堺市図書館から特定図書が排除された問題について、
昨日夕方、大阪朝日放送が「ムーブ」という番組で取り上げました。
岐阜では見られないので残念だったのですが、
「くれはまゆみのHP」に、
番組を見ての感想が掲載されていますので、
呉羽さんの了解を得て、紹介します。
こちらは、「ムーブ」の番組案内。
「ジェンダー図書排除」究明原告団についても言及されています。
「ムーブ」の記事は、朝日新聞を元にしているので、
理解に間違いがあることは、前に指摘したとおりです。
「ボーイズラブ」はだれにとって有害で不適切なのか?
/新聞各紙の報道(2008-11-05)
BL小説の廃棄を求める声が「利用者から・・・相次いだ」となっていますが、
利用者であるかどうかも確認不能の、たったひとりの匿名者から要求です。
それに、市のホームページには出ていませんが、
わたしたちが情報公開で入手した文書によると、
匿名のメールは、7/30,7/31,8/8と
3回にわたって届いたものを、「市民の声」としてひとつにしたものです。
○堺市に届いた匿名のメール(pdf版 情報公開文書)
7月31日のメールには、
「昨日、南図書館より、そして本日、議員様より、
その後の経過についてお聞きしたところ、すべてのBLを書庫に収納するとのこと」とし、
一週間後の8月8日のメールには、
「とりあえずはセクハラまがいの大量開架を中止し、書庫へ収納したというのは、
当然のこととはいえ、評価したいと思います。
そしてBLの購入冊数及び購入総額もカウントし、当HPに掲載するとのこと、
この対応も評価したいと思います。・・・・・書庫のBLも処分するとのことです。」としています。
匿名者は、メールのほかに何度も図書館に電話をかけて要求を重ねています。
要求にしたがって図書館は、特定図書を大量に動かしたわけですから、
図書館側の混乱ぶりが目に見えるようです。
「一般図書の中に入っているのでカウントできない」とした他の図書館と同じように、
堺市も「一般小説として」購入し「一般書として混配」していた館もあるのだから
「一般図書の中に入っているのでカウントできない」と答えればよかったわけです。
堺市は、わたしたちの申し入れに対し、
「他者からの働きかけは・・・・・・一切ない」としていますが、
匿名者からの要求を拒否できない、何か強い圧力があった、といわざるを得ません。
あとひとつ気になったのは、
「堺市の図書館では専門司書70名が本の内容を一冊一冊丁寧に確認し、
選定を行っている」ということですが、
特定された図書はすべて「文字情報」のノベルズ(新書版)・文庫本です。
今回問題になっているのは「表紙及び挿絵のイラスト」と確認していますが、
一冊ずつ「本の内容を確認し」というけれど、その基準はなんでしょう。
特定図書を「よいものと悪いもの」に、さらに選別するというのは、
図書館の裁量を超えている気がします。
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昨日夕方、大阪朝日放送が「ムーブ」という番組で取り上げました。
岐阜では見られないので残念だったのですが、
「くれはまゆみのHP」に、
番組を見ての感想が掲載されていますので、
呉羽さんの了解を得て、紹介します。
朝日放送ムーブに堺市図書館問題取り上げられた 木津未来会議の日記 2008年11月20日(木) 「ムーブ!の疑問。図書館に同性愛の本?」として堺市の図書館問題が取り上げれられました。今朝その案内を頂き、TVの前でチェックしていました。 ムーブは、夕方の番組としては結構注目されています。 今日のコメンテーターは大谷昭弘さん(ジャーナリスト)藤井誠二さん(ノンフィクションライター)山崎邦正さん似の弁護士本村 健太郎さんでした。 まず、最初にタイトル「同性愛の本が5000冊、かなり過激なものもあるようですが、賛否両論起こっています」が読み上げられ、そのままCMに突入しました。 いよいよ再開。番組に届いた1通の投書が読み上げられました。 大阪府 むっちゃんの母 40代さんからの「疑問なんですが、堺市に5000冊ものBL本があると新聞記事でみたのですが、どんな基準で選ばれているのですかね~」。 その後、11月5日付けの朝日新聞記事がアップされました。 BL本とは、90年ごろより登場したもので、主に作者は女性で読者も女性ですとの説明があり、5000冊もあるというのですと。 次は街角に出て市民の方へのインタビュー。 5人の男女が登場され、それぞれ簡単なコメントをされました。 1人目・・母親世代と思われるような女性 手にとって読んでいるようなしぐさのあと、娘には読ませたくないですね~。 2人目は若い男性で、これも否定的な意見を述べていました。 続く3人は、男子学生、女性、男性で、市民のニーズで購入され、図書館としては問題ないのでは。 法律上問題ないのであれば、いいのでは。 税金が使われるのだから、平等に使われるものであるので。 というような後半の3人は、肯定的な意見のようでした。 そして、堺市図書館に行ってみようということで、図書館内部が写りました。 書庫2階へ担当参事の誘導のもと。 記者:市民から廃棄を求める声があったとか。 松井参事:「市民の親御さんから、いかがなものかとの声をいただき」 記者;なぜBL本をここまで買ったのか。 松井参事:平成初期より市民要望があった。1冊10人くらいあれば購入するので。市民の声を確認して図書館としても検討していきたい。 というようなことを言われていました。 さて、ここでまとめに入りました。 BL図書 5500冊 367万円。 利用者たち(3人のイラスト入り) セクハラだ、子どもたちに悪影響を与えるという意見と、それに対して ジェンダー原告団(こちらも3人のイラスト入り)監査請求が提出されているなど賛否両論が沸き起こっているというものです。 そしてゲストからのコメントに続きました。 まず口火を切ったのは、大谷さん 「なんだかんだと親が何もしないでいて、子どもに悪影響を与えるからなどというのは嫌いだ。児童ポルノの問題なんかをきちんとしないで。でもなんで5500冊もあるのか。」 他市はどういう状況なのか調べてみると、大阪市で157冊、奈良市、京都市、神戸市は一般小説の中に入っているのでカウントできないとの答えだったらしい。 最後に木村弁護士がいい事をいわれていました。 「図書館の機能のひとつは、後世に残すことであり、表現の自由にも関わる重要な問題である。今回言われている書物を読んだが、有害なものではない、少女漫画と変わらない」と。 投書された方は、本当に40代の母なんだろうかとの疑問を持ちました。 ひとまず10分間のムーブの内容の方向は、変な方向ではなかったと感じました。 (くれはまゆみのHPより転載) |
「ジェンダー図書排除」究明原告団についても言及されています。
大阪朝日放送「ムーブの疑問」11/20 (木) 図書館に同性愛の本? 堺市の図書館に男性同士の恋愛小説が大量にあると新聞で見た。過激な内容もあるらしいが、図書館の本を選ぶ基準はどうなっているのか?という疑問。 堺市立図書館が「ボーイズラブ(BL)」と呼ばれる男性同士の恋愛を題材にした小説を5500冊所蔵しているとして新聞で取り上げられていた。そもそもBL本とは、複数の同人誌が90年頃から男性同士の同性愛をテーマにした小説や漫画本を発行するようになり、それをBL「ボーイズラブ」と名づけたことから一つのジャンルとして分類されるようになった。BL小説は、だいたい10代くらいの若い美少年同士の同性愛を描いており、作者は主に女性、そして読者も若い女性が中心。文章の合間には1冊辺り計数ページの挿絵が含まれているが、描写が過激なものもある。堺市の図書館はBLという言葉が世に出始めた90年頃から、利用者の要望を受けてBL小説の購入を開始。現在およそ5500冊所蔵しており、金額になおすとおよそ367万円。全体の蔵書の1パーセント未満である。これらのBL小説については「一定の配慮が必要」と、書庫で保管することになっていたのだが、人気もあり、貸し出しを続けているうちに、堺市に7館ある図書館のうち4館で一部のBL小説が開架棚に置かれたままになっていた。それを目にした利用者からは「セクハラだ」「子どもに悪影響を与える」とBL小説の廃棄を求める声が相次いだ。それに対し堺市は、今年8月「今後の収集・購入を一切しない」との見解を発表。自由に見られる開架棚ではなく、書庫で保管することになっていた。ところが一方、BL小説など特定の図書排除に反対する団体(ジェンダー図書排除究明原告団)から「性的指向による差別につながる」と廃棄の指し止めを求める住民監査請求が堺市に提出されている。本の選定について、ほとんどの図書館は文部科学省が所管する公益法人、日本図書館協会が79年に決議した「図書館の自由に関する宣言」という方針に基づいて行っている。そこには、「資料の提供・収集は各図書館が自発的、自主的に判断すべきことであって、政治的・宗教的圧力に曲げられてはいけない」と明確に示されている。堺市の図書館の場合も青少年に影響を与える挿絵が30ページ以上ある有害図書や人権侵害に関わる本、また間違った表記をしている本については堺市立図書館の収集方針として購入しないと決めているという。ならば、BL小説のような過激な性的描写についてはどう判断しているのか、聞くと「BL小説と言っても内容は様々で、読み手によって判断の基準も異なります。個人の趣向もあるので何が卑猥なのかは一概には決められません」と言う。現在、堺市の図書館では専門司書およそ70名が本の内容を一冊一冊丁寧に確認し、選定を行っているそうだ。 |
理解に間違いがあることは、前に指摘したとおりです。
「ボーイズラブ」はだれにとって有害で不適切なのか?
/新聞各紙の報道(2008-11-05)
BL小説の廃棄を求める声が「利用者から・・・相次いだ」となっていますが、
利用者であるかどうかも確認不能の、たったひとりの匿名者から要求です。
それに、市のホームページには出ていませんが、
わたしたちが情報公開で入手した文書によると、
匿名のメールは、7/30,7/31,8/8と
3回にわたって届いたものを、「市民の声」としてひとつにしたものです。
○堺市に届いた匿名のメール(pdf版 情報公開文書)
7月31日のメールには、
「昨日、南図書館より、そして本日、議員様より、
その後の経過についてお聞きしたところ、すべてのBLを書庫に収納するとのこと」とし、
一週間後の8月8日のメールには、
「とりあえずはセクハラまがいの大量開架を中止し、書庫へ収納したというのは、
当然のこととはいえ、評価したいと思います。
そしてBLの購入冊数及び購入総額もカウントし、当HPに掲載するとのこと、
この対応も評価したいと思います。・・・・・書庫のBLも処分するとのことです。」としています。
匿名者は、メールのほかに何度も図書館に電話をかけて要求を重ねています。
要求にしたがって図書館は、特定図書を大量に動かしたわけですから、
図書館側の混乱ぶりが目に見えるようです。
「一般図書の中に入っているのでカウントできない」とした他の図書館と同じように、
堺市も「一般小説として」購入し「一般書として混配」していた館もあるのだから
「一般図書の中に入っているのでカウントできない」と答えればよかったわけです。
堺市は、わたしたちの申し入れに対し、
「他者からの働きかけは・・・・・・一切ない」としていますが、
匿名者からの要求を拒否できない、何か強い圧力があった、といわざるを得ません。
あとひとつ気になったのは、
「堺市の図書館では専門司書70名が本の内容を一冊一冊丁寧に確認し、
選定を行っている」ということですが、
特定された図書はすべて「文字情報」のノベルズ(新書版)・文庫本です。
今回問題になっているのは「表紙及び挿絵のイラスト」と確認していますが、
一冊ずつ「本の内容を確認し」というけれど、その基準はなんでしょう。
特定図書を「よいものと悪いもの」に、さらに選別するというのは、
図書館の裁量を超えている気がします。
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「一期一会」にクリックを
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