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阪本順治監督『団地』その3

2018-02-25 06:07:00 | ノンジャンル
 WOWOWライブで「原田知世35周年アニバーサリー・ツアー“音楽と私”in 東京 2017」を見ました。彼女のオリジナル曲以外にもノラ・ジョーンズの「Don’t Know Why」やビートルズの「I’ve Just Seen A Face」なども歌ってくれ、大いに楽しませてくれました。

 さて、また昨日の続きです。
 山下宅。「僕、自治会長にならん」「もし投票で選ばれても断ったらええやん」「推薦されても困る」「私、思うで。裏の林に散歩行くのもいいけど、他にやることあった方が。なっても辞退するかどうか、その時考えたらええやん」「そうはいかへん。僕がなったら緑地化を進める」「考えてるやん。ちゃんと」「もしなったらやん。(中略)」「恨んでる? 私が廃業させたようなもんやから」「しょうがなかった」「未練あるでしょ? 台所の収納に生薬が一杯。道具もそのまま」「真城さんが時々頼んでくれるから、それで充分。今も僕の漢方薬を必要としてくれている人がいる。そのことだけで充分や」「頼られたら断れへんもんなあ、あんた」「断る時は断る。そやけど自治会長をするんは、お前がやってくれていいって言ってくれるんなら」「断る時も断らへん。あんたの性格なんよ。それでいいんちゃう?」「僕がなったら緑地化と、そして3ヶ月にいっぺん、集会所で集いをするんや。それも堅苦しい集いとちゃうで」「ほな、どんな集い?」「フォークダンスの集いや」。踊る人々。「それええなあ」「ええんか? あかんと思っとったけど」「私、歌っていいかな?」。ヒナ子、『時代』を歌う。歌ってる途中で息子の写真を見、歌い終わると泣く。「もう泣くな。終わったことや」「何が終わったんや。何が終わったんや」「しんどいのはお前だけちゃう」。(中略)
 “自治会の改革案 1、災害時の連絡網と誘導係 2、高齢者への声かけ運動 3、……”と紙に書いてある。ヒナ子「パート、行ってきます」「すまんな。職場うまくいってるんか?」「なんでもテキパキできる女じゃない。要領悪いんや、私」「その悪い方へ、悪い方へ考える癖、やめてくれ」「ええ方へ考えまっさ」「まっさって何やねん。心配してるんや」「そう聞こえんけど」「昨日のこと謝ったらええんか?」「もうよろし」「ああ、やめよう」「ナオヤが笑ろうとるわ。ほな3時には帰ってきます」「行ってらっしゃい」(中略)
 洗濯物を干すヒナ子。下で井戸端会議。「選挙の話?」「なら山下さんが」「人まとめる力あるかな?」「行徳さんが無難やろ」「偉そうにしてても滑稽やもんな」。笑い。
 投票箱。「立候補の吉住将太さん、他薦の行徳正三さん、同じく他薦の山下清治さん、前へ」。拍手。正三に目くばせするキョウ子。むせる正三。吉住「おっさん、辞退したら? もうええ年なんやから」「黙れ」。
 投票結果が黒板に。行徳「俺とお前を抜いたら3人だけ」「あんなに最中配ったのに」。
 解散する人々。正三、清治に上機嫌で「引き際が逃げてく」。
 山下宅。「飲みすぎちゃうん?」「ウコン飲んだ」「団地っておもろいなあ」「何がおもろいんや?」「宇賀さんのコインロッカーや」。
 でかける清治。キタローを追いかけてきた吉住に「君、殴ったんか?」。笑って戻っていく吉住。
 林の中。『ガッチャマン』の歌を歌うキタロー。「不思議なことがあるもんやな。ここに来るとな、僕は君くらいの年になった気がする」「一人にしといてほしい」「僕かて一人になりたい」「そやかて2人やん」「そやな」。一歩離れる清治。キタロー「意味分からん」「湿布あるから後でうちにおいで」「いらん」「目つぶって深呼吸したらいろんなこと忘れる」「ほんまにほっとけや」「ほな1人になるか」また一歩離れる清治。「ほんまに一人にしてくれや。おっさん何ふざけとんねん」「君から離れたらええやないか」。キタロー、去ろうとして「おっさん、気にせんでええよ。俺のことなんか。ここで人を待ってるだけやから」「へえ、どこの誰や?」「どこの誰でもない」「どこの誰か分からんのに、その人待ってんのか?」「そやねん」。空を見上げる2人。
 井戸端会議。「結構票開きましたね」「吉住に5票も入ると思えんかったな」「君子さん、旦那さんに票入れなかったって本当?」「私は清治さんがええと思ったから」「けど思ったより人望なかったのね、清治さん」「いい人やけど、ちょっと暗い」。(また明日へ続きます……)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto