みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

ベラルーシの放射線防護研究所による「農作物への放射能対策」/「セシウム汚染牛肉」の拡大

2011-07-24 22:27:38 | 地震・原発・災害
ウィメンズアクションネットワークWANの拡大会議に参加。
一泊して、京都の詩仙堂などを散策して帰ってきました。
暑いなか、歩き回ったので、さすがぐったり疲れました。

連れ合いは、田の草取りをしているので、迎えに来てもらえる夕暮れまで、
名古屋と岐阜の本屋さんのはしご。

帰ってから、「【浜岡停止 市民たちに聞く】 原発にこのまま頼っていけるのか?(下)」をアップしようとおもっていたのですが、
まだ朝日新聞webにアップされていません。
(上)は紙版に載ってすぐにアップされたのですが、
日曜日だから担当者もお休みなのでしょうか。

ということで、原発関連で、朝日の記事は延期して、
原発関連で、「農作物への放射能対策」という有用な情報がMLで届いたので紹介します。

 011年7月22日(金)
■ベラルーシの放射線防護研究所による「農作物への放射能対策」
"Countermeasures against radionuclide for agricultural products"
by a Belarus radiation protection organization


ベラルーシの放射線防護研究所、「ベルラド研究所」による「農作物への放射能対策」の日本語版が発表されました。コーディネート・編集・翻訳を担当した大下雄二さんから提供された日本語版をここに掲載します。研究所所長のネステレンコ博士は、ロシア語の原文を英語に訳してくれたということで、この日本語版は英語版からの翻訳ということです。

東北をはじめとする日本の農業関係者の方にぜひ紹介してください。ベルラド研究所は、「もし皆様が農作物等への放射能の取り込みを低減させる技術を直接詳しくお知りになりたいのならベルラド研究所では日本からの招待を受ける用意があります」と言っています。詳しくは下記をご覧ください。

(このブログの関連過去記事:アレクセイ・ヤブロコフ「過小評価ではなく影響を最小限にする対策を」)

論文は以下に画像ファイルで掲載しているほか、下記リンク(Google
Doc)
からダウンロードできます。ここをクリック→農作物への放射能対策 ベルラド研究所

日本の皆様へ

私は、地震と津波による犠牲者とそのご家族の皆様に心より同情申し上げます。また福島第一原子力発電所事故の大災害により被害を受けられた皆様に、全く同じ魔の放射能の中にほぼ25年の間曝されてきたベラルーシの人々を代表しまして、私は皆様がくじけず自信を失われないことを願っております。また私どもが得た、以下にお示しした経験がいくらかでも貴国においてお役に立てますよう心より願うものであります。私たちは生き抜くことが出来るのです!

ベルラド研究所所長 アレクセイ・ネステレンコ
2011年7月20日


所長のネステレンコ博士のメッセージで始まるこの論文は、「1.表土の改善」、「2.土地の抜本的改良」、「3.菜園と庭では、次のアクションを実行するのが、望ましい」の3部からなり、チェルノブイリ事故による汚染に対処した長年の経験と調査研究にもとづいた具体的な農地の放射能対策を提案しています。

最後の団体紹介の部分と、子どもの内部被曝を軽減した実績のあるペクチン食品混和剤「ヴィータペクト」の紹介がありますので抜粋して紹介します。

●放射線防護研究所“ベルラド”について
放射線防護研究所“ベルラド”(ベルラド研究所)は、1990年に政府とは独立した組織として設立されました。ベルラド研究所がゴールとするところは、チェルノブイリゾーンの住民や食品等の放射能をモニターすること、放射能の測定管理の発展に寄与すること、放射能によって汚染された地域の人々に対して必要な科学的調査を実施することによって放射能から人々を守ること、またこれら実施内容の結果をより発展させ組織化することです。


●研究所の科学的活動の主な目的について
・子供たちの体内のセシウム137の蓄積をホールボディカウンダーにより監視し、ペクチンの服用により放射能から守ること。
・食品に含まれる放射能を管理する地域センターをネットワーク化し、放射能の危険を人々に知らせること。
・ベラルーシでの放射能に関わる事業として線量計や食品に含まれる放射能を検査する機器の製造とその発展に関わること。
・ペクチン食品混和剤“ヴィータペクト(Vitapect)”の生産に関わること。
・子供たちを放射能から守るため、チェルノブイリ地域の教員や親に対する放射能環境教育のためのセンターを組織すること。

1990年よりベルラド研究所は、地方放射能管理センター(LCRC)において、食品に含まれるセシウム137の測定を行っております。LCRCは、チェルノブイリの被害を克服するため国家委員会から経済的な支援を受けた(学校や救急施設などの)地方協議会により設立されました。これらLCRCは、チェルノブイリ原発事故によって影響を受けたゴメリ、ブレスト、モギリョフ、ミンスクの各地域で最も大きな村々によって作られました。現在ベラルーシでは83のLCRCがあり、内23はドイツからの人道的経済支援により運営されています。

ベルラド研究所のデータバンクは、食品に含まれる放射能の検査データを32万件以上有しております。私どもは、セシウム137のレベルが、放射能の共和国公衆上限レベル(RDU)を超えないようにする技術を確立し、この技術はホールボディカウンターで子供たちの体内組織にある放射性同位体を確定し監視する場合の基本としています。

研究所では、ホールボディカウンター研究室(WBC)を設立し、ベラルーシ共和国研究施設認証システムにより、その独自性と技術的能力に対して認証を受けました。(認証番号
BY/112 02.1.0.0385)研究室が所有する全部で7機のホールボディカウンター(SCRINNER-3М)とマイクロバスは、ドイツ、アイルランド、アメリカ、ノルウェイのチェルノブイリ慈善団体による経済援助により購入されました。

●ベルラド研究所 農作物への放射能対策
研究所では、遠征隊を組織し、ベラルーシ共和国内のチェルノブイリで汚染された地域の学校で子供たちの体をホールボディカウンターでの測定や、子供たちの遊び場の放射能の測定をしています。1996年から2001年には、ベルラド研究所ではゴメリ、ブレスト、ミンスク、グロドノ、ビテブスクの各地域で12万5000人以上の子供たちの体をホールボディカウンターで測定しました。この子供たちの測定結果は、放射能への防護対策を実施するためにベラルーシ共和国の厚生省や地方自治体へ送られます。

体内の臓器に広い範囲で放射能が蓄積している子供たちのリストは、ベラルーシやアイルランド、ドイツ、フランス、アメリカ、オーストリアの慈善団体に提示され、改善が必要なグループの中に入れられます。

2000年の4月からベルラド研究所は、ベラルーシ厚生省の認可を受け、ペクチン食品混和剤のヴィータペクトの製造を開始しました。ヴィータペクトは、りんごペクチンをベースとして7種類のビタミンと 4種類の微量元素から成っています。フランスやウ
クライナでも同様のものが製造されていますが、ヴィータペクトはそれより2分の1から3分の1位価格が安くなっています。ヴィータペクトは放射性核種や重金属を体内の臓器から効果的に取り除きます。2001年6月、当研究所は、フランスの医師らと共同でヨーロッパ基準に基づいた二重“ブラインド”メソッドによるヴィータペクトの効果を実験しました。

これによると21日間に渡って子供たちにヴィータペクトを服用させたところ32人の子供たちの体内からセシウム137が(平均で)66%減り、一方で同時に偽薬を服用したグループではわずか14%しかセシウムが減らないという結果となりました。

もし皆様がこのような情報に関心を持たれたのなら、もし食品の放射能を検査されたいのなら、またホールボディカウンターで測定をされたいのであれば、もしくはヴィータペクトを手に入れたいとお考えであるならば“ベルラド”放射線防護研究所にご連絡いただくかお越しになっていただきたいと存じます。

もし皆様が農作物等への放射能の取り込みを低減させる技術を直接詳しくお知りになりたいのならベルラド研究所では日本からの招待を受ける用意があります。

●ベルラド研究所の連絡先:
住所: 2 Marusinsky pereulok 27. Minsk. 220053. Belarus
電話番号: +375 17 289 03 83 Fax: +375 17 289 03 84
E メールアドレス: belrad@nsys.by (お問合せ等は英語でお願いします)
U R L:http://www.belrad.nsys.by/ 

●この論文の日本語版製作者氏名:
コーディネート・編集・翻訳:大下 雄二
(連絡先 radecontamination@gmail.com )
翻訳協力:中野 廣幸(産業通訳・翻訳・一般計量士)

以下、本文です。各ページはクリックすれば大きく見られます。文書はここからもダウンロードできます。
(この本文は上に述べたようにリンク先を開いてお読みください。=送信者)



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出かける前に見た、昨日の毎日新聞のクローズアップ2011。
セシウム汚染牛肉の続報です。

クローズアップ2011:セシウム汚染 牛肉価格下落、拡大 

 肉牛セシウム汚染の拡大は、消費者の牛肉離れや価格下落を招いた。農林水産省は暫定規制値を超えた汚染牛肉の買い取り方針を打ち出したが、畜産農家からは「不十分」と全頭検査を求める声が相次ぐ。国産牛の信頼回復には何が必要なのか。

 ◇近畿「売り上げ1割減」
 東京市場で取引される牛肉の価格は、今月上旬には主流の去勢和牛A4等級で1500円台だったが、福島県南相馬市から出荷された牛肉で規制値を超える放射性セシウムの検出が公表された8日を境に急落。18日には福島県外でも汚染された稲わらを牛に与えていた実態が明らかになり、19日に一気に607円まで値下がりした。出荷自粛などで品薄となったことから、21日には1400円台まで持ち直した。
 東日本以外の生産者にも不安は広がっている。22日には高級ブランド「松阪牛」で有名な三重県大紀町で汚染された稲わらの使用が判明。三重県の農業団体関係者は「牛肉自体には問題がないが、消費者の牛肉離れが進まないか」と心配する。農林水産省食肉鶏卵課も「牛肉の需要は景気や消費者心理に左右されやすい。震災による自粛ムードで落ち込んでいたところに放射能問題が追い打ちをかけた」と話す。
 大手スーパーや外食産業からは国産牛肉が姿を消しつつある。日本チェーンストア協会によると、直近の売り上げは前年同期と比べ4割減った。敬遠ムードは「近畿圏の店舗でも牛肉の売り上げが約1割減っている」(ライフコーポレーション)など全国に拡大。同協会は22日、菅直人首相あてに安全対策や検査体制の強化を求める緊急要望を提出した。焼き肉店「牛角」などを展開するレインズインターナショナルは21日から九州の一部と北海道を除く店舗で国産牛提供を中止している。
 食肉業界は流通過程で多くの業者が関わり、影響は生産農家や小売りにとどまらない。農水省が20日開いた業界関係者への説明会で、仲卸業者が「納入済み在庫も返品され、倉庫がいっぱい。どうしたらいいのか」と悲痛な声を上げた。福島第1原発事故後、風評被害を受ける地元生産者を応援するフェアが各地で開かれた。その間に入り福島県産牛を買い支えてきたが、消費者の動向を気にする小売店の買い控えに直面しているという。
 畜産農家から委託を受け食肉市場での販売を手掛ける卸売業者でつくる社団法人「日本食肉市場卸売協会」(東京都千代田区)も、取引価格の下落に伴い収入が激減。担当者は「苦しいのは生産者だけでなく、卸売業界も同じ。損害賠償の対象に含めるよう(東京電力に)検討してほしい」と訴える。【行友弥、久田宏、武内亮】

 ◇国、全頭検査に否定的
 生産者への補償と肉の信頼回復が待ったなしの課題となる中、農水省は暫定規制値超えの牛肉買い取りを打ち出した。来週にも具体的な方法を公表する見通しで、実現すれば原発事故に伴う一連の食品汚染では初めてとなる。
 「なぜ牛だけなのか。農作物も買い取ってもらわなければ農家は生活できない」。露地栽培の原木シイタケなどが出荷停止中のJAそうま(福島県南相馬市)の職員は不公平感を漏らす。
牛肉の「特別扱い」について鹿野道彦農相は22日、「既に(市場に)出ているものがあり、何らかの措置を講じる必要がある」と、他の食品に比べ流通範囲が広い点を強調した。政府は01年のBSE(牛海綿状脳症)発生時にも、在庫牛肉を買い取った過去がある。今回は政府は出荷停止の農水産物を東電の賠償の対象としており、「買い取り」と「補償」の調整も必要だ。
 一方、畜産業界が政府に求めている対策は「全頭検査」だ。22日、稲わら汚染が発覚した宮城県登米(とめ)市で県と市が畜産農家約200人を集め説明会を開いた。県の職員が「1頭当たり30分から1時間かかり、1日に何頭できるか分からない」と消極姿勢を示すと、農家側は「全力を尽くせ」と反発。市職員が慌てて「必要な検査はやる」となだめる一幕もあった。
 だが、鹿野農相は「実効性も現実性も大事」と、福島県内の特定地域以外での全頭検査実施には否定的だ。検査に使うゲルマニウム半導体検出器は1台約2000万円で重さは約2トン。ほこりのない場所に置き、床の補強も必要になる。さらに、各地の食肉処理場は今もBSEの全頭検査を行っているが、1頭ずつ肉を切り取って調べる放射線濃度の調査は比較にならないほど大変な作業となる。
岩手県を代表する「前沢牛」の畜産農家を抱える奥州市。「JA岩手ふるさと」は22日の支部役員会で、今月予定されていた前沢牛26頭の出荷自粛を決めた。「出荷を続けないとブランドは維持できない」との意見も出たが、和牛価格の急落もあり、8月からの再開を目指す方向で決着した。同JA畜産課の高橋浩一課長は嘆く。「国が責任を持って全頭検査や買い上げをしなければ、食肉業界が壊滅する」【井上大作、津久井達、金寿英】

 ◇消費者団体「冷静な行動を」
 放射線への不安と業界の苦悩を、消費者はどう受け止めればいいのか。
 消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」(東京)の市川まりこ代表は「専門家は今発覚している程度の汚染肉を少量食べても健康に問題ないと言っている。全頭検査は福島では必要かもしれないが、多額の税金で肉を買い上げ焼却することが必要か、議論すべきだ」。消費科学連合会の犬伏由利子副会長は「米国でBSEが問題になった時は国産牛の信頼が高まったことを思い出してほしい。日本の畜産業がだめになれば自分たちの首を絞めることになる」と冷静な消費行動を呼びかける。
 一方、東京消費者団体連絡センターの矢野洋子事務局長は「行政やマスコミが数値を丁寧に説明するなど正しい情報を提供することが不安払拭(ふっしょく)につながる」と話した。【小島正美、浅野翔太郎】
毎日新聞 2011年7月23日 


きょうは疲れたので、これでおしまい。
これからお風呂に入って「イ・サン」を見てから寝ます。

ではまた、明日。

最後まで読んでくださってありがとう
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