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内藤瑛亮監督『先生を流産させる会』その1

2013-05-24 05:28:00 | ノンジャンル
 山根貞男さんが朝日新聞で絶賛していた、内藤瑛亮監督・脚本の'11年作品『先生を流産させる会』をWOWOWシネマで見ました。
 「死んでんじゃないの?」「ヒクヒクしてる」「グロ~い」 公園のウサギ小屋を覗く女学生たち。背後には蝉の声(これは映画が終わるまで終始聞こえています)。ミヅキ(小林香織)がそれを小屋から持ち出し、小高い丘に登ると、そこからそれを放り投げます。グチャっという音。笑い出す残りの4人。「何が面白いの!」とすさんだ顔のミヅキ。タイトル。
 高架が背後に走る田んぼを左へ1列で歩いていく5人。ヒマワリ畑。中学教師のサワコ(宮田亜記)は同僚と成績の分布を黒板に書いていくと、オールCの子がいるのに気付き、その子の親が書いた自由意見の欄には「授業参観の時、子供のの写真を撮ろうとして担任に叱られた。子供の写真を撮って何が悪い。子供を育てたことのない人間には分からないのですか?」と書いてありました。サワコはその親が授業中に子供を正面から撮ろうとしたことを同僚に教えると、同僚はゴジラ級のモンスター・ペアレントだと言います。妊娠中のサワコは、自分の子が成長して生徒のようになったらと不安に思います。
 ショッピングカートを若い母と幼い子の方へ走らせ、さざめきあって逃げ去るる5人。図書館では近づいてきた滝本先生に「タッキーはチーちゃんと結婚しないの?」と言い、「俺の彼女をあだなで呼ぶなよ」と先生が言うと、「授業中に先生が自分で言ってた」と生徒は答えます。そこへやって来たサワコは2人の生徒に「図書館から出ていって。理由を考えるのが宿題」と言います。嫌々図書館を後にする2人。滝本は1人でいるミヅキのところへ行き、彼女のことを誉めますが、ミヅキは「すごく邪魔!」と言います。他の生徒に質問されると「先生、勉強苦手。先ずは自分で解いてみろ」と言う滝本。カゴを持って階段をサワコが登っていると、同僚がカゴを代わりに持ってくれます。それを上から見る5人(逆行で表情は分からない)。「お腹に子供いるの?」と聞かれ、一瞬遅れて「いるよ」と答えるサワコ。
 授業中、札を振りながら「イェー」と言う生徒たちに「ホームルームを始めます」とサワコが言うと教室は静まります。「月途中で産休取るなんて何考えてんの?」と電話でサワコに文句を言い続ける母親に聞こえるように、同僚は「教科部会が始まるわよ」と言って、サワコが電話を切るきっかけを作ってくれます。同僚は「保護者に理不尽な理由で訴えられた時、弁護士費用を保証する月500円の保険がある」と教えてくれますが、サワコは釈然としません。
 一方、5人は御殿のような廃墟を目指して田んぼの中を歩いていきます。ピンクのキャンデーを持ち、廃墟に入っていく5人。ミヅキが「そうか、セックスしたのかな?」と言うと、他の子が「そりゃしてるっしょ。子供できたんだから」と答え、ミヅキは「想像してよ。サワコ、セックスしたんだよ。気持ち悪くない?」と言い、4人は黙ります。「何か分かる。何か、キモイね」と言う1人。
 宝石店で指輪を強奪した5人は、ろうそくの灯る中、指輪をお互いの左手の薬指に付け合います。壁には“先生を流産させる会”の文字。
 サワコはミヅキの母と連絡を取ろうとしますが、電話は既に使えなくなっています。理科の実験で急いで薬品を隠す5人。給食の配膳でミヅキはサワコのスープに薬品を入れ、他の生徒はそれを黙ってみつめています。給食を食べ始めたサワコは、スープを飲むと咳き込み、もどします。「汚~い」と言う生徒たち。
 保健室にやって来た5人。「サワコ先生はつわり?」と聞く生徒に「う~ん、とうだろうね」と答える保健室の先生。ベッドで眠るサワコの腹に触るミヅキ。「何ヶ月から人間になるんですか?」「え? そ~う、妊娠8週間から胎児って言われてるけど」「もう、人間ですか?」「うん、4ヶ月だから、手足を動かし始める時期だよ」 ミヅキの手を握り、上半身を起き上がらせたサワコは、ミヅキを睨み「今日のホームルーム、席替え、中止ね」と言います。(明日へ続きます‥‥)

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/