場感を高めていました。オーバーラップを効果的に使い、登場人物の存在感も際立っていたように思います。小山明子さん、当時から怖かったんですね。あの硬直的な無表情を見ていて、野坂さんが大島さんを殴った舞台のことを思い出したりもしました。また、6月15日に実際に起こった出来事を、その年のうちに映画化してしまったということにも驚きました。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
野沢は闘争に疑問を感じ、中山とミサコの結婚式でも胸がもやもやし、それが何か追求する勇気も持ち合わせてなかったと語ります。新聞社に潜り込んだ自分は、周囲が結婚という日常に埋没していく中、不安定な気持ちのままで過ごしてきましたが、60年安保にやっと自分の居場所を見つけ出したのだと付け加えます。野沢がここまで語ったところで、太田はレイコを連れ出そうとします。北見の居場所を知っているという佐々木。
病院の場面。レイコは北見に「やっぱり安保は通るだろう」と言い、北見は「学生連合の主流派に自分が合流したのは、とりあえずのことだった」と語ります。
再びレイコの結婚式。「お疲れ様と言って、途中で手を引く連中は、明らかに前衛ではない」と太田が言うと、中山は党として考える未来についての演説を始めます。そして「今日の暴露をお二人はこれからの生活の糧に」と言って式を終わらせようとする中山に対し、宅間は「何も問題は解決していない。統一と団結の偽善に隠れて責任逃れをしているお前は、高尾を死に追いやった時と同じだ」と非難します。
再び青年が逃げ出したあの夜の場面。絶望する高尾と話す宅間。荒れる野沢。壁は厚いと憤る高尾は、改めて絶望します。
「あの時、高尾のスパイ容疑の噂をなぜ否定しなかったのか」と中山と野沢を宅間が責めると、中山は「米日反動が彼を殺したのではないのか?」と反論します。
あの夜、高尾は教授に「私はあの青年はスパイではないと思う」と断言し、「先生が青年の身元を引き受けて、2度とこんなことはしないと約束させて釈放したらどうでしょう?」と言い、教授も同意します。そこへ聞こえて来るブザーの音。高尾は一旦は青年を確保しますが、「スパイじゃないんだから、逃がしてくれ」と懇願する青年を結局逃がしてしまいます。青年を逃がすということは自分の弱さに起因しているとして、党から自己批判を命じられる高尾。
宅間は「青年がスパイでなかったとしたら、1人の友人を死に追いやり、1人の青年の心に深い傷を追わせたことになる。北見君からも目を離してはいけない」と語ると、ミサコは、6月15日に党の命令で流れ解散をした後、ミサコの体を求めることしかしなかった中山を糾弾します。太田は新しい前衛を作る必要を説きますが、坂巻は「中山らの大きな組織を動かせれば革命は前進する」と反論します。「北見のところへ行く」と言って外に出て、霧の中、刑事たちに襲いかかられる太田。大立ち回りの末、太田が刑事たちに連れていかれると、レイコの友人の佐々木は同志たちに「皆、すぐ行こう。そして太田が逮捕されたことを知らせよう。15日の二の舞いはよそう」と言って、同志たちと立ち去ります。式の他の出席者は庭に立ちすくんだままです。中山は「佐々木君、ここにいた方がいい。我々の統制を乱し、無謀なデモばかりやってる連中が逮捕されたところで、それは自業自得だ。我々の責任ではない。(会場から出て太田が逮捕された庭の方を見ていた式の出席者に相対する形になると)現実的な見通しをしない、労働組織とその共闘戦線を破壊し、世間が彼らをもてはやすのに有頂天となり、自ら何ら生産的な、生活的な根拠のない存在になることを忘れ、いたずらに晴れ上がってる連中‥‥」と中山は太田の批判を続け、やがて党の正しさを延々と主張し出すと、式の出席者は皆頭をたれ、その中で黒衣のミサコは1人怒りに燃えた顔で中山の演説に耐え、レイコは悲痛な表情で演説を聞き続けます。そしてカメラは中山から離れ、闇を映して映画は終わります。
役者が話してる最中に、やたらに台詞をかむのが印象的で、臨場感を高めていました。オーバーラップを効果的に使い、登場人物の存在感も際立っていたように思います。小山明子さん、当時から怖かったんですね。あの硬直的な無表情を見ていて、野坂さんが大島さんを殴った舞台のことを思い出したりもしました。また、6月15日に実際に起こった出来事を、その年のうちに映画化してしまったということにも驚きました。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)