日本の「経済報復」への対策として何が話し合われたか
ホワイト国からの排除への対策めぐり熱論
「韓日軍事情報協定の廃棄を検討すべき」
シム代表らの主張にファン代表が否定
チョン室長「状況によっては見直しも可能」
強制徴用の賠償案めぐり百家争鳴
ソン代表「政府が賠償した後、日本に求償権を請求すべき」
文大統領「被害者が受け入れられなければ」
対日特使も「交渉の末の解決策として検討すべき」慎重な態度示す
文在寅大統領と与野党5党の代表とスポークスマンらが今月18日午後、大統領府本館で合意文について話し合っている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社
18日、大統領府で開かれた文在寅(ムン・ジェイン)大統領と与野党5党の代表らとの会合で、最も焦点となった部分は、日本政府が韓国をホワイト国(輸出手続きの簡素化の恩恵国)から排除した場合、どのような対応をすべきかだった。日帝による強制徴用被害者に対する賠償案を巡っても、激しい討論が繰り広げられた。
■「韓日秘密軍事情報保護協定を廃棄すべき」
正義党のシム・サンジョン代表は、日本政府が韓国をホワイト国から排除するならば、李明博(イ・ミョンバク)政権当時、日本政府と締結した韓日秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)の廃棄を検討しなければならないと主張した。また「外交的な努力だけで結果を引き出せる段階ではない。行動対行動をとるべきだ」とし、「協定の破棄を検討すべきだ。政府が前面に出て破棄するとは言えないが、国会レベルで警告を明確にすべきだ」と提案した。
シム代表は会合後の記者ブリーフィングで、「ホワイト国からの排除は、日本が大韓民国を安保パートナーとして認めないという意味なので、両国が互いに秘密軍事情報を提供する理由はない」とし、「日本が先に挑発したため、名分も十分だ」と提案の理由を説明した。これと関連し、民主平和党のチョン・ドンヨン代表は会談後、「韓米日同盟体制が崩れる可能性もあるということだが、これは米国にも(韓国が)手をこまねいているわけではないという警告の意味だ」と説明した。しかし、文大統領は韓日秘密軍事情報保護協定については特に言及しなかったと、出席者たちは伝えた。
韓日秘密軍事情報保護協定に関する言及は、会合の序盤にも出た。文大統領と5党代表の公開発言が終わった後、チョン・ウィヨン国家安保室長は5党の代表らに「(日本が)7月31日または8月1日に(韓国を)ホワイト国から排除する発表をするだろうと予想している」としたうえで、「今は韓日秘密軍事情報保護協定を維持するという立場だが、状況に応じて見直す場合もあり得る」と説明した。大統領府は原論的な内容だと説明したが、場合によっては韓国政府の対抗カードになり得るという点を示唆したもの見られる。
■「法的・制度的支援策」の文言、韓国党の反対で盛り込まれず
会合は、約束された終了時刻の午後6時を一時間ほど過ぎた7時に終了した。発表文の調整に苦労したからだ。
問題になった表現は、発表文第1項の「日本政府は経済報復措置を即時に撤回し、ホワイト国からの排除などの追加的措置は、韓日関係及び北東アジア安保協力を阻害することから、外交的解決に乗り出すことを求める」という内容だった。自由韓国党のファン・ギョアン代表は「ホワイト国からの排除」という表現を省くべきと主張した。このため長時間舌戦が繰り広げられた。共に民主党のホン・イクピョ首席スポークスマンは「『日本を刺激する恐れがある』として『(具体的に)列挙するのは適切ではない』と自由韓国党が反対した。しかし、他の野党がみんな取り込もうと主張し、含まれることになった」と明らかにした。
「主要材料や部品・装備産業の育成のための法的・制度的支援策を設ける」という内容も、紆余曲折の末、「材料・部品・装備産業の競争力強化のためにともに努力する」に変更され、発表文に盛り込まれた。法的・制度的支援策を求める文言は、文大統領が必ず入れるべきとして提案したものだ。それでこそ5党代表と会って具体的な対策を設けたという意味を生かすことができるという趣旨だった。しかし、ファン代表が「法的・制度的支援策は予算を伴うが、それでは補正予算を強制する内容となる」として、反対した。
■強制徴用賠償案めぐる百家争鳴
日帝強制徴用被害者に対する賠償案をめぐっても、文大統領やファン代表、正しい未来党のソン・ハッキュ代表の間で激しい議論が交わされた。ソン代表は、韓国政府が基金を作り、強制徴用被害者らに賠償金を支給してから、日本側に求償権を請求する案を提案した。ソン代表側のチャン・ジンヨン秘書室長は「ファン代表が同意の意を示した」と述べた。
しかし、文大統領は、過去の韓日政府間の慰安婦合意を例に挙げ、「教訓を得る部分がある。両政府間の合意だけで解決できるものではなく、被害者たちの受け入れの可能性と国民の共感がなければならない」と述べたと、コ・ミンジョン大統領府報道官が伝えた。これに対し、ソン代表が再び説得に乗り出し、文大統領は法律家の立場から追加意見を出したという。正確にどのような意見が提示されたかは明らかになっていない。
対日特使を送るべきという提案も出た。しかし、文大統領は「(対日)特使や高官級会談などが解決策になるなら、いつでもできる」としながらも、「しかし、送るだけでは意味がない。交渉の末の解決方法として考えなければならない」とし、留保的な立場を示した。
キム・ウォンチョル、ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)