2~30分ぐらいはかかっただろうが、自転車は生き返って走り出す。
その隣は松田の自転車やのテイサンの家だ、五辻の東側にもう一軒自転車屋があったが、そこは増田さん、こっちのほうが有名なのだが、
昔はそんなことはしらなかった。
横丁の松田さんは、戦後ちょっとあとから転居して来たのかよく覚えていないが、パンクを修理すのを何度みたかわからない。
まずハンドルを下に自転車を反対向け立てて、タイヤをはずす。掘り出したチューブに空気を入れて水の中につける。
泡がぶつぶつ出てくるところがパンクしている場所だ。一箇所だけではないかもしれないので念いりによく調べる。
穴の場所がわかればタイヤをきれいに拭いて、乾く間にふるいタイヤで使わないものを3×5センチくらいに切って台の上にのせ、
軽石で表面をこする、穴の開いた場所も軽石でこする。そうしてゴムのりを出してこすった両方に薄く塗る。半乾きのよい頃を見計らってきちっとはる。
そうしてはった上をごしごしこすってしばらく待つ。もう一回空気を入れて水の中に入れもれて、もう泡が出ないか点検しながら、見落としがないか、
タイヤを引張りながら2~3回見直す。大丈夫なのを確認して綺麗にふく。そうして空気を抜いて、タイヤとリムの間に収めて、もう一度空気を入れる、
そのときにゴムの”むし”をかえておく。
これでパンクの修理が終わる。2~30分ぐらいはかかっただろうが、自転車は生き返って走り出す。