みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

口唇ヘルペスの再発/ゾビラックス(アシクロビル)とアラセナ(ビダラビン)の作用機序・違いは?/ビダラビンとアシクロビル

2021-01-03 22:41:10 | 健康/くらし/薪ストーブetc
朝ごはんを食べた後、上くちびるにかすかな違和感。
鏡を見たら、左上が赤くなっていた。
「あっ口唇ヘルペスの再発だっ」
ヘルペスの兆候があると急いで皮膚科に行って薬を処方してもらうのだけれど、
三が日は医療機関はお休み。
抗ウイルス薬のバルトレックスが残っていたことを思い出し、探して飲みました。
そういえば、去年の年末年始は指が伸びなくて、
1月4日の朝一で受診したのでした。
口唇ヘルペスは繰り返し再発する厄介な病気で、
今までは1年に一度くらい春に出ていたのが、
この前は10月に出たばかりなので、再発までの期間が短い。
自覚してない疲れがあったのか、この間の夜更かしがよくなかったのか。


塗り薬を探したら、皮膚科で貰ったアラセナAが少し残っていた。
市販薬を買いに出たけれど、近くの薬局にはおいてなくて、
家のなかをあちこち探して、数年前に買ったアクチビア軟膏を見つけた。
バルトレックスは残りあと1錠で、今夜飲む分まで。
明日はパートナーの名大病院の受診なので、
午後に皮膚科に行ってこようと思っています。

抗がん剤治療中のパートナーにうつすことのないように、
マスクと手指のアルコール消毒は欠かさないようにして、
食事も別々に摂るようにしている。

あらためて、口唇ヘルペスの情報を集めてみました。

   お薬のしおり 口唇ヘルペスとは 
東京医科大学病院 薬剤部

口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルスが原因の感染症で、くちびるの周りに
水ぶくれができる病気です。ヘルペスウイルスは8種類ありますが、口唇
ヘルペスの原因となるのは単純ヘルペスウイルス 1 型です。水ぼうそうや
帯状疱疹もヘルペスウイルスの一種である水痘ウイルスが原因
で引き起こされます。
ヘルペスは、他のウイルス性の病気と異なり、一度感染すると症状がなく
なったあともウイルスが神経節のなかにじっと潜み、免疫力が弱まったとき
に再発が起こります。また、水ぶくれの中にはたくさんのウイルスがいるた
め、人から人へ、またはウイルスが付着した物(タオルや食器など)から人
へ接触感染し、感染力が強いことも特徴です。

≪口唇ヘルペスの感染から再発までの流れ≫
1. 初感染
多くは子供のころにヘルペスウイルスに感染し、気づかない場合もありま
す。大人になってから初めて感染すると、症状が重いことが多く、再発を繰
り返しやすいと言われています。
2. 潜伏感染
一度感染すると、ウイルスは三叉神経節と言われるところに住みつきます。
これを潜伏感染と言います。体調が悪くなると、ウイルスが暴れ出します。
3. 再発
潜伏感染しているウイルスが、再び暴れ出すことを再発といいます。
かぜをひいたり、ストレスや過労がたまったり、月経前後や強
い紫外線を浴びたときなどに再発しやすいです。平均する
と年に 1~2 回の頻度で再発する患者さんが多いようです。
それでは、口唇ヘルペスはどのように治療するのでしょうか?残念ながら、
ヘルペスウイスルを根本から退治することはできません。しかし、活発なウ
イルスの増 殖を制御し、症状の悪化を抑えることはできます。治療は抗ウ
イルス薬を使った薬物療法を行います。主に使われるのは飲み薬とぬり薬で
す。

◆飲み薬(商品名:ゾビラックス、バルトレックスなど)
病院で処方してもらいます。皮膚の症状だけでなく、神経節のウイルスの
増 殖を抑える効果があります。ゾビラックスはヘルペスウイルスの DNA に
作用して、ウイルスが増えるのを抑えます。バルトレックスはゾビラックス
の成分であるアシクロビルの吸収率を高めた薬で、体の中でアシクロビルに
変換されて効果を発揮します。
◆ぬり薬(医療用医薬品の商品名:アラセナ-A 軟膏、ゾビラックス軟膏な
ど)

再発の頻度が少なく、軽症の場合に処方されます。症状がそれ以上広がら
ないようにする効果があります。ぬり薬は、病院で処方してもらうほかに、
薬局でも購入することができます。薬局で購入できる口唇ヘルペスのぬり薬
は、「再発時」に限定して使うことができます。過去に口唇ヘルペスと診断
され、再発のきざし(ピリピリ・チクチクを感じます。)が現れたときに使用
するのがよいでしょう。口唇ヘルペスのぬり薬は第 1 類医薬品に分類されて
います。第 1 類医薬品は、使い方や副作用などで特に注意を必要とする薬で
す。購入の際には、薬剤師から書面を用いた説明を受ける必要があります。
また、初めて発症したときには、症状が重症になる場合があります。症状
だけで口唇ヘルペスかどうかを自己判断することはできません。市販薬は使
用せず、必ず病院を受診しましょう。
口唇ヘルペスの再発を防ぐためには、抵抗力のある丈夫な体
をつくることが大切です。免疫力が低下しないよう、栄養のバ
ランスがよい食事をとることを心がけ、適度な運動をして基礎
体力を高めておきましょう。


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  ゾビラックス(アシクロビル)とアラセナ(ビダラビン)の作用機序・違いは?
2016年3月14日 ファーマシスタ

口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどの治療薬であるゾビラックス軟膏(成分名:アシクロビル)、アラセナA軟膏(成分名:ビダラビン)。

同じDNAポリメラーゼ阻害薬として位置づけられていますが、作用機序や特徴はそれぞれ異なります。

ゾビラックス軟膏(アシクロビル)とアラセナA軟膏(ビダラビン)の細かい作用機序、違いについてまとめてみました。

また、クリーム製剤についても同様の内容となります。

ゾビラックス軟膏とアラセナA軟膏の作用機序の違い
ゾビラックス軟膏(アシクロビル)の作用機序
ヘルペスウイルスDNA鎖の伸長を停止させヘルペスウイルスDNAの複製を阻害します。
ヘルペスウイルスが伸長していくためには、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)という核酸構成成分を取り込み、つないでいかなければいけません。
細胞内でリン酸化されたアシクロビルはこの核酸構成成分であるdGTPと構造が似ているため、ヘルペスウイルスが間違ってリン酸化されたアシクロビルを取り込んでしまうことで、ウイルスDNA鎖の伸長が停止し、ウイルスDNAの複製が阻害されます。
間違って取り込まれる際にアシクロビルは細胞内でリン酸化される必要があるのですが、ヘルペスウイルスに感染していない細胞内ではリン酸化されないため正常な皮膚細胞にはダメージを与えません。
またインタビューフォームより、より詳しい作用機序を抜粋しました。
アシクロビルは、単純ヘルペスウイルスが感染した細胞内に入ると、ウイルス性チミジンキナーゼにより一リン酸化された後、細胞性キナーゼによりリン酸化され、アシクロビル三リン酸(ACV-TP)となる。

アシクロビル三リン酸(ACV-TP)は正常基質である デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)と競合してウイルスDNAポリメラーゼによりウイルス DNAの3’末端に取り込まれると、ウイルスDNA鎖の伸長を停止させ、ウイルスDNAの複製を阻害する。 アシクロビルリン酸化の第一段階である一リン酸化は感染細胞内に存在するウイルス性チミジンキナーゼによるため、ウイルス非感染細胞に対する障害性は低いものと考えられる。
引用元 ゾビラックス軟膏・クリームインタビューフォーム

アラセナA軟膏(ビダラビン)の作用機序
ヘルペスウイルスが増殖するのに必要なDNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの複製・増殖を防止します。

以下インタビューフォームを抜粋します。
ビダラビンは生体内において活性型のAra-A(Ara-ATP)となり、ウイルスのDNA依存DNAポリメラーゼを強力に阻害するものと推察されている。 Ara-Aの種々のDNAポリメラーゼに対する阻害作用を検討したところ、単純へルペスウイルス(HSV)由来のDNAポリメラーゼに対しウサギ腎細胞 由来のDNAポリメラーゼαの116倍、βの39倍の阻害作用を発揮した。以上のことから、Ara-AはウイルスのDNAポリメラーゼを選択的に阻害し、 抗ウイルス作用を発揮すると推察された。
引用元 アラセナA軟膏・クリーム インタビューフォーム

ゾビラックス軟膏とアラセナA軟膏の違い
適応が異なる
ゾビラックス軟膏は単純疱疹が適応ですが、アラセナ軟膏は単純疱疹と帯状疱疹が適応となっています。
またゾビラックス(アシクロビル)に耐性のあるウイルスにはアラセナ(ビダラビン)が有効です。

ウイルスへの選択性が異なる
両薬剤ともリン酸化されることで活性型となるのですが、ゾビラックス(アシクロビル)はウイルスに感染した細胞内でリン酸化され効果を発揮しますが、アラセナA(ビダラビン)はウイルスに感染していない細胞内でもリン酸化されてしまいます。
このため、ウイルスに対する選択性はゾビラックス(アシクロビル)の方が高いことが推測されます。

使い分け・内服薬(バルトレックス)との併用
アラセナA(ビダラビン)に関しては、「ウイルスのDNA依存DNAポリメラーゼを強力に阻害するものと推察されている」とされており、はっきりとした作用機序は明確にはわかっていません。
効果に対する優越の差についてin vitroのデータはないそうですが、ゾビラックス(アシクロビル)耐性のヘルペスウイルスにはアラセナ(ビダラビン)が有効となっています。
口唇ヘルペスなどの単純疱疹の場合、バルトレックス(バラシクロビル)やファムビル(ファムシクロビル)などの抗ヘルペスウイルス内服薬と、ゾビラックス軟膏やアラセナA軟膏などの外用薬との同時処方は保険が通らないケースが多いため、内服か外用かどちらか単独での処方が基本となるでしょう。
地域によって査定の厳しさが異なりますが大阪はアウトです。 


  アラセナとゾビラックスの違いは?
2020/8/4  薬の勉強 薬剤のブログ

ビダラビンとアシクロビル
アラセナ軟膏とゾビラックス軟膏。
医療用だと、アラセナ軟膏は「帯状疱疹、単純疱疹」に適応があるのに対して、ゾビラックス軟膏は「単純疱疹」のみに適応。
どっちもヘルペスに対する有効性は大差ない、らしい。
昔は、同じ成分のゾビラックス錠とゾビラックス軟膏を併用すると査定されるから、ゾビラックス錠とアラセナ軟膏を処方する、って医者もいたけど、今はどうなんだろ。
OTCだと、アラセナs軟膏とゾビラックスと同じ成分の「アクチビア軟膏」「ヘルペシアクリーム」があります。
どれがいいの?とお客さんに聞かれますが、どれも同じようなものかと。

アラセナs軟膏のほうがちょっと高めなので、アクチビア、ヘルペシアを選ぶ患者さんのほうが多め。
アクチビア軟膏とヘルペシアクリームは、「軟膏」と「クリーム」と名称は違うけど、どうなんだろ。
昔はヘルペシア軟膏って商品名だった。
添付文書をみると、
アクチビア軟膏の添加物は「マクロゴール」のみ。
ヘルペシアクリームの添加物は「グリセリン,ジメチルポリシロキサン,ステアリルアルコール,プロピレングリコール,流動パラフィン,l-メントール,ステアリン酸ソルビタン,ポリソルベート60,パラベン,クエン酸,クエン酸ナトリウム」。
色んなものを入れると使用感はよくなるけど、添加物の種類が多くなればなるほど、どれかの物質にアレルギー反応を起こすリスクは高まるわけで。
皮膚のデリケートな人、アレルギー体質の方は、アクチビアのほうがいいのかも。
アラセナのほうが耐性ウイルスができにくい、って話もあるので、アクチビアorヘルペシアを使ってみて、治りにくいようだったらアラセナを使ってみてください、ってのがいいかも。


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