みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

参院選きょう公示、437人が届け出/あす「毎日ボートマッチ(えらぼーと)」も開始。

2010-06-24 11:23:08 | 選挙関連
梅雨の晴れ間で、朝から晴れ。
暑い一日になりそうです。

第22回参議院議員選挙が、きょう公示されました。
ちなみに、国政選挙が「公示」、地方選挙は「告示」。
立候補の受け付けは午前8時半から始まって、437人が届出しているそうです。
投開票日は7月11日の日曜日で、17日間の選挙が幕開けしました。

共同通信記事
参院選公示、消費税上げが争点 約440人立候補へ

 昨年夏の政権交代後初の本格的国政選挙となる第22回参院選が24日公示され、7月11日投開票に向けた論戦が始まった。選挙区、比例代表を合わせ計約440人が立候補予定で、午前10時までに428人(選挙区241人、比例代表187人)が届け出た。消費税率引き上げをめぐる問題を争点に、与野党が過半数を懸けた攻防となる。民主党政権9カ月の評価とともに、菅直人首相に今後の政治のかじ取りを託すのか有権者の審判が下される。
 菅首相率いる民主党は「経済、財政、社会保障の一体的立て直し」を掲げ、財政再建路線を強めた姿勢で選挙戦に臨む。自民党公約に倣う格好で「消費税10%」の検討にも言及し、有権者に負担増への理解、協力を求めながら支持を訴える難しい選挙になりそうだ。
 自民党など野党は、鳩山由紀夫前首相や小沢一郎前民主党幹事長らの「政治とカネ」問題や、米軍普天間飛行場移設問題での迷走の責任を菅政権も免れないと主張。首相の消費増税への言及をそれぞれの立場から批判し、与党が参院で過半数割れする「ねじれ国会」に持ち込みたい考えだ。第三極、新党が躍進できるかも注目される。
2010/6/24 10:41【共同通信】
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【参院選2010】参院選公示、全国各地の立候補届け出状況(2010/06/24 09:45【47NEWS】)


時事通信記事
民主政権の評価問う=437人が届け出-与党過半数が焦点・参院選公示
(2010/06/24-11:08 時事通信)

 第22回参院選が24日公示され、7月11日の投開票に向け、17日間の選挙戦がスタートした。昨年9月の政権交代後、初の全国規模の国政選挙。直前に鳩山由紀夫前首相が退陣し、菅直人首相が引き継いだ中、民主党を中心とする連立政権に対する有権者の中間評価となる。同党と国民新党の与党が非改選と合わせ、過半数の122議席以上を確保するかが最大の焦点。民主、自民両党とも、消費税率の引き上げを打ち出しており、選挙結果は税制改革論議に影響を与えそうだ。
 午前11時現在、選挙区に250人、比例代表に187人の計437人が立候補を届け出た。
 立候補の受け付けは午前8時半から、選挙区は各都道府県の選挙管理委員会で、比例代表は中央選挙管理会で始まった。午後5時に締め切られる。改選数は選挙区73、比例代表48の計121。候補者数は、前回2007年(377人)を大きく上回る。比例代表への届け出は、前回より1多い12政党・政治団体。
 民主党は今回、国民新党と合わせて56議席を得れば、非改選の与党系無所属を含め与党で過半数に到達。さらに、民主党の非改選は62議席であるため、60議席以上を獲得すれば、単独で過半数に達する。菅首相は改選の54議席以上を目標に掲げる。これに対し、自民党など野党各党は、与党を過半数割れに追い込み、政界再編や将来の政権復帰・参加につなげることを目指す。 
 民主党は29の1人区のうち、沖縄と無所属候補を推薦した香川を除く27選挙区で公認候補を擁立。改選数が複数の選挙区には一部を除き2人を公認し、比例代表にも票の掘り起こしを狙い積極的に擁立したため、候補者は100人を超えた。国民新党は選挙区2人、比例代表7人の計9人。
 一方、自民党はすべての1人区に公認候補を立て、比例代表に35人を擁立した。谷垣禎一総裁は、財源を捻出(ねんしゅつ)できず衆院選の政権公約(マニフェスト)を修正した民主党を徹底的に批判。与党の過半数を阻止できなければ辞任の意向を示しているが、阻止できた場合でも獲得議席で民主党を下回れば、求心力の維持に苦しみそうだ。
 公明党は改選議席の維持が目標。共産党は東京選挙区を最重点区に位置付ける。社民党は、政権離脱の影響が注目される。
 みんなの党は、追い風を期待し、積極的に候補者を立てた。たちあがれ日本と新党改革にとっては、初の国政選挙。 


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今回の参院選から解禁されると思われていた「ネット選挙」は、国会で公選法改正が見送られ、
いままで通りの、選挙運動しか容認されません。
とはいえ、規制を無視して、突破する候補者も増えそうです(笑)。

有権者としては、「ネット選挙」が解禁されれば、情報が増えて選択肢が拡がると
期待していたのですが、ちょっとザンネン。

ネット調査:選挙中HP・ブログ更新 解禁合意「評価」80%
毎日新聞 2010年6月24日

インターネットを利用した選挙運動を解禁する公職選挙法の改正に与野党は合意したが、通常国会では改正が見送られ、7月11日投開票の参院選では従来通り24日の公示以降、ネット利用ができなくなる。毎日新聞がNTTレゾナントの協力を得て行ったインターネット調査では、選挙期間中の政党と候補者のホームページ(HP)とブログの更新を可能とする与野党合意を「評価する」との回答が80%に達した。
 選挙期間中に候補者などのHPやブログを「見る」と答えた人は38%。年代別では▽20代25%▽30代36%▽40代41%▽50代44%▽60代以上49%で、若くなるほど低かった。
 別人による「なりすまし」が心配される簡易投稿サイト「ツイッター」と電子メールについては「両方とも解禁すべきでない」が57%と半数を超えた。【山口昭】

==============
 ◇質問と回答◇

 ◆選挙期間中に政党と候補者のHPやブログの更新を認める与野党合意を評価しますか。
評価する  80
評価しない 20

 ◆メールやツイッターも解禁すべきか。
両方解禁すべきだ     22
メールは解禁       12
ツイッターは解禁      9
両方とも解禁すべきでない 57

 ◆選挙期間中、政党や候補者のHPやブログを見ますか。
見る  38
見ない 62
 (注)数字は%、小数点以下四捨五入。質問と回答は一部省略。
strong> <調査の方法>
 6月8~9日、gooリサーチのモニターから無作為に選んだ20歳以上を対象にインターネットで調べ、1079人から回答を得た。
毎日新聞 2010年6月24日 東京朝刊


そんな中、昨年の衆議院選挙に続いて、今回の参院選でも、
毎日ボートマッチ「えらぼーと」がスタートするようです。

前回と、マニフェストを変えた政党もあるとか、ないとか・・・
衆議院選の「えらぼーと」の結果も考慮して、
「えらぼーと」を投票の参考にしたいです。

 毎日ボートマッチ「えらぼーと」25日スタート 参院選、考えの近さが分かる
毎日新聞

 毎日新聞は、参院選期間中、有権者が選挙の争点や政党・候補者の考え方を知ることができるサービス「毎日ボートマッチ(えらぼーと)」を、インターネットの「毎日jp」(http://mainichi.jp/)で提供します(携帯電話は「毎日新聞・スポニチ」サイトで)。
 立候補予定者に実施したアンケートと同じ質問に有権者が答えることで、政党・候補者と自分の考えの近さが数字で示されます。昨年の衆院選では約52万人が利用し、好評を博しました。
 質問と提供内容は本紙記者が作成し、片山善博慶応大教授(地方自治、前鳥取県知事)、曽根泰教慶応大教授(政治学)、松本正生埼玉大教授(世論調査)が監修委員としてチェックしました。
 公示翌日の25日から、確定した候補者のデータでサービスを提供します。奮ってご参加ください。



2010 参院選 7月11日(日)投票
毎日ボートマッチ(えらぼーと)


参院選「えらぼーと」実施について
 毎日新聞社は、参院選において、新機能を追加した「毎日ボートマッチ(えらぼーと)」を6月25日からユーザーのみなさんに提供する予定です。
 えらぼーとは、政治の争点に関する質問に答えてゆくと、自分と政党、候補者との考え方の一致度を数値で知ることができる仕組みです。
 毎日新聞社が2007年の参院選で日本のメディアとして初めてボートマッチを実施し、20代、30代を中心に約40万人が利用しました。昨年の衆院選でも候補者個人との一致度を比較できるなど新たな機能を追加し、約50万人が利用。「争点がよくわかった」「投票の参考になった」と好評を得ました。
 毎日新聞社では、衆院選、参院選などの国政選挙前に立候補者に対して、選挙の争点に関するアンケートを実施していますが、この候補者アンケート結果がえらぼーとの基礎データとなっています。
 ユーザーが同じアンケートに答えることで、政党や立候補者との一致度が分かるわけです。
 来るべき参院選を控え、雰囲気に流されず、じっくり政策を吟味し、未来を託すべき信頼できる政治家を選びたいものです。

*データは衆院選時のもので、その後に所属党派が変わった候補者もおります。
 前回の「2009年衆院選版えらぼーと」を公開しています。
 未体験の方はぜひ一度トライしていただき、参院選前にえらぼーとを体感してみてください。  

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※「ボートマッチ」とは
 英語のvote(投票)とmatch(調和すること)を組み合わせた言葉。インターネットで展開する「ボートマッチ」は、有権者に自らの考え方に“調和する”政党を知ってもらい、選挙の投票に役立てるツールとして主に欧州で普及している。
 発祥地はオランダで、心理テストの発想から生まれた。中立の非政府組織(NGO)、「政治参加センター」(アムステルダム)が市民の政治への関心を高めるために開発し、89年に紹介。当初は紙上で利用する二者択一回答の単純なものだったが、94年にデジタル化されてから回答の選択肢も増えた。
 98年の同国総選挙でインターネット版が登場して注目を集め、広く普及。02年、03年の総選挙ではそれぞれ200万人以上が利用した。
 現在もっとも積極的に活用しているのはドイツ。実施主体の「連邦政治教育センター」(ボン)が各メディアと連携し、公共第二テレビ(ZDF)や有力誌「シュピーゲル」など主要メディアが自社のウェブサイト上でボートマッチを展開。02年の導入以降、国政選挙を中心にさまざまな選挙で毎回実施され、利用者は各メディアを合わせて延べ1000万人を超えている。






毎日ボートマッチ:大好評(その1) 機能を紹介/監修委員3氏に聞く
毎日ボートマッチ:大好評(その2止) 藤代裕之さんと赤星たみこさん、語り合う


あなたも、参院選「えらぼーと」で各党の政策を判断して、
7月11日には、ぜひ投票に行きましょう!


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6月23日(水)のつぶやき

2010-06-24 01:40:26 | 花/美しいもの
15:44 from web
今日のブログ。●「軍隊は住民を守らない」~沖縄「慰霊の日」に非戦を誓う/入梅前の花木の苗植え http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/d12539a90e434ade402f06fdca1b0ce0
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「軍隊は住民を守らない」~沖縄「慰霊の日」に非戦を誓う/入梅前の花木の苗植え

2010-06-23 14:25:09 | 花/美しいもの
沖縄戦から65年後のきょう、糸満市摩文仁の平和祈念公園で
「沖縄全戦没者追悼式」が開かれました。

菅直人首相も参列したけれど、式典でのあいさつは、
「いまだに沖縄には米軍基地が集中し、大きな負担をお願いしている。
負担をかけてきたことに全国民を代表し、おわびを申し上げる。
沖縄の負担がアジア太平洋地域の平和と安定につながってきたことについて、率直にお礼の気持ちも表す。
米軍基地にかかわる沖縄の負担軽減と危険性除去に一層、真剣に取り組むことを約束する。」
とシンプルなものでした。

わたしは沖縄全戦没者追悼式典をテレビで見ていたのですが、
最後に朗読された基地のない暮らしを願う高校生の「平和の詩」は、
沖縄のひとびとの悲しみと怒りをあらわしていて、胸に迫ってきました。

沖縄「慰霊の日」 普天間高生が詩朗読(2010年6月23日 中日新聞)
【平和の詩全文】 
  変えてゆく   普天間高校3年 名嘉司央里

今日もまたはじまる
いつもの日常
当たり前に食事をして
当たり前に好きなことを学んで
当たり前に安心して眠りにつく
そんな普通の一日
今日もまたはじまる
いつもの日常
当たり前に基地があって
当たり前にヘリが飛んでいて
当たり前に爆弾実験が行われている
そんな普通の一日
一見「平和」に思えるこの小さな島
そこにいつの間にか当たり前ではない
当たり前であってはならないものが
入り込んでしまっていた
普通なら受け入れられない現実を
当たり前に受け入れてしまっていた
これで本当にいいのだろうか
平凡な幸せを感じながら
ただただ「平和」を望む今
簡単にこの違和感を
無視していいのだろうか
黒いたくさんの礎
刻まれるたくさんの名前
そこで思い知る
戦争が残した傷跡の大きさ深さ
何も幸せなど生まれなかった
何も手に入れたものなど無かった
すべて失ったものばかりだった
忘れてはならない
この島であった悲しい記憶
目を背けてはならない
悲しい負の遺産
それを負から正に変えてゆく
それがこの遺産を背負い生きてゆく
私達にできること
変えてゆくのは難しい
しかし一人一人が心から
負である「戦争」を忌み嫌い
正である「平和」を深く愛する
そんな世界になれば
きっと正の連鎖がはじまるはずだ
6月23日 慰霊の日
あの黒いたくさんの礎には
たくさんの人々が訪れる
そして その一つ一つの名前に触れ
涙を浮かべながら語りかける
「今年も会いに来たよ」と
手を合わせ目を瞑り祈りを捧げる
その訪れた人々に
「平和」を願わないものはいない
「一度あった事は二度ある」
そんな言葉を聞いたことがある
しかし こんな悲惨な出来事は
もう繰り返してはならない
だから…
「一度あった事は二度とない」に
変えてゆこう 平和で塗りつぶしていこう
その想いはきっと届いているはずだから


現地の二紙、沖縄タイムスと琉球新報のきょうの社説を紹介します。

社説:[「慰霊の日」に]悲しみと鎮魂と怒りと 
2010年6月23日 09時13分 沖縄タイムス

 梅雨が明け、灼熱(しゃくねつ)の太陽が島を焦がす。65年前の6月。鉄の暴風がこの地を吹き荒れた。
 「すでに沖縄を見捨てたのだ」
 久米島で山中を逃げながら、住民への情報伝達に当たっていた農業会会長の吉浜智改(ちかい)さん(当時59歳、享年71歳)は日記(久米島戦記)にそう記した。
 天皇臨席の最高戦争指導会議は1945年6月6日、「本土決戦方針」を決定した。国会がそれを承認したとの情報に接し、政府が沖縄戦に見切りをつけたと察した。
 「生き延びるのだ。どんなことがあっても生き延びるまで苦闘を続けるのだ。民族の滅亡があってたまるものか。国会が見捨てたからといって我々沖縄民族の全てが無意義にして無価値な犠牲になってたまるものか。自存せよ」
 山中で息をひそめる絶望の淵(ふち)にあって、気力を振り絞るように郷里への憂いをつづったのだろう。
 政府が本土決戦方針を決めたその日、太田実海軍中将は「沖縄県民斯(か)ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」と大本営に打電。住民の献身的な戦闘協力と戦禍の惨状を伝え、将来沖縄の犠牲が報われるよう求めた。
 豊見城の海軍司令部壕で太田中将が自決したのは13日のことだった。その日、東京両国国技館で7日から始まった夏場所の千秋楽が行われていたのだ。日本相撲協会によると、戦災の中だけに取組は非公開だった。当時の朝日新聞に千秋楽の結果が小さく報じられている。
 吉浜さんは「大相撲大会とは何たることぞ」「国難ここに至れる」と憤る。
 沖縄で住民が生死の境をさまよっていたときに、東京では大相撲興行があるという目がくらみそうな深いギャップ。吉浜さんの日記には「捨て石」にされたことへの激しい恨みがにじむ。
 戦後も本土との深い溝は埋まらない。
 52年、日本が独立を回復したサンフランシスコ講和条約で沖縄は切り離され、米軍占領は戦後27年も続いた。
 「核抜き・本土並み」を宣言した72年の沖縄施政権返還にしても、沖縄の負担軽減は伴わず、むしろ本土での基地整理縮小が先行した。
 現在も「抑止力」という実体のない言葉を使い、自らは責任から逃げ続けて安保の負担を沖縄に押し付けていることに政治は無頓着だ。
 菅内閣が発足した直後の世論調査で、米軍普天間飛行場を沖縄県内で移設することに過半数が賛成している。
 菅直人首相はきょう、沖縄全戦没者追悼式に出席する。仲井真弘多知事らと面談する予定だ。菅首相は追悼訪問を県内移設に理解を求めるスタートと位置付けている。
 しかし首相の口から聞きたいのは不平等な基地偏重の理由だ。構造的な「差別」に対する県民の怒りはかつてなく高まっている。
 「見捨てられたからといって沖縄民族の全てが無価値な犠牲になってなるものか」
 吉浜さんの言葉が65年の時を越えて胸に響く。


 社説:慰霊の日/軍隊は住民を守らない 今こそ沖縄戦の教訓後世に
2010年6月23日 琉球新報

 今から65年前の1945年6月23日、アジア太平洋戦争末期に沖縄で繰り広げられた日米最後の激しい地上戦が事実上終結した。
 県援護課によると、沖縄戦の全戦没者は20万666人。日本軍9万4136人(県出身将兵2万8228人含む)に匹敵する約9万4千人の民間人が犠牲になった。
 政府はことし5月21日、沖縄戦の定義について、国内「唯一の地上戦」としていたこれまでの表現を「国内最大の地上戦」と言い換えた。
 樺太でソ連軍による避難船への攻撃や陸上での無差別攻撃により、計約3700人の民間人が死亡したとされるからだ。

■「唯一の地上戦」
 日本軍は住民に対し、米軍への投降を許さず、軍民が一体となって沖縄戦に突入した。
 住民は米軍の攻撃で犠牲になっただけでなく、自国軍によるスパイ視、壕追い出し、幼児の絞殺、強制的な死に追い込まれた。沖縄戦研究者は、民間人の犠牲者数は軍人を上回ると指摘している。
 沖縄戦とは、日本の領土で自国軍によって多数の住民が死に追いやられた唯一の地上戦と表現しても過言ではないのではないか。
 「国内最大の地上戦」という定義では、無残で残酷な実相が伝わらないのではないかと危惧(きぐ)する。
 沖縄戦から導き出された住民側の教訓として、私たちは「軍隊は住民を守らない」「命どぅ宝(命こそ宝)」と繰り返し主張してきた。
 一方で、国家や軍の論理からみた教訓がある。住民側から見た沖縄戦像とはまったく異なる。私たちが最も警戒すべきものだ。
 戦争を指揮する大本営は、米軍の沖縄本島上陸直後の4月2日「結局敵に占領せられ本土来寇(らいこう)は必至」(「機密戦争日誌」)と判断し首相に伝えた。日本軍の組織的戦闘が終わる直前の6月20日には「沖縄作戦の教訓」をまとめた。
 この中で、兵器を持たない沖縄召集の防衛隊員などには、急造爆雷を担がせて戦車に体当たりさせ、降雨時と夜間に斬(き)り込ませるのが有効と指摘している。生還を求めず「統帥の外道(げどう)」と言われた航空機による特攻と同じ発想だ。
 米軍は熾(し)烈な戦闘で、太平洋戦争を通じ最多の戦闘神経症患者が発生した。米軍の教訓は「部隊は2週間以上、第一線にとどめておいてはならない」というものだ。それほど激しい戦闘に住民がさらされていたことになる。
 最後にマスメディアに関する教訓がある。45年6月29日付「読売報知」は「特記すべき新聞社の奮闘」という見出しで、安倍源基内相との一問一答を掲載した。
 安倍内相は「ことに沖縄の新聞社が敵の砲爆撃下にありながら一日も休刊せず友軍の士気を鼓舞していることなども特記すべきである」と述べている。
 国家が戦争遂行のために言論の自由を奪い、新聞を統制し、戦意高揚に利用することに成功したと語っているに等しい。裏返せば真実を伝えられなかった新聞の敗北宣言である。新聞の戦争責任を忘れてはならない。

■過去に目を閉ざすな
 総務省統計局によると、沖縄に住んでいる65歳以上のお年寄りは約24万人(2009年10月1日現在)。県全体の17・4%に当たる。県人口の8割以上は、戦争を知らない世代だ。
 琉球新報が県内5大学の学生を対象にアンケート調査を実施したところ、正しい戦没者数を答えられた学生は3分の1以下だった。戦争体験者がどんどん減る今、沖縄戦とどう向き合うのか問われている。
 「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目になります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危機に陥りやすいのです」
 今から25年前、旧西ドイツのヴァイツゼッカー大統領が、ドイツの敗戦40周年を記念して行った演説の一節だ。
 菅直人首相は、慰霊の日の23日に来県し、米軍普天間飛行場の県内移設について沖縄県側と話し合う意向を示している。
 沖縄にとって6月23日は、過去と向き合い、天寿をまっとうできずに無念の死を遂げたすべての死者を追悼する大切な日だ。菅首相にヴァイツゼッカー氏が語った率直で普遍的な思いは届くだろうか。
 私たちはこれから生まれてくる命、子どもたちの未来に責任を負っている。23日は沖縄の地から世界に非戦を誓う日としたい。


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入梅の前に、バローで半額で買ってきた花木の苗木を植えました。

裏山の下に植えてあるイチジク・バナーネは大分大きくなっていて、
  
その周りを整地してもらったので、大きくなる木を並べて植えました。
   
西南側の塀の周りには、家のなかから見えるように花が咲く木。
  

いちばん大きな花カイドウの苗木は、塀の中のベニシダレモミジの西側。
 

椿や山茶花などの低木類も、ジャマにならない隙間をさがしてあちこちに。
  
タチアオイ・シジミバナ(ブライダルリース)・ピンク雪柳
  

花木の苗木を植えおわった翌日、またコメリで処分品の花苗を衝動買いしてしまいました。
いずれも50円とか100円とかで、定価の5~7割引きの超お買い得品です。
 

けど・・・植え場所、もうないなあ・・・。

 

マンデビラとアサガオは、軒にはわせて日除けにすることにしました。
花が咲くのが楽しみです。


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6月22日(火)のつぶやき

2010-06-23 01:38:02 | 花/美しいもの
14:12 from web
○【悩みのるつぼ】義理の父親がひどすぎる/親の夫婦関係は他人事と割り切れば (上野千鶴子) http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/6292799fb68439e45b64b5dbd1e01c1d
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【悩みのるつぼ】義理の父親がひどすぎる/親の夫婦関係は他人事と割り切れば (上野千鶴子)

2010-06-22 13:11:34 | ジェンダー/上野千鶴子
土曜日の朝日新聞beの「悩みのるつぼ」の回答者は、上野千鶴子さんでした。

出かける前にアップしようと思ったのですが時間がなくて・・・
記事だけ読んで大阪に出かけたら、会場でご本人にお会いしました(笑)。
上野さんはP-WANの担当理事なので、日曜夜のWANの総会でもご一緒してました。

今回の回答も、おもしろいです。

義理の父親がひどすぎます
相談者:会社員 30代

2010.6.19 朝日新聞be

 40歳目前の女性会社員です。結婚11年目で3児がいます。夫は家業の農業を継ぎ、60歳の義父母と働いています。住居は敷地内に別棟を建てて住んでいます。相談は義父のことです。
 義父は仕事中も自宅でも義母に対して大変乱暴な口をきき、馬鹿にした態度をとります。私や客がいても同様です。・・・・(中略)・・・・なるべく実家に顔を出したいと思っているのですが、義父の態度が不愉快でなりません。私が何を言っても義父の妻に対する態度が変わるとも思えないのですが、目にする度に一言言ってやりたい気持ちになり、精神的に苦痛です。
 義母は毎回腹を立てているようですが、仕方ないと思っているのか、反論しているのを見たことはありません。夫を含め子供たちの態度も同様です。なるべくかかわらないようにしているのですが、実家に行くと台所で顔を合わせてしまいます。なるべく冷静にかかわっていくつもりなのですが、わがままな義父に対してどういう心持ちで接していけばよいでしょうか。

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親の夫婦関係は他人事と割り切れば
          回答者:社会学者・上野千鶴子


 なんとまあ、昔ながらの古典的なお悩みでしょう。でも時代が変わりましたねえ。あなたのご相談には夫への不満が一行もなく、舅姑(しゅうと・しゅうとめ)との確執が一言も触れられていないので、大いに安心いたしました。
 はい、同一敷地内に住んでいようと、同じ家業を営んでいようと、義父と義母の関係がどうあれ、夫婦はもともと他人、他人の親はもっと他人。他人の夫婦関係がどんなに不愉快であっても、当事者がそれを解消する気がないかぎり容喙(ようかい)できないのが、夫婦関係というものです。
 あなたの夫が義父のようなふるまいをせず、あなたの姑があなたの家庭に干渉せず、あなたの義父があなたを妻と同じように粗略に扱わなければ、つまりあなたを「うちの嫁」扱いせず、「息子の妻」と見てくれているかぎり、その夫がどんなに問題のある家庭の出身であれ、よしとしなければなりません。
 DV家庭で育った息子や、親が多重債務を抱えた息子もいます。親の悪癖や不始末は息子の責任ではありません。それと同様に、親の夫婦関係に子どもが責任をとることも不可能です。この夫婦がもしあなた自身の両親だとしても、あなたにはどうしようもないでしょう?
 問題が深刻になりそうなのは孫のしつけをめぐる齟齬(そご)と、義父母の介護をめぐる葛藤(かっとう)です。子どもの教育には親の人生観がかかわりますから、それに納得できない関与をしてくるようならきっぱりNOを言いましょう。でも子どもたちは大人をよく見ていますから「おじいちゃんのようにならないでね」と言えばわかってくれるでしょう。
 介護には、好き嫌いがはっきり出ます。嫌いな相手にはたとえ家族であってもカラダに触れることもできないものです。「お義母さんのお世話はしてもいいけど、お義父さんのお世話はごめんですからね」と宣言しておき、もし義父が妻に先立たれたら、施設に入ってもらいましょう。たぶんあなたの夫も父親を嫌っているでしょうから、同意してくれるでしょう。
 親の人生に子どもは責任をとれません。他人の夫婦関係はどこまでいっても他人事(ひとごと)。冷たいようですが、距離を置いてつきあい、反面教師にして幸せな家庭を築いてくださいね。それにしても、こんなに愛されない男性の孤独な老後を想像すると、自業自得とはいえ、ちとかわいそうですね。
(題字・イラスト きたむらさとし)



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大阪滞在中に泊まったのは、「ホテル京阪天満橋」
じゃらんで「軽朝食付き」で連泊したのですが、
部屋は狭めですがきれいで、ひとりで泊まるにはこれで充分。
焼きたてパンとゆで卵、飲み物のおかわり自由の軽朝食がおいしかったです。
  
お昼は、向いの地下街でたこ焼きと明石焼を食べ、
女性学会からWAN総会までの間に、クリームみつ豆のおやつ。
ホテル京阪天満橋に宿泊すると、京阪の片道切符ももらえるので、
帰りは、京阪本線で七条(京都)まで行って、京都から新幹線の「のぞみ」に乗車。

 
乗り換えも少なくて、すいすいと帰れて、ドーンセンターまでの所要時間も短縮。
名古屋方面からドーンセンターに行かれる方はこのコース、おすすめです。

  
帰ってきたら、つれあいへの「父の日」のプレゼントがお出迎え。
京都駅で買った「阿闍梨餅」も開けて、さっそくご相伴させてもらいました。

三日間あけていたので、さすがに疲れて、ともちゃんに誘われた大須(名古屋)行きもパス、
今日は朝からぐだぐだしています。


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6月21日(月)のつぶやき

2010-06-22 01:05:47 | 花/美しいもの
12:01 from movatwitter
京都経由で名古屋に帰ってきました。暑い!です。
23:44 from web
きょうのブログ。●東京都青少年健全育成条例、都議会で否決。/児童ポルノネットブロッキング 通信の秘密を侵害しないか http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/92ba42a8e6542c891a109ebca2c24846
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東京都青少年健全育成条例、都議会で否決。/児童ポルノネットブロッキング 通信の秘密を侵害しないか

2010-06-21 08:12:14 | ほん/新聞/ニュース
女性学会ふつかめ。

午前中は、研究発表の分科会。
聞きたいテーマの発表にしるしをつけて、分科会を渡り歩きました。
「主婦たちのバックラッシュに見るケアの選考と主婦アイディンティティ」がおもしろかったです。

午後は、ポルノ被害に対する法的アプローチの話に関心があって聞きに行ったのですが、
「東京都の条例は画期的なものなのに弁護士会をはじめ民主から共産まで、
反対した人たちの気がしれない。ちゃんと条例を読んでいるのか」という
一方的な言い方には、ちょっと違和感がありました。
条例の反対論は、感情的なものではなく、ちゃんと理由があるのですが、
それにはほとんど言及しないで、「ポルノ規制」と一緒にしていると感じました。



「漫画・アニメの性表現規制を考える」2010.6.11 毎日新聞

東京都青少年健全育成条例改正案は、16日に都議会本会議で否決されたばかりです。
この条例案は、いろんな問題を含んでいます。
解説本も出ているようなので、関心のある方は、是非お読みください。

都青少年健全育成条例改正案:都議会本会議で否決 9月にも再提案
毎日新聞 2010年6月17日 

 東京都議会は16日の定例会本会議で、18歳未満の性的行為を過度に描いた漫画の18歳未満への販売を規制する都青少年健全育成条例改正案を3人差で否決した。与党の自民や公明は賛成したが、民主、共産など野党会派が反対。都側は改正案を練り直し、9月定例会以後に再提案する方針。
 改正案は、18歳未満として描かれた漫画やアニメのキャラクターの性的行為を売り物にした作品を子供に販売しないよう書店などに自主規制を求めるなどの内容。「表現の自由が侵される」として、著名漫画家らが反対表明していた。
 討論で民主は「青少年の育成には総合的な取り組みが必要」と主張。自民は「対案を示さずに否決するのは遺憾」とした。【真野森作】
毎日新聞 2010年6月17日 



ゼロから分かる東京都青少年健全育成条例改正問題 ― 第3回
非実在青少年◆読本を作った理由──徳間・大野編集長に聞く

ASCII.jp - ‎2010年6月18日‎
文● 高橋暁子

 非実在青少年。東京都青少年健全育成条例の改正案に登場した、年齢設定が18歳未満である少年、少女のキャラクターを意味する言葉だ。東京都側はおそらく意図しなかったのだろうが、この単語はキャッチーに過ぎた。その結果、多くの人々がこの条例改正に関心を持つこととなってしまった。

 この「非実在青少年」に焦点を当てたムック本が生まれた。5月31日発売の『非実在青少年◆読本』(徳間書店)である。問題点がよくわかる藤本由香里準教授、山口貴士弁護士へのインタビューのほか、クリエイターたちの考えが伝わってくる吾妻ひでお氏×山本直樹氏×とり・みき氏の座談会、ちばてつや氏のコミックエッセイ、115人のクリエイターから集めたアンケートなど、盛りだくさんの内容となっている。
 そこで今回は、編集を担当した「月刊COMICリュウ」編集長の大野修一氏にご登場いただき、告知からわずか1カ月半ほどでの緊急出版を決断した理由、本書に込めた思いなどを語っていただいた。20年以上も漫画・アニメ・SFの編集者として活躍してきた大野氏は、条例改正案に対してどのような考えをお持ちなのだろうか。

“手塚の末裔”として本にしたかった
 3月15日に藤本由香里準教授が漫画家などを集めて記者発表会を開く数日前、大野氏はこの問題をネットで見かけると、まとめサイトを読みふけった。読んで瞬間的に『本にしたい』と思いついたという。
 自らを「ジャーナリストではなく編集者」だと自認する大野氏は、「この問題をなるべく面白そうな本という形にして、少しでも多くの人に手にとってもらいたい」と考えた。何が起きたとかどんな意見があったかなどの最新情報は、すでにネットに載っている。そうではなく、クリエイターたちの考え方がわかる本にしたいと考えて、今のような形にした。
 「漫画やアニメに係わって生きている“手塚(治虫)の末裔”を集めてこの本を作ることが、やはり“手塚の末裔”のひとりである編集者としての自分の役割と感じた」と大野氏は語る。
 手塚漫画では、キャラクターが成長を夢見て、傷つき、死に、SEXをする。それこそが人生であり重要なことと感じるからこそ、“非実在青少年は性的であるべきではない”という改正案の主張に大野氏は異を唱える。

東京都はすべてのクリエイターとファンを敵に回した
 これまでも表現規制はなかったわけではない。ゲームはゾーニングして販売され、漫画は有害図書指定を受ける。しかし、今回の改正はそれを超えていた。これまではゲームや漫画、アニメなどに対する個別の規制だったのが、創作物全体への規制が行なわれたと感じたのも、本を作った理由のひとつだ。「漫画への規制だけだったらこの本を作らなかったかも」と大野氏。
 ネットを調べていくうち、漫画に係わる人たちだけではなく、多くの分野の人たちが改正に反対しているのを感じた。そこで、漫画・アニメ・ライトノベル・評論家など、なるべく多くのジャンルから人を集めてアンケートを採った。「改正案を作った側はエロ漫画や一部のアニメやゲームなどを個別に叩きたかっただけだろうが、知らないうちにクリエイターやファンすべての地雷を踏んでいたのだと思う」。
 3月末に審議延長が決定した際に企画書を通すと一気に動いた。6月の再審議の前には出そうと、スタッフを集めると通常業務と兼任で作っていった。局長が面白がって「やれやれ」と言ってくれたり、社内の人間が「東京都が質問回答集を出した」と教えてくれたり、興味を持って協力してくれる他部署の編集者も多かった。

クリエイターの内面は不真面目ではない
 「漫画を読んでいないで勉強しなさい」。子どものころ、保護者にそう言われたことがある人は多いだろう。一般の人たちにとって、漫画やアニメは知らず知らずそういう位置づけになっているのではないか。
「普通の人たちにとって大人になっても漫画やアニメやゲームに関わっているクリエイターは『真面目に生きていない人』と思われているから、こういう規制があるのではないか」と大野氏は推測する。
 だからこそ、規制される側の人たちに内面を自分の言葉で語ってもらう必要性を感じた。「アンケートを読めばクリエイターは不真面目でも非常識でもないことがわかるはず」。
 大野氏がつきあいのある漫画家の間でも、改正問題は話題に上ることが多かった。漫画家のとり・みき氏も、「ばかばかしいと思ったら本気なのか」と驚いていたという。「我々からしたらばかばかしいのに、規制側の人たちが本気なのは、両者の価値観の間に大きな溝があるからではないか」と大野氏は考える。
 批評家の東浩紀氏は、一般人にとって大人になっても漫画やアニメやゲームが好きなオタクは違う世界の人種で、だからこそ理解できない、怖い、気持ち悪いと思うのだろうと語っている。気持ち悪いと思われるままにならないためには、気持ち悪いと思われている側からコミュニケーションしなければならないという考え方だ。
・・・・(以下略)・・・・


『非実在青少年◆読本』COMICリュウ編集部・編(徳間書店)発売中/本体800円+税


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児童ポルノ:根絶へネットブロッキング 通信の秘密を侵害しないか
毎日新聞 2010年6月14日 

18歳未満を被写体にした写真や映像などの児童ポルノの根絶を目指し、政府は今月末をめどに、掲載したホームページへのアクセスを遮断する「ブロッキング(閲覧防止措置)」を柱とした総合対策をまとめる。海外だけでなく、国内のサイトも対象とするなど異例の取り組み。憲法が保障する通信の秘密を侵害する恐れがあり、「劇薬」の導入には慎重論も根強い。課題を検証した。【内藤陽、臺宏士】

 ●「民間主体」が重要
 警察庁と連携して悪質画像を検知し、削除要請を行っている違法・有害情報の通報窓口「インターネット・ホットラインセンター」。09年に寄せられた情報は4486件で、前年(1864件)の2・4倍に増えた。国分明男センター長は「ネット上の児童ポルノ画像は、一度出てしまえばコピーされ続けて完全には消すことができず、被害者の心理的負担は相当なもの。ブロッキングは有効な対策の一つだ」と訴える。
 今回の総合対策の目玉となるISP(インターネット接続業者)によるブロッキングの導入は、関係省庁でつくる犯罪対策閣僚会議のワーキンググループが先月まとめた「児童ポルノ排除総合対策案」に盛り込まれた。同対策案は「児童の権利を保護するためには国内外を問わず、画像発見後、速やかに児童ポルノのアドレスリストを作成し、ISPによるブロッキングを講じる必要がある」と明記した。具体的には、「インターネット・ホットラインセンター」などからの情報を基に民間団体がアドレスリストを作成。これに照らしてISPはユーザーからのアクセスを遮断する。
 問題はこの措置が憲法が禁じる「検閲」に相当しないかや、通信の秘密、表現の自由を侵害しないかだ。導入されれば、児童ポルノサイトにアクセスしない場合でも、まずはアクセス先がチェックされてしまうことになる。電気通信事業法を所管する総務省は「公権力がブロッキングに直接関与すれば憲法が禁じる検閲に当たり、また民間のISPであっても憲法が保障する通信の秘密を形式的には侵害することになる」(消費者行政課)と説明する。
 憲法や法の改正を行わず、どのようにして問題は解決されたのか。先月18日、同省の有識者でつくる「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」(ICTサービス研、座長=堀部政男・一橋大名誉教授)は、ブロッキングについて▽削除や検挙など他の方法では保護できない▽手法および運用が正当な表現行為を不当に侵害しない▽児童への権利侵害が著しい--などの場合に限られるという見解をまとめた。総務省は今月1日の政務三役会議で、この見解を踏まえたISPらによるブロッキングの実施を決めた際、「民間の自主性に基づいた取り組みとして行われることが重要だ」とした。

 ●乱用招く恐れも
 通信事業者らでつくる「安心ネットづくり促進協議会」の児童ポルノ対策作業部会は今月8日、現行法制下でもブロッキングが正当化し得るという内容の最終報告書をまとめた。その一方で、「ISPを利用するすべてのユーザーのアクセス先をチェックするほかはなく、この手法自体が重大な権利侵害の危険性を秘めている」と指摘した。同部会主査を務めた森亮二弁護士は「“禁断の手法”が認められるのは、緊急避難的なケースに限られる。例えば、児童ポルノの中でも悪質な内容でサイト管理者との連絡が取りにくい海外サイトのケースなど。国内サイトでは削除の要請を行う手順を踏むことでようやく条件が満たされる。検閲的な機能のあるブロッキングには、国の関与は『官民一体』ということでも認められてはならない」と指摘する。
 また、業界団体「インターネットプロバイダー協会」の野口尚志理事は「子供の人権を守りたいという気持ちはプロバイダーも同じだ。それでもなおブロッキングには慎重でなければいけないのは、乱用を招く恐れが出てくるからだ」と苦悩をにじませる。
 今回のブロッキング導入の背景には、警察庁など取り締まり側の強い意向があるとされる。通信の秘密や表現の自由を制約しかねない強い措置で、既に閲覧防止の措置を導入しているイギリスやノルウェーでは、対象は海外サイトに限定され、国内サイトに関しては警察当局の検挙などで対応している。このため、総務省のICTサービス研の内部には、導入を疑問視する声もある。ある委員は「警察が検挙しても根絶が困難であることが明らかになってから初めて、導入すべきかどうかを検討するのが筋なのではないか」と話す。

 ●報道写真でも遮断?
 ブロッキング導入に伴う派生的な課題として、「過剰遮断」の問題も指摘されている。あるサイトに悪質画像が見つかった際、そのサイト全体が一気に遮断される可能性だ。総務省の担当者は「例えば、真夏日に水浴びする子供の報道写真がブロッキングされてはいけない」と話す。
 さらに、波及懸念がある。インターネット上には、さまざまな情報がはんらんしている。「児童ポルノ根絶」をうたって導入された制度が、「わいせつ性」や「名誉棄損」といった、複雑で議論が分かれる分野への規制強化に利用されるのではないかという懸念は強い。ブロッキングの実施を決めた今月1日の総務省政務三役会議で、内藤正光副総務相は「児童ポルノ以外の違法・有害情報への波及はあってはならない」と明言した。
 一方、電気通信事業法はISPによる通信の秘密の侵害行為には刑事罰(3年以下の懲役または200万円以下の罰金)を定めている。このため、ISPらはユーザーらから刑事告訴や民事賠償を求められるリスクを抱えることになる。ブロッキングによって通信の秘密を侵害されたとしてユーザーが訴えた場合、ISPは電気通信事業法違反の罪に問われることになるのか。法務省は「ブロッキングの導入推進に向け今後、協力できる部分があれば協力していく」(公安課)と述べるにとどめている。
----------------------------------------------------------------------------
「官」による検閲になりかねぬ
山田健太郎氏(専修大学准教授・言語法)

 日本社会全体に安心・安全のためであれば、個人の表現の自由やプライバシーの制限はやむを得ないとする考え方が強まる中で、インターネットら着いても同様にサイトへのアクセスログなどの犯罪捜査への利用は仕方がないとする意識が広がりつつある。しかし、憲法が保障する通信の秘密や表現の自由の優越的な地位を考えると、国家による介入は最も注意しなければならない。そうすると、
いまのブロッキング導入論には▽青少年保護という価値が表現の自由の例外となり得るのか▽名誉棄損やプライバシー侵害はなぜ権利侵害の例外とならないのか--など憲法論に立った議論が、あまりに軽視されていないか。
 ブロッキングは表現の自由や通信の秘密の侵害につながる規制でありながら、
児童ポルノサイトのアドレスリストづくりには警察の影響下にある民間団体がかかわるという。独立性や中立性、信頼性の欠如を示している。「官」による検閲になりかねない。
一方、日本では、犯罪捜査の検挙率や刑事事件の有罪率は極めて高いうえ、性犯罪の発生率は欧米に比べて低い。そもそも表現の自由が規制される場合、明確で厳格な基準が求められる。そのことに照らしても合憲であるとの説得力のある説明もされていない。根本的な議論がないまま、なし崩し的に制限されるのはおかしい。
毎日新聞 2010年6月14日 



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6月20日(日)のつぶやき

2010-06-21 00:42:42 | 花/美しいもの
08:31 from web
●境界を生きる:子どもの性同一性障害/3孤独、偏見/4自分を責め、悩む親/5「自分らしさ」求め行動 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/24e95edeb473644239288c2ff2c84037
14:36 from movatwitter
女性学会二日目。【ポルノ被害に対する法的アプローチを考えるー性暴力禁止法をつくろうの声に応えて】に参加しています。
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境界を生きる:子どもの性同一性障害/3孤独、偏見/4自分を責め、悩む親/5「自分らしさ」求め行動

2010-06-20 08:26:55 | ほん/新聞/ニュース
女性学会、二日目。
軽朝食を食べて、ドーンセンターに出かけます。
ホテルに戻ってくるのはたぶん夜になるので、予約送信しておいた記事を紹介します。

毎日新聞の「境界を生きる:子どもの性同一性障害」の連載は
木曜日まで毎日続いていました。

あまり知られていない「子どもの性同一性障害」に真正面から取り組んで秀逸です。

境界を生きる:子どもの性同一性障害/3 孤独、偏見…「消えたい」

 ◇揺れる思春期 悩み抱え自傷、不登校に
 ただでさえ多感な年ごろだ。性同一性障害(GID)の子どもたちは性別への違和感に加え、学校でいじめや偏見にさらされ、孤独に押しつぶされそうになる。やっと振り返れるようになった若者たちが、苦しかったころを語ってくれた。
 「誰かに助けてほしい。でも自分からは言えなくて。心の痛みを傷の痛みで追い出すしかなかった」。東京都内でアルバイトをする和希さん(19)=仮名=は「これからの子どもたちの役に立つなら」と静かに語り始めた。左手首には線状の傷跡が無数に残っている。
 女の子の体で生まれた自分を男の子と意識し始めたのは、幼稚園のころからという。男子とばかり遊んでいた。小学5年生の時、クラスの女子全員にトイレに引きずり込まれた。「おとこおんな。本当に女なのか証拠を見せな」。下着まではぎ取られた。いじめはしばらく続いた。
 親に勧められるまま、中高一貫の私立女子校に進んだ。「そのうち慣れるだろう」とセーラー服を着て登校したが、つらさは増すばかり。胸が膨らみ、風呂に入るたびに他人の体を洗っているような感覚が襲ってくる。涙がこみあげた。「みんなと違う。おれは変なんだ」。自分が壊れていくようだった。
 未明まで期末テストの勉強をしていた時だった。ペン立てに差していたカッターナイフに目がとまった。刃を左手首に当て、そっと引いた。流れ出た真っ赤な血。何かが軽くなった。
 高校に進むと、小学校時代のいじめの記憶が何度もよみがえり、教室に入れない日が増えていった。「この世から消えてしまいたい」とマンションの10階から飛び降りようとしたが、頭に浮かんだのは警察で死因を調べるため裸にされている自分の姿。「女の体は誰にも見せたくない。死ぬことさえできなかった」という。
 思い切って担任の女性教諭に打ち明けた。「おれ、性同一性障害だと思う。変だと思いますか」
 「おかしくなんかない。ため込んできたことが、いっぱいあるよね。一緒に一つ一つ解決していこう」。初めて聞いた優しい言葉だった。
 このままでは単位不足で進級できないかもしれない。2人は話し合い、まずは体操着で授業に出られるよう学校に働きかけることにした。専門医でGIDとの診断書をもらい、「女子の制服では高校生活への適応は困難」との意見を付けてもらった。だが学校側は対応に迷い、時間ばかりが過ぎた。進級はかなわず、通信制に転校せざるを得なかった。
 和希さんが言った。「高校は友達も先生も大好きだった。できるならみんなと一緒に卒業したかった」。セーラー服を我慢できていたら。もっと早く学校を動かせていたら……。今も自分ばかりを責めるという。
    *
 01年10月から放映されたテレビドラマ「3年B組金八先生」のシリーズ。女優の上戸彩さんが女の子に生まれたことに苦しむGIDの生徒を演じ、大きな反響を呼んだ。この放送で「自分と同じだ」と気付いた子どもは少なくなかった。
 現在は首都圏の大学に通う晶さん(19)=仮名=もそんな一人だ。ドラマを見たのは小学5年生の時。親には言い出せなかった。男らしい体に成長するのを抑えようと1日1食にして給食をほとんど残し、さらしで体を締め付けた。
 和希さん同様、晶さんも一度は「我慢できるかどうかやってみよう」と心を決めた。男子高に進学したが、「男の演技」は半年と持たず、クラスで浮いた存在になってしまった。学ランを着ているのに雰囲気が女性的だからなのか、通学時に電車に乗っていると、好奇の視線を感じ、さらし者にされているようだった。
 そして2年生の秋。体育祭の準備で4階の教室に1人で残っていた時、急に孤独感が襲ってきてパニックになり、ベランダから飛び降りてしまった。命は助かったが、腰椎(ようつい)を骨折。隠してきた悩みを学校側に明かさざるを得なくなった。
 「あの事がなかったら、最後まで『助けて』という信号を出せなかったかもしれない」。その後教諭らは親身に相談に乗ってくれたという。
 大学に入ってからホルモン療法などを受け、自分から打ち明けない限り、もう男性と思われることはなくなった。心のままに生きようとするだけで異質な存在とみられ、孤独になってしまうGID。晶さんはいま、「普通の人でいられる幸せ」をかみしめている。【丹野恒一、五味香織】=つづく

 ◇自殺の危険性高く 「考えた」6割、「未遂」1割
 GIDの当事者を対象にした自殺関連の調査によると、精神的な苦痛は思春期にピークを迎える。
 受診者が多いはりまメンタルクリニック(東京都)で受診者1138人に尋ねたところ、自殺を考えたことがあるという人は62%に上り、自殺未遂経験は10・8%、自傷行為経験は16・1%。
 このうち自殺未遂を起こした年齢が分かった67人を調べると、高校生、中学生、小学生の年ごろの順で多かった。一般的に多い首つりや過量服薬、リストカットだけでなく、体の性別への嫌悪感から胸や睾丸(こうがん)を自分で切ったり、はんだごてを押し当てたというケースもある。
==============
毎日新聞 2010年6月15日 東京朝刊



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境界を生きる:子どもの性同一性障害/4 自分を責め、悩む親

毎日新聞 2010年6月17日 

 ◇我が子と世間の板挟み 覚悟決め、前向きに
 <あなたは仲間がいるけれど、私は誰にも話せない>
 二ノ宮悠生(ゆうき)さん(29)は、母がくれた手紙にあった言葉が忘れられない。届いたのは地方都市から上京し、同じ性同一性障害(GID)の友人が増え始めたころだった。
 女性の体で生まれた自分の心が男性であると打ち明けた時、母は「どうしてもそうだというなら、あなたを殺して私も死ぬ」と苦しんだ。今では当事者グループのスタッフとして活躍する二ノ宮さんだが、ホルモン療法も手術もするつもりはない。これ以上の心配をかけたくないからだ。
 我が子が性別への嫌悪感に苦しんでいると知った時、親も深い悩みを抱え込む。子どもを守りたいがすぐには受け入れられず、周囲の目も怖い。自分を責める日々が始まる。
 首都圏に住む麻沙さん(21)=仮名=の母(64)もそんな一人だ。中学で不登校になった麻沙さんは第2次性徴で低くなった声への嫌悪感で言葉さえ失ったが、専門医の受診を機に7年間の引きこもりから脱出した。我が子がぽつりぽつりと語りだした記憶に、母はショックを受けた。
 「5歳の時に女の子の格好をしたら、お母さんに『体が違うんだからやめてよ』と拒絶された」「男子の制服に耐えられず、ずっと我慢してたけれどやっぱり女だと泣いて訴えても、『また始まった』と相手にしてくれなかった」
 母にはどれも覚えがあった。「私の何気ない言動がそんなにも子どもを苦しめていたなんて」。父(66)は「ずっと仕事優先で、子どもの悩みに正面から向き合ってこなかった」と唇をかんだ。
   *
 鹿児島市内の温水プール。ガラス越しに子どもたちの泳ぎを見ていた直子さん(41)は、小学5年生だったまりあさん(14)が海水パンツ一枚になっているのに気付き、はっとした。一緒に着せていた女児用水着は脱ぎ捨てられていた。
 まりあさんは幼稚園のころからスカートを嫌い、2人の姉と違って女の子向けのアニメにも興味を示さなかった。直子さんは「もしかして」と感じつつも「隠さなければ、ここでは暮らせない」と不安でならなかった。
 中学生になって間もない昨年6月。好きな子ができたというまりあさんが口にしたのは、女の子の名前だった。「セーラー服を着て、自分と同じおっぱいが付いている。気が狂いそう」と訴える我が子と一緒に泣いた。でも「お母さんも女の人を好きになったことがあるんだ」と聞かれると、とっさに「あるわけないじゃない」と返してしまった。
 まりあさんの笑みが消えた。その瞬間、直子さんは我が子が遠くに行ってしまったように感じた。「この子を理解しないと、いつか親子でいられなくなってしまう」
 夫の雄一さん(44)と一緒に、学校にセーラー服から学ランへの変更を願い出た。校長は他の生徒が動揺するのを恐れ、難色を示すばかり。雄一さんが声を荒らげた。「西郷隆盛も大久保利通も、前例がないところで日本を変えた。同じ薩摩なのに、前例がないと何もでけんとか!」
 直子さんはインターネットで他県の中学生が制服を変更したことを知り、学校に伝えた。校長もやっと前向きな姿勢になった。まりあさんは今年2月にGIDの診断が確定し、4月から学ランでの登校が認められた。
 幼なじみの女子は「制服が変わっても、関係は変わらない」と言ってくれる。最近は男子の友達も増えた。
 大人になっても、男性に仲間として認めてもらえるのか。恋愛や結婚はかなうのか。不安は尽きない。
 「この子を独りにはしない」。両親はGIDの子どもや親たちがつながれるよう、グループ作りの準備を始めた。
   *
 学校での性別変更が昨秋認められた埼玉県の児童の母(47)は、報道後の世間の受け止め方を知りたくてインターネット上のコメントを探した。7割は好意的だが、心ない意見も目にとまる。「周りには不快に思う人もいる。親は何を考えているんだ」。心が折れそうになった。
 子どもはいま小学3年生。毎朝スカートをはき、楽しそうに学校に向かう。「どうして女の子に産んであげられなかったのか」と自分を責め続けたが、ようやく思えるようになった。「生きていてくれれば、それでいい」【丹野恒一、五味香織】=つづく

 ◇各地で家族会や交流会
 GIDへの理解を広める団体が徐々に増えてきた。本人、家族が参加し、悩みや体験を共有できる交流会も開かれている。

▽NPO法人「GIDmedia」(http://gidmedia.org/) 東京・高田馬場を拠点に毎月、10~20代を中心にした交流会を開催。
▽「ESTO」(http://akita.cool.ne.jp/esto/) 秋田県に事務局を置く。東京都内と仙台市内で年数回ずつ親子交流会を開催。
▽「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」(http://www.gid.jp/) 全国に支部がある。今年から家族交流会を年3回のペースで開く予定。

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境界を生きる:子どもの性同一性障害/5止 「自分らしさ」求め行動
毎日新聞 2010年6月17日 

 ◇若者ら交流、支え合い 勇気得て告白や街頭へ/strong>
 ゴールデンウイークの昼下がり、東京・高田馬場の小さなバーは10~20代の若者約20人で埋まっていた。性同一性障害(GID)の若者らでつくるNPO法人「GIDmedia」が月に1度開く交流会。「家族に打ち明けられない」「学校で居場所がない」。悩みを語り、分かち合おうと、全国から参加者が集う。
 中心メンバーの一人で、心の性別に合わせて男性として暮らす園田純さん(29)が目配りをしながら各テーブルを回っていた。「周りの人に知ってもらうと楽になれるよ。どうしたい?」。ためらう参加者の背中を押すこともある。
 関東地方の高校2年、歩さん(16)=仮名=は自宅から2時間がかりでやって来た。体は女性だが心は男性。学校では男性用の教職員トイレを使えるよう配慮してもらっているが、同級生には秘密だ。ここではみんなが自分を男性として扱ってくれる。「自然体でいられる」解放感が好きだという。
 前回の交流会では、学校で公表し男子として通学している高校生と知り合った。この日も隣に座り、体験談に耳を傾けた。
 仲間との出会いを機に、歩さんも「身近な人に知ってほしい」という気持ちが強まってきた。学校の友達と並んで歩きながら「今なら言えるかも。何て言えばいいかな」とドキドキする瞬間がある。あともう少しで勇気を出せそうだ。
   *
 東京での交流会の2週間後、大阪市内の公民館でも別の交流会が開かれ、約25人が集まった。性別に違和感を持つ生徒たちが安心していられる場所を作ろうと、関西の教育関係者らが数年前から実施。回を重ね、支えられる側から卒業してサポートする側に回った若者もいる。
 初参加した兵庫県の高校3年、奈緒さん(17)=仮名=は腰のくびれや走ると揺れる胸が嫌で仕方がない。髪を短く切り、女性に見られぬよう心掛けているが、そうすればするほど「胸と顔を見比べて、まるで人間じゃない生き物を見るような視線を感じる」。
 この日はみんなで水ギョーザを作り、食べながら自己紹介が始まった。おくすることなく悩みを語って交流の輪を広げていく同世代の子たちに圧倒されたが、収穫は大きかった。「自分だけちゃうんや」
 同じ日、東京のJR新宿駅前では高校生を含むGIDや同性愛などセクシュアルマイノリティー(性的少数者)の若者約20人がマイクを握り、インターネットで募った当事者や家族、友達からのメッセージを読み上げていた。「ありのままの私たちを見てほしい」「どんな性でも個性でも生きていける社会に」
 東京と大阪で07年に始めた多都市同時開催街頭アクション。4回目の今年は8都市に広がり、延べ約100人が参加した。リーダー役の大学生、遠藤まめたさん(23)は「街頭はいろんな人にメッセージを伝えられる。声を掛けてくれる通行人も増えてきた」と話す。
   *
 偏見や差別を恐れ、親や友達にさえ思いを明かせなかったGIDの若者たちが、ようやく声を上げ始めた。
 「GIDmedia」は今夏、神奈川・逗子海岸に初めて海の家を開設する。人前で裸や薄着になるのは多くの当事者にとって苦痛だが、「隠さず、自由にやりたいことに挑戦しよう」と企画した。
 海の家の名前は「BORDERLESS(ボーダーレス)」。性別の境界にとらわれず、自分らしく堂々と生きていきたい。そんな思いが込められている。【五味香織、丹野恒一】=おわり

==============
 ■ご意見お寄せください
 連載への意見や感想、体験をお待ちしています。〒100-8051(住所不要)毎日新聞生活報道部「境界を生きる」まで。メールは表題を「境界」としkurashi@mainichi.co.jpへ。ファクスは03・3212・5177。



性同一性障害:「打ち明けること大切」--ネクサス高知・永瀬さん /高知毎日新聞 2010年6月9日 地方版

 ◇男性の格好に違和感
 「小学校に入学したころから違和感があった」。県のセクシャルマイノリティーサークル「ネクサス高知」を運営する永瀬まどかさん(仮名)はそう語り過去を振り返る。小学校入学前から赤いランドセルにあこがれた。中学、高校時代はネクタイの着用が嫌で、冬でも半袖シャツを着て過ごした。そうして高校3年の秋、あるホームページで一つの障害に自分が当てはまりそうなことに気付く。「もしかして」と感じたその障害は性同一性障害(GID)。永瀬さんは男性の体を持ちながらも、自分の性に対して違和感を抱えていた。【倉沢仁志】

 GIDは、自分の性に対する違和感▽他の性に同調したいと強く思う心▽それらに伴う精神的・社会的苦痛、などの項目に当てはまることで診断される。
 しかし、三つの項目の内、二つの項目にしか自分は当てはまらない。女性になりたいと強くは思わなかったからだ。「自分が本当にGIDなのか自信が無かった」。そんな気持ちを持ったまま、大学に進学し気付けば2年が過ぎていた。いまだに男性の格好をしたまま学生生活を送る毎日。それに違和感を感じていたが、周囲に打ち明ける勇気もなかった。
 転機となったのは県内のセクシャルマイノリティ自助グループの会合に参加してから。周りが、同性愛やGIDであることを自然に語っているところを見て、気持ちが少し楽になった。「GIDかどうか診断をしてみよう」と心に決めた。高知には充実した受診機関がないため、徳島まで行って受診。帰宅後、家族にGIDであることを告げる。初めはお互いにとまどいや誤解があったものの、家族は無事受け入れてくれた。
 あとは学校でのカミングアウト。どのタイミングで、どのように打ち明けるか、今度はそんな迷いが生じた。同時期に高知大医学部のメンタルヘルスケアクラブ(MHCC)から講演会の依頼を受ける。学生たちがカウンセリングや精神医学を学んでいるクラブだ。「打ち明けるきっかけになれば」と依頼を引き受けた。講演で永瀬さんは自分のことを精いっぱい話し、後のクラスメートへのカミングアウトにつなげていった。
 現在も永瀬さんはトイレや更衣室、免許証での身分証明など、日常生活で自分の性について不便と感じることは多い。選挙に行っても、毎回本人確認を入念にされる。警察からの職務質問では、改名した免許証を見せても「男?女?」と性別を求められる。それでも「私は確かにGID。けどつらくはない。ただ面倒くさいだけ」。そう言って見せた笑顔は穏やかだった。

 ◇驚きと笑い 高知大で講演会も
 MHCCは今年も講演会を実施する。「驚きや笑いもあって面白い」と好評で今年で3回目。永瀬さんは「来場者には『性』について理解をするのではなく、むしろ混乱して帰ってほしい」と意気込む。分からなくなることで、考えることにつながるからだ。
 MHCC代表の西川浩文さん(27)は、「教科書にはない身近な話が聞ける、貴重な機会」と話している。講演は9日午後6時10分から、高知大医学部(南国市岡豊町小蓮)の講義棟1階。入場無料。
毎日新聞 2010年6月9日 地方版



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6月19日(土)のつぶやき

2010-06-20 00:44:40 | 花/美しいもの
10:54 from movatwitter
これから女性学会にでかけます。会場は大阪のドーンセンター。明日の夕方からはWANの総会です。
16:30 from movatwitter
女性学会。休憩が終わって、後半のディスカッション。
by midorinet002 on Twitter
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