昨日の続きです。
10年前、朝鮮戦争が勃発し、それまでアメリカが日本で進めて来た民主主義政策は逆方向へ転換され、その反動帝国主義的な動きに対し、武器を持って立ち上がれと、当時自分たちは教わったと語る戸浦。ブザーの音がして、書類を盗み出そうとしていた青年が寮の学生たちに捕まります。寮の緊急集会が開かれ、捕まった青年の処遇に関しては、多数の賛成で執行部の委員長・中山に一任されようとしますが、宅間は1人それに反対し、青年が冤罪である可能性を示し、最初から青年をスパイ扱いしている中山への一任は受け入れられないと言います。中山は党の方針を語り、野沢は宅間が過った客観主義者だと非難します。それに対し、坂巻は「宅間は青年がスパイか、単なる泥棒なのか調べろと言っているだけだ」と反論しますが、結局青年はスパイとして監禁することに決まります。
監禁し始めてから5日目。野沢が青年に話しかけると、青年は「自分は労働者だ。書類を盗み出したのは、そうすれば学生が大騒ぎすると思ったからだ。学生ごときに何ができる?」と話し、怒った野沢は青年との会話を打ち切ります。戸浦は野沢に「一般に中山は独断的だと思わんか?」と言い、宅間も「政治をこれか、あれかの2者選択にしてしまうと、あらゆる大衆の動員は見込めない」と主張します。そこにやって来た北見は「裏庭に妙な影が見えた」と言い、野沢とミサコと一緒に偵察しに行きます。宅間は戸浦に「下手すると戦前の治安維持法の時代に逆戻りするぞ」と言うと、そこへ教授がやって来ます。やがて聞こえるブザーの音。青年は逃げ出し、戸浦も宅間も彼を追いかけます。
日本の独立を心から願いながら武力闘争を指導していた党が、ある時から方針転換をし、その青年組織である民青は歌い踊るようになります。「狐につままれたようだ。彼らは宗教家だ」と語る戸浦。依然として高尾の消息は掴めないままです。やがて高尾が党に査問されたという噂が広がります。野沢とミサコは大っぴらに付き合いだします。
しかし場面は一転し、中山とミサコの結婚式となります。悪酔いして自室に戻って来た戸浦。そこへ自殺した高尾の遺体が運び込まれます。吐く戸浦。またまた馬場面は変わり、野沢とレイコの結婚式。「高尾だけ査問され、やはり現場にいなかった野沢とミサコはなぜ査問されなかったのか?」と言う戸浦。自己弁護する野沢。「当時、野沢や中山は正しいという党の後ろ楯があって、自由にものが言える雰囲気ではなかった」と語る坂巻。「そんなの甘い」と反論する太田。ミサコは「高尾は野沢と自分を嫉妬していた」と語ると、戸浦は「運動内部の権力者にベタベタとくっついていたのはお前だ!」とミサコを糾弾します。野沢との関係を述べるのを躊躇するミサコに対し、レイコは「ここで、皆の前で言ってください」と言います。当時の話を始めるミサコ。高尾が1人で偵察に向かうと、野沢はミサコに「高尾は闘争に参加するのを怖がっている」と言い、ミサコが「高尾さんは変なことを言う」と答えると、野沢はミサコを抱きすくめようとします。抵抗するミサコ。そこへ教授がやって来て、彼らに挨拶して去ると、2人は改めて抱き合います。そこへ聞こえるブザーの音。「そういう訳で、スパイを逃がしたのは自分たちではなかったのだ」とミサコは言います。
中山とミサコの結婚式で、今後は地味に長続きしていこうという運動転換を喜びたいと語る教授。結婚は社会の最初の単位であり、中山もレイコもこれまで活発な活動をしてきたので、心を癒すのにも今回の結婚はよかったと続ける教授。また、野沢とレイコの結婚式に場面転換。周りに促され、野沢は当時ミサコと関係を続け、未来を約していたことを認めます。狭い彼女の下宿で、ヒリヒリするように体を寄せ合っていたと語る野沢。中山は寮を出て下宿すると野沢とミサコに告げ、2人を自分の下宿に招待します。ショスタコビッチの音楽を聞かせる中山は、朝鮮戦争の休戦以来、世の中は変わったとも言います。読んだことのない本ばかりだ、と中山の蔵書の豊かさに嫉妬する野沢。中山はそんな野沢に入党を勧めます。帰路、いつものように誘う野沢に、今日は帰ると言って強引に野沢から逃げ去るミサコ。中山の下宿で楽し気だったミサコを思い出す野沢。(また明日へ続きます‥‥)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
10年前、朝鮮戦争が勃発し、それまでアメリカが日本で進めて来た民主主義政策は逆方向へ転換され、その反動帝国主義的な動きに対し、武器を持って立ち上がれと、当時自分たちは教わったと語る戸浦。ブザーの音がして、書類を盗み出そうとしていた青年が寮の学生たちに捕まります。寮の緊急集会が開かれ、捕まった青年の処遇に関しては、多数の賛成で執行部の委員長・中山に一任されようとしますが、宅間は1人それに反対し、青年が冤罪である可能性を示し、最初から青年をスパイ扱いしている中山への一任は受け入れられないと言います。中山は党の方針を語り、野沢は宅間が過った客観主義者だと非難します。それに対し、坂巻は「宅間は青年がスパイか、単なる泥棒なのか調べろと言っているだけだ」と反論しますが、結局青年はスパイとして監禁することに決まります。
監禁し始めてから5日目。野沢が青年に話しかけると、青年は「自分は労働者だ。書類を盗み出したのは、そうすれば学生が大騒ぎすると思ったからだ。学生ごときに何ができる?」と話し、怒った野沢は青年との会話を打ち切ります。戸浦は野沢に「一般に中山は独断的だと思わんか?」と言い、宅間も「政治をこれか、あれかの2者選択にしてしまうと、あらゆる大衆の動員は見込めない」と主張します。そこにやって来た北見は「裏庭に妙な影が見えた」と言い、野沢とミサコと一緒に偵察しに行きます。宅間は戸浦に「下手すると戦前の治安維持法の時代に逆戻りするぞ」と言うと、そこへ教授がやって来ます。やがて聞こえるブザーの音。青年は逃げ出し、戸浦も宅間も彼を追いかけます。
日本の独立を心から願いながら武力闘争を指導していた党が、ある時から方針転換をし、その青年組織である民青は歌い踊るようになります。「狐につままれたようだ。彼らは宗教家だ」と語る戸浦。依然として高尾の消息は掴めないままです。やがて高尾が党に査問されたという噂が広がります。野沢とミサコは大っぴらに付き合いだします。
しかし場面は一転し、中山とミサコの結婚式となります。悪酔いして自室に戻って来た戸浦。そこへ自殺した高尾の遺体が運び込まれます。吐く戸浦。またまた馬場面は変わり、野沢とレイコの結婚式。「高尾だけ査問され、やはり現場にいなかった野沢とミサコはなぜ査問されなかったのか?」と言う戸浦。自己弁護する野沢。「当時、野沢や中山は正しいという党の後ろ楯があって、自由にものが言える雰囲気ではなかった」と語る坂巻。「そんなの甘い」と反論する太田。ミサコは「高尾は野沢と自分を嫉妬していた」と語ると、戸浦は「運動内部の権力者にベタベタとくっついていたのはお前だ!」とミサコを糾弾します。野沢との関係を述べるのを躊躇するミサコに対し、レイコは「ここで、皆の前で言ってください」と言います。当時の話を始めるミサコ。高尾が1人で偵察に向かうと、野沢はミサコに「高尾は闘争に参加するのを怖がっている」と言い、ミサコが「高尾さんは変なことを言う」と答えると、野沢はミサコを抱きすくめようとします。抵抗するミサコ。そこへ教授がやって来て、彼らに挨拶して去ると、2人は改めて抱き合います。そこへ聞こえるブザーの音。「そういう訳で、スパイを逃がしたのは自分たちではなかったのだ」とミサコは言います。
中山とミサコの結婚式で、今後は地味に長続きしていこうという運動転換を喜びたいと語る教授。結婚は社会の最初の単位であり、中山もレイコもこれまで活発な活動をしてきたので、心を癒すのにも今回の結婚はよかったと続ける教授。また、野沢とレイコの結婚式に場面転換。周りに促され、野沢は当時ミサコと関係を続け、未来を約していたことを認めます。狭い彼女の下宿で、ヒリヒリするように体を寄せ合っていたと語る野沢。中山は寮を出て下宿すると野沢とミサコに告げ、2人を自分の下宿に招待します。ショスタコビッチの音楽を聞かせる中山は、朝鮮戦争の休戦以来、世の中は変わったとも言います。読んだことのない本ばかりだ、と中山の蔵書の豊かさに嫉妬する野沢。中山はそんな野沢に入党を勧めます。帰路、いつものように誘う野沢に、今日は帰ると言って強引に野沢から逃げ去るミサコ。中山の下宿で楽し気だったミサコを思い出す野沢。(また明日へ続きます‥‥)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)