みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

ウツギ・マギシェン(紅花梅花空木)が咲いています/3色に色が変わるハコネウツギも。

2015-05-21 21:28:23 | 花/美しいもの
ウツギ・マギシェンが咲きました。
別名、紅花梅花空木とも赤花空木とも言います。

ウツギという名がついていますが、
ウツギというよりあじさいの仲間だそうです。


  ウツギ・マギシェン 〔Deutzia Magicien〕
蕾の時は紅色、開くと白地に濃いピンク色の絞り模様がつく花を、枝先に房状につける。
花の大きさは約2cmほどで、独特の色合いが特徴的。
◇コンテナ、庭植え。
開花時期
【5月 ~ 6月】 初夏の花
別名 (流通名)
ベニバナバイカウツギ〔紅花梅花空木〕
アカハナウツギ 〔赤花空木〕  


栽培種で美しい花です。


  

3色に色が変わるハコネウツギも咲いています。
  
斑入りウツギ
  

八重のサラサウツギやバイカウツギはこれから。
ウツギの仲間の花が好きです。

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矮性タイサクボクの白い大きなつぼみ。
今年は10個くらいついています。
咲くのが楽しみ。
  

エゴノキの花
 

カラタネオガタマ
  
花の中が紅色のカラタネオガタマ・バイオレット
  

ハラの花
  

ソラマメとスナップエンドウ
   
赤玉ねぎと角麩とホタルイカも。
   
季節の味ですね。

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栴檀は双葉より芳し~薄紫のセンダンの花が咲きました。

2015-05-20 16:30:36 | 花/美しいもの
庭に植えたセンダンの花が咲きました。

明るい黄緑の葉に、淡い紫の小花が集まって咲く「センダン・ライム」。



青い空によく映えます。
  


成長が早いので、先に植えた木を追い越しています。

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西の山裾に植えた違う種類のセンダン。

斑入りの葉も、薄紫の小花も、ライムより色が濃くて少し細身です。




冬を越した日本ミツバチの群が大きくなって、
毎日、箱の外にたくさん出てきます。

まだ一度も分蜂してないので、
かなりの大家族になっているのではないかと思います。
そろそろ分蜂するころでしょうか。

日本ミツバチの分蜂の時期は、
越冬したススメバチが活動を始める時期と重なります。

ペットボトルのトラップを、日本蜜蜂の巣箱の周辺に仕掛けたら、
毎日、捕まっています。

この時期のスズメバチは、今年巣作りして卵を産む女王蜂なので、
今のうちに捕まえておけば、秋の数が減ることになります。

ジャーマンアイリス
  
シラン
 
口紅シラン
  

畑のとれたて無農薬いちご。


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「クゥクゥカフェ ノリタケ」のランチセット/橋下氏引退へ―議論なき独走の果て

2015-05-19 12:50:26 | おいしいもの/食について
クウクウカフェノリタケに、女3人でランチを食べに行ってきました。
予約はできるのですが、一日4組までで既にいっぱいのことだったので、
ランチがはじまる11時前に行って名前を書きました。
5組目だったのですが、10分ほどで席に案内されました。

そのあと、順番待ちの人が次月に来店していたので、
早目に行って正解でした。

 スイーツcafé 「coucoucafé NORITAKE」
店内は、白木と白い壁、仕切りはなく明るく広々とした感じです。
お昼は、ランチセットのなかかから選びます。

いろいろ食べたいので3種類違うセットを注文。

最初でてきたコーンスープは共通です。

お値段が高めのAとB野セットは、サラダとキッシュが別皿。


A特製ミートソースと焼き卵の鉄板スパ~ナポリタン風~(1,470円)
昔懐かしい鉄板ナポリタンをcoucou café風にアレンジしました。熱々の鉄板にふわふわの卵、酸味と旨味をバランス良く仕上げたナポリタン上には、特製ミートソースをプラス。肉の旨味がパスタと絡み合う、食べ応えのある一品です。


B ゴロゴロ野菜とチキンのミートドリア(1,470円)
こだわりミートソースを絡めたライスの上に、季節の彩り野菜とジューシーなグリルチキンをゴロゴロとのせました。その上には、特製ホワイトソースと、チーズをたっぷりトッピングした、ボリューム満点の熱々ドリアです。


Dシェフの気まぐれキッシュプレート(1,260円)
この200円安いセットは、ワンプレートです。


とりわけのお皿をもらって、分けっこして食べたのですが、
けっこうなボリューム。
キッシュはケーキ屋さんだけあって、
具だけでなく皮もおいしいです。

さいごは、全部のランチセットにつく、
デザートのケーキと好みのドリンク。


おなか一杯になりました。

新しい「クゥクゥカフェ ノリタケ」のバターカステラとのりたけシュー/「大阪都構想」住民投票始まる(2015-05-17)

わたしだけおいしいお昼ご飯を食べたので、
夕ご飯はつれあいの好きそうな海のもの尽くし。





ちょっと作りすぎましたね(笑)。

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後半は、大阪の住民投票の記事の続き、
今朝の朝日新聞の社説です。

  社説:橋下氏引退へ―議論なき独走の果て
2015年5月19日 朝日新聞

 問題提起の能力は抜群だったが、話し合って解決する姿勢は乏しい。つきつめればそんな政治家だったのではないか。

 悲願の大阪都構想が住民投票で反対多数となり、政界引退を表明した橋下徹大阪市長。「劇場型」「ポピュリズム」といわれた手法は、良くも悪くも日本政治の一端を象徴していた。

 7年余りの軌跡は有権者にとっても教訓になる。これを機に改めて考えたい。

 橋下氏の持ち味は、納税者としての感覚だったと思う。

 知事時代、国の公共事業に自治体が支出を強いられる直轄事業負担金制度に、真っ向から異議を唱えた。おかしいと感じれば一歩も引かない。見直しに導いたこの件はその典型だろう。

 公務員の政治活動に疑問を呈し、労組の事務所を市役所から退去させた。首長がもっと教育行政に関わるべきだとの考えから、文部科学省の批判を押し切り、全国学力調査の結果を府教委に開示させた。

 市民の視点で問題を次々とあぶり出す。事の本質を突く鋭さ、多弁を武器にした突破力は卓越していた。だが、その強さが、異論を顧みずに独走する危うさにもつながった。

 大阪都構想もそうだった。

 議会から多くの批判を浴び、否決されたが、奇策で住民投票に持ち込む。自ら論戦の先頭に立ち、反対派の主張を「デマ」と切り捨てた。

 異論を持つ相手を弁舌で圧倒することは目立ったが、耳を傾け、自説を柔軟に修正することはほとんどなかった。

 17日夜、記者会見で橋下氏は「日本の民主主義をレベルアップしたと思う」と語った。

 だが政治とは、多様な民意を受け止め、衝突を最小限に抑えながら合意点を探る作業だ。問題の「答え」を強引に押しつけ、立ちはだかった人を「既得権益」と攻撃する手法は、民主主義とはほど遠い。

 「選挙で僕を落とせばいい」

 橋下氏はよくそう口にした。

 大阪府知事、大阪市長のダブル選や国政選挙などで勝利するたび、「民意を得た」と勢いづく。ことあるごとに政治決戦に走る姿勢は、丁寧な合意形成をすっ飛ばす「選挙至上主義」といわれても仕方ないだろう。

 有権者も考える必要がある。

 「答え」をあらかじめ示してくれる政治はわかりやすい。だが、一度任せて追従するだけで民主主義は機能しない。

 橋下時代は区切りを迎える。これからは、選ぶ側もともに「答え」を探す。そういう姿勢が求められてこよう。


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「大阪都」否決 議論の重さ忘れるな/橋下政治が否定された/「橋下後」へ具体策を/

2015-05-18 21:06:21 | ほん/新聞/ニュース
昨日は、大阪市で実施された住民投票の結果が出るのを、
ドキドキしながら待っていました。



住民投票の結果は「反対多数」。
有権者は、「大阪市」を残すことを選択し、
「大阪都」を選ばなかった。
僅差とはいえ、懸命な選択。
まずは、ほっとしました。

住民投票の結果は、大阪都が否定されたというより。
橋下徹大阪市長のやり方が否定されたということだと思います。

以下、けさ届いた新聞4紙の社説です。

  社説:「大阪都」否決 議論の重さ忘れるな 
2015年5月18日 中日新聞

 民意は、議論を尽くさぬままの制度改革を認めなかった、ということだろう。大阪市の将来の姿を決める住民投票は、市を廃止して五つの特別区に再編する「大阪都構想」を反対多数で退けた。

 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が掲げた大阪都構想は、市と大阪府が競い合って大規模開発や病院運営などを手掛ける二重行政の解消を狙ったものだった。維新の会は、広域行政を府に一元化することで大きな財政効果が期待できる、と主張してきた。

 府市両議会で野党の自民、民主、公明、共産は都構想反対で足並みをそろえ、「市を廃止しなくても二重行政は解消できる」「財政効果は小さく、サービスの水準も低下する」と主張してきた。

 さて、どちらの主張に理があるのか。市民は難しい選択を迫られたわけである。

 道府県内にありながら道府県並みの権限を持つ政令指定都市をめぐっては、古くから二重行政の問題が指摘されてきた。大阪以外にも、二重行政解消を掲げた構想が各地で浮上してきた。

 大村秀章愛知県知事と河村たかし名古屋市長は、愛知・名古屋の合体をうたう「中京都構想」を二〇一一年の知事・市長ダブル選で共同公約に掲げた。

 横浜市は、逆に、神奈川県から事実上、独立する「特別自治市」構想を唱える。

 新潟では、泉田裕彦知事と篠田昭市長が県・市合併を視野に入れた「新潟州構想」を提唱した。

 その先陣を切って、制度変更の可否を決める住民投票にまで構想を進めたのは、ひとえに橋下氏の豪腕による。

 商都と呼ばれた大阪の地盤沈下は指摘されて久しい。沈滞する大都市に、持続可能な将来像をいかに描くのか。その論点は地方自治の最重要課題であり、改革の具体的道筋を示した橋下氏の問題提起には大きな意味があろう。

 しかし、議会では、異論に耳を傾けぬ市長と野党四党との間で議論が深まることはなく、法定協議会では最終的に大阪維新の会だけで協定書を決定。住民投票実施が決まったのも、政党間の駆け引きの結果でしかない。

 議会を軽視して強引に住民投票に持ち込み、「納税者をナメた役所や議会をつぶす」「既得権益を全部壊す」などとあおって主張を押し通そうとした手法は、あまりにも危うい。

 議論尽くさぬ改革は認めず。それが、示された民意であろう。


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 社説:「大阪都構想」実現せず 橋下政治が否定された
毎日新聞 2015年05月18日 
 橋下徹市長にとって都構想は政治活動の原動力だった。その政策目標を住民に否定された責任は重い。橋下氏は否決を受けた記者会見で12月の任期満了をもって政界を引退する意向を示したが、最高顧問を務める維新の党のあり方も問い直される。

 ◇説得力を欠いた将来像
 東京一極集中が進み、本社を首都圏に移す企業が相次いだ大阪は経済の地盤沈下で閉塞(へいそく)感が強まった。その原因を府・市が連携せずにバラバラの都市戦略で無駄な開発行政を続けたことにあるとして、橋下氏が府知事時代の2010年に提唱したのが都構想だ。

 府が都市計画などの広域行政を担って大阪全体の成長戦略の司令塔となり国際競争力のある都市に再生する。大阪市を解体して府・市の二重行政を解消し、新設する特別区が教育・福祉など身近な行政を担当する。橋下氏は東京都型の仕組みを改革の起爆剤と位置づけた。

 大阪市は労使の癒着が明るみに出て市民の不信が募っており、橋下氏の主張に一定の支持があった。それなのに住民投票で構想が否定された要因は、橋下氏の説得力不足と強引な手法への批判に尽きよう。

 地方分権を重視し、独自の発想で地域再生を目指すのが都構想の原点だったはずだ。だが、どんなまちをつくるのかという大阪の将来像を巡る議論は置き去りにされ、自治体の枠組みを巡る協議が先行した。

 再編効果額があいまいだったのも住民の戸惑いを深めた。府・市の試算では17年間に約2700億円とされたが、大阪市を残しても実現できる市営地下鉄民営化などが含まれ、反対派から「まやかしだ」と批判を浴びた。多額の経費を使い、政令市を解体してまで得られるメリットが市民に理解されたとは言い難い。

 そもそも住民投票に至る手続きに見過ごせない問題がある。橋下氏は労組や議会などを既得権益勢力と決めつけて攻撃する手法で改革をアピールした。だが、議会を軽視する態度が市議会野党との亀裂を深め、都構想の制度設計案は維新のみで独善的にまとめられた。

 さらに不可解だったのは、制度設計案が府・市議会でいったん否決されながら、公明党の方針転換によってほぼ同じ案が承認されたことだ。議会で十分な議論が尽くされないまま住民投票に持ち込んだことが、乱暴すぎるという批判を招いたのは間違いない。

大阪は高齢化が急速に進み、貧困、治安、教育など多くの課題に直面している。都構想が一定の注目を浴びたのも、住民が大阪の将来に対して抱く危機感が強いためだ。府・市議会の与野党は対立を強めたが、結果が出た今、歩み寄って現状を打開する知恵を出し合うべきだ。京都、神戸との広域連携や首都機能の移転など、視野を広げて関西全体の活性化策も多角的に探りたい。

 国政選挙や地方選挙の投票率が低下傾向にある中、投票率は65%を超えた。自分の住む自治体のあり方を考えることに住民の関心が高いことを示した。

 ◇集中是正の議論続けよ
 大都市制度を巡っては、道府県と政令市との二重行政、大規模な政令市でのきめ細かい住民行政の難しさ、政令市の権限拡大に伴う道府県の役割の空洞化など、多くの問題が積み残されている。東京集中の是正とともに地域の実情に応じた都市制度の議論を急がねばなるまい。

 橋下氏は首長の地位にありながら新党を率いて中央政界に進出し、野党第2党の維新の党最高顧問と地域政党・大阪維新の会代表を務める。橋下氏が政界引退を表明した以上、大阪維新の会は党の存在理由を再定義する必要があろう。

 維新の党は安倍政権との対決に基軸を置く江田憲司代表らと、改憲論議に積極的で安倍晋三首相や菅義偉官房長官と近い橋下氏らとの間に温度差がある。菅氏らが橋下氏にエールを送ったのは、安全保障法制や改憲問題での維新の党との連携を念頭に置いたためだろう。しかし橋下氏が政界を去れば、一部野党を巻き込む形で政権運営をより強化し、憲法改正につなげたい首相官邸の戦略にブレーキがかかる可能性がある。

 野党再編の動向にも影響する。維新の党の存在感が低下することで、来夏の参院選に向けた野党間の選挙協力は民主党主導が強まることが予想される。性急な再編論議と一線を画する意見が強まるとみられる。

 橋下氏の主張が少なからぬ国民の共感を呼んだのは、しがらみのない構造改革で既成政党と対決する期待感からだった。だが、石原慎太郎元東京都知事らとの合流などを経て、いわゆる「第三極」勢は迷走を続け存在感は埋没気味だ。

 野党がしっかりしなければ、自民党1強状態での国会は健全に機能しない。腰を据えて安倍内閣との対立軸を構築する努力を野党側に改めて求めたい。

 大阪市民による「橋下政治」の否定である。大阪市を廃止し五つの特別区に分割する「大阪都構想」は、賛否を問う大阪市民による住民投票で反対多数となり否決された。結果には法的拘束力があり、政令市として大阪市は存続する。



  社説:大阪都否決―「橋下後」へ具体策を
2015年5月18日(月)付 朝日新聞

 自治のあり方を問う前代未聞の住民投票で、市民は変革ではなく市の存続を選んだ。

 大阪市を5特別区に分割する協定書への反対が、賛成を上回った。橋下徹市長が提唱した大阪都構想は成就しなかった。

 橋下氏は昨夜、敗北を認め、任期満了で政界を引退する意思を表明した。結果は市を二分する大激戦だった。残る任期で橋下氏は、対立ではなく反対各派との融和に努めるべきだ。

 大阪低迷の最大の原因は府と市の二重行政にあるのだから、役所を一からつくり直し、大阪が抱える問題を根本的に解決しよう。橋下氏のこの問題意識は理解できる。だが、その先にどんな具体的なメリットがあるかが、説得力をもって受け止められなかったのではないか。

 都構想実現後の成長戦略として橋下氏が挙げたのは高速道路や鉄道の整備、大型カジノの誘致だった。一方、反対派は市民の税金が府にとられ、行政サービスが低下すると指摘した。

 反対派の主張の根拠にもあいまいな点はあった。それでも、今の暮らしに影響するのは困るという漠然とした不安感が、期待にまさったように思う。

 「橋下流」の強引なやり方が、投票行動に影響を与えたことも否定できない。

 都構想の骨格となる協定書は、大阪維新の会がほとんど単独でまとめた。府・市議会は昨秋、いったん否決した。しかし維新は水面下で公明党の協力を得て住民投票に持ち込んだ。昨年の衆院選で公明候補が立つ選挙区に、維新が対立候補を擁立しなかったことが背景にある。

 こうした経緯は「裏取引」との批判を招き、正当性への疑問を広げた。

 橋下氏が政治家としてけじめをつける姿勢は理解できる。一方、急速な少子高齢化や全国一多い生活保護受給者、11兆円を超す府と市の借金など、大阪が待ったなしの課題を抱える現状は変わらない。

 むしろ都構想の否決で、処方箋(せん)は白紙に戻ったともいえる。

 これからは反対派が具体策を問われる。自民、民主、公明、共産の各党が説得力ある対案を示していたとはいいがたい。維新を含め、党派を超えて知恵を結集すべきだ。長年の対立のエネルギーを、大阪再生へ向けた熱意に転換してほしい。

 人口減少時代を迎え、基礎自治体の規模はどれくらいがいいか。都道府県との役割分担はどうあるべきか。大阪の論戦で浮かんだ数々の課題は全国の多くの都市に共通する。各地で答えを探る営みが広がればいい。 


 「大阪都」反対 住民投票で破綻した橋下戦略
2015年05月18日 読売新聞

大胆な改革に対する市民の将来不安を払拭できなかった。橋下徹大阪市長の政治生命に直結する結果となった。

 地域政党・大阪維新の会代表の橋下氏が推進してきた「大阪都」構想の賛否を問う住民投票は、反対が僅差で賛成を上回った。投票率は66・83%に上り、市民の関心の高さを示した。

 これに伴い、政令指定都市の大阪市を廃止して5特別区に分割し、広域行政を大阪府に移管する制度案は廃案となり、大阪市が存続することが決まった。

 橋下氏は記者会見で、「都構想を説明し切れなかった私自身の力不足」と敗戦の弁を語った。

 橋下氏らは、「府と市の二重行政の無駄を省き、生み出した金で豊かな大阪を作る」と強調した。行政改革分を含め、財政効果は年155億円に上るとも訴えた。

 都構想に反対する自民、公明両党などは、財政効果は年1億円にすぎないと反論した。「大阪市を分割すると、住民サービスが低下する」とも主張した。

 読売新聞の世論調査では、2011年以降、賛成が多数だったが、先月27日の告示前には賛否が拮抗きっこうし、告示後は反対の方が多くなった。財政効果が不透明な中、身近な行政サービス低下への懸念を感じる人が増えたためだろう。

 橋下氏は、維新だけで制度案を作成し、市議会の十分な議論がないまま住民投票に持ち込んだ。この強引な手法も批判を招いた。

 大阪市は、企業の本社機能の流出が続き、「商都」としての地盤沈下が指摘されて久しい。生活保護受給者の割合も格段に高い。

 今後も、大阪市の活性化に向けた議論は継続する必要がある。

 道府県と政令市の二重行政は、大阪だけの問題ではない。

 昨年の地方自治法改正で、16年度から知事と政令市長の「調整会議」の設置が義務づけられる。人口減時代に道府県と政令市がどう連携するか、議論を深めたい。

 維新の党にとって、都構想の頓挫は大きな打撃である。最高顧問の橋下氏は、12月の市長任期満了後の政界引退を改めて表明した。江田代表も辞任する意向を明らかにした。党全体の影響力の低下は免れまい。

 安倍政権との関係にも変化が生じよう。橋下氏は、安全保障政策や憲法改正で首相と考えが近く、政権との協力を重視してきた。

 維新の党が今後、どんな路線を取るにせよ、「責任野党」として建設的な政策論争を政権に仕掛ける姿勢を忘れるべきではない。 


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新しく「クゥクゥカフェ ノリタケ」のバターカステラとのりたけシュー/「大阪都構想」住民投票始まる

2015-05-17 10:49:13 | おいしいもの/食について
4月の連休前に、フランボワーズのあたらしいお店が、
長良に開店したというニュースを見て、
一度行ってみたいと思っていました。

調べてみたら、前の二点のようなケーキ屋さんではなく、
フランボワーズの小竹シェフプロデュースの
FCスイーツカフェのようです。

 coucou cafe(クゥクゥカフェ)NORITAKE
公式ホームページ

岐阜県岐阜市則武東3丁目11番7号
058-233-5777
営業時間 9:00~19:00(OS18:30)
    モーニング 9:00~11:00
    ランチ 11:00~14:00
定休日 不定休 


お店はマーサの南東ですが、広い通りに面していなくて、
地図だけでは場所がわかりにくそうだったので、
下見をかねてお店を訪問。
予想通り駐車場は満車、お店は女性たちでいっぱいでした(笑)。

見てくるだけのつもりでしたが、ケーキも売っていたので、
このお店オリジナルの、のりたけシューとバターカステラを購入。


帰ってすぐにのりたけシュー(180円)を味見しました。

皮の上がわわさくっとしたビスケット生地みたいな感じ。

クリームは、ふわふわのカスタードがたっぷり入って、
甘すぎなくてやさしい味です。

バターカステラは冷蔵庫で数日保存できるので、
翌日に食べることにしました。


では、これから試食。
冷蔵庫から出したばかりでは、かたいカステラの感じ。

電子レンジの弱で20~30秒。
バーターがほどよく溶けて、ふんわり柔らかくなりました。

食べ方の説明通り、
少し温かいくらいで食べるのが、おいしいです。
食べ過ぎになるので、まどかさんちに半分あげました。

お店には、来週、姉たちとランチに行くことにしましょう。

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今日5月17日は、いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票の日。
正確には「大阪市を廃止して5つの特別区を設ける」ことに賛成か反対かを問うものです。
すでに投票が始まっているようです。
事前のマスコミ等の調査では、「反対」の方が多いということです。

特別区って、独立した自治体としてはハンパ、
行政としても市民自治の観点からも問題が多いことは、
東京都で明らかになっています。
「民意を問う」と言いながら、権力者が上から強引に変えようとする構図は、
本来の自治とはまったく逆のものです。

  「大阪都構想」住民投票始まる
5月17日 NHK
 
今の大阪市を廃止して5つの特別区を設ける、いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票は、17日、投票日を迎え、午前7時から投票が始まりました。

いわゆる「大阪都構想」は、再来年、平成29年4月に、今の大阪市を廃止して、現在24ある区に代わり5つの特別区を設置しようというものです。
17日投票が行われる住民投票は、大阪市の有権者およそ211万人を対象に「大阪都構想」についての賛否を問うもので、先月27日の告示以降、「賛成」「反対」を訴える双方の立場で激しい運動が繰り広げられてきました。投票は、投票用紙に「賛成」か「反対」かのいずれかを記入する方法で行われ、市内365か所の投票所で午前7時から始まりました。
投票率にかかわらず、結果は法的拘束力を持ち、賛成が反対を上回れば、今の大阪市の廃止と特別区の設置が決まりますが、名称を「大阪都」に変更するには、さらに法改正などが必要となります。
一方、反対が賛成を上回るか同数ならば、大阪市がそのまま存続することになり、今回の住民投票で、5年にわたり行われてきた「大阪都構想」を巡る議論は大きな節目を迎えます。
議員などを選ぶ通常の選挙とは異なり、「賛成」や「反対」を呼びかける運動は投票日の17日も可能で、投票が締め切られる午後8時まで双方の運動が続く見通しです。


 「大阪都構想」問う住民投票、17日に投開票
2015年05月16日 読売新聞

大阪市を廃止して五つの特別区を設ける「大阪都構想」の賛否を問う市民対象の住民投票は17日に実施され、即日開票される。

 結果には法的拘束力があり、賛成が反対を1票でも上回れば、2017年4月に大阪市は廃止され、5特別区に移行することが決まる。賛否同数か反対多数なら、大阪市は存続し、都構想の制度案は廃案になる。有権者は約211万人で、住民投票では過去最大規模となる。

 都構想の制度案によると、新たに設置される人口34万~69万人の5特別区には、公選制の区長、区議会を置き、福祉、教育などの住民サービスを受け持たせる。これまで大阪府・市双方が担ってきた成長戦略や産業政策は、府に一元化する。

 今回の住民投票は12年に成立した大都市地域特別区設置法に基づいて実施され、先月27日に告示された。

 都構想を最大の政治目標に掲げる大阪維新の会の橋下徹代表(大阪市長)は16日夜の演説で「役所の仕組みを変え、税金の無駄遣いをやめる。東の東京都、西の大阪都で日本を引っ張る。僕は市民の皆さんが動いてくれると信じている」と呼びかけた。


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日本復帰43年 圧政はね返す正念場 将来世代に責任果たそう/沖縄を孤立させぬ覚悟

2015-05-16 20:17:25 | ほん/新聞/ニュース
5月15日は、沖縄が日本に復帰して43年目。

43年たっても米軍基地は沖縄に居座っている。
沖縄への差別はなくならないどころか、
安倍政権は、沖縄の人たちの意思を踏みにじって、、
辺野古移設が「唯一の解決策」と強弁し続けている。

昨日の琉球新報の社説は、安倍政権への怒りに満ちた告発。
読んで、こころを揺さぶられた。

沖縄のことを忘れないために、新聞各紙の社説を
きょうのブログにアップしておきたい。

  <社説>日本復帰43年 圧政はね返す正念場 将来世代に責任果たそう  
2015年5月15日 琉球新報

 沖縄が日本に復帰してきょう15日で43年を迎えた。
 県民総所得に占める基地関連収入の割合は復帰時の1972年度に15・5%だったが、2012年度には5・4%に縮小した。基地経済から完全に脱却し、県民生活も豊かになった。
 だが、米軍基地が県民生活を圧迫し、さらなる発展を阻害する状況は続いている。その改善は国の務めだが、安倍政権はさまざまな分野の阻害要因となる新基地の押し付けを進めている。
 将来も米軍基地を県内に残すのか。沖縄にとって今が正念場である。国の圧政をはね返すことで「真の復帰」を実現したい。

政治は国民のもの
 沖縄戦では本土の捨て石にされ、米軍支配下では人権を踏みにじられ、復帰後も基地の重圧に苦しめられてきた。70年にわたってそのような状況に置かれ続けた県が沖縄以外にあるだろうか。
 復帰運動の先頭に立った屋良朝苗主席の「復帰措置に関する建議書」前文にはこうある。
 「沖縄は余りにも、国家権力や基地権力の犠牲となり、手段となって利用され過ぎました。復帰という一大転換期に当たって、このような地位からも、沖縄は脱却していかねばなりません」
 県民が復帰に求めたことは国に手段として利用されることを拒否し、基地の抑圧から解放され、人権が完全に保障されることだった。
 現状はどうか。国は日米安保を重視する手段として沖縄を相変わらず利用し、県民は基地の重圧にあえいでいる。新基地建設は今後も沖縄を利用し続けるとの宣言にほかならない。
 復帰から43年たっても「建議書」の要求事項が実現されない状況は異常である。その状況をさらに悪化させる新基地建設は安倍政権の沖縄への圧政の表れであり、許すことはできない。
 自民党の立党宣言は「政治は国民のもの」と明記する。それが正しい政治の在り方だ。だが自民党総裁である安倍晋三首相の沖縄への政治姿勢はこれに反する。
 昨年の名護市長選、名護市議選、県知事選、衆院選沖縄選挙区では米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設反対の圧倒的民意が示された。「政治は国民のもの」である以上、民意を尊重すべきだ。
 立党50年宣言には「我々は国民の負託に応え、情理を尽くして幾多の問題を克服」したとある。1996年以降、自民党が沖縄に押し付ける新基地建設のどこに人情と道理があるというのだろうか。「情理」を尽くすならば、新基地建設計画は葬るべきである。

新基地建設断念を
 安倍政権の圧政はその不条理さゆえに県内の各界、各層をまとめる結果になった。自己決定権の回復を求める大きなうねりは、安倍政権の強権的な姿勢にあらがう時代の息吹といえる。
 「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」には経済界も加わるなど、新基地建設に反対する運動はかつてない広がりを見せている。
 全国、海外からも沖縄の民意に呼応する支援が広がり、県民を勇気づけている。
 基地問題を通して沖縄から民主主義の在り方を国民に問い、実現を目指す契機にもなっている。
 新基地建設を強行する国に対し、愛知県岩倉市議会と長野県白馬村議会は3月議会で「中央と地方との対等をうたう地方自治の侵害にもなりかねない」とする請願・陳情を採択した。「沖縄だけの問題ではない」との意識の表れである。
 安倍政権は新基地建設を断念すべきだが、辺野古移設が「唯一の解決策」と強弁し続けている。思考停止に陥った安倍政権に沖縄の将来を委ねてはならない。
 県民は復帰に穏やかな暮らしと平和を求めた。それを実現することは、今を生きる県民の将来世代に対する責任である。


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  社説:復帰の日―沖縄を孤立させぬ覚悟
2015年5月16日(土)付 朝日新聞

沖縄が日本に復帰して、きのうで43年。今年ほど沖縄と政府の関係が緊張するなかで迎えた「復帰の日」はないだろう。

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設準備を、多くの県民の反対を顧みず、政府が推し進めている。

 戦後70年間、基地負担にあえぎながらも日本の安全保障を支えてきた沖縄の訴えに耳を傾けるべきで、国民は沖縄を孤立させてはならない。

 昨年12月に翁長雄志氏が知事に就任して以来、会うことを拒んできた菅義偉官房長官、安倍晋三首相、中谷元防衛相の政府首脳3人との会談が、ようやく4月、5月に実現した。その機会に翁長氏が発した言葉が、沖縄の強い意思を明確に示した。

 復帰前の米軍統治下、基地建設のために「銃剣とブルドーザー」で土地を強制収用されたこと。自治権拡大を「神話」と言い放ったキャラウェイ高等弁務官のこと。軍用地の一括買い上げを狙ったプライス勧告のこと。翁長氏は県民にわだかまる記憶を次々とすくい上げ、現政権と二重写しにしてみせた。

 翁長氏の発言は、昨年の名護市長選、県知事選、総選挙と繰り返し示された辺野古移設反対の民意が無視され続けていることへの怒り、そして今の沖縄の政府に向けた行動が米軍政下の自治権獲得闘争と同質であるとの見解の表明である。

 中谷防衛相との会談では、翁長氏が那覇市長時代の2年前、自民党の参院議員から「本土が(基地受け入れを)嫌だと言っているのだから、沖縄が受けるのは当たり前だ。不毛な議論はやめよう」という言葉を投げかけられた経験を明かし、本土側の意識を痛烈に批判した。

 一連の会談をきっかけに、国内世論が次第に沖縄に共感を示し始めたことは注目される。朝日新聞など多くの報道機関の世論調査でも、政府の姿勢を評価しないとする声が増えた。

 移設阻止を訴えるために県議や地元経済界が設立した「辺野古基金」の共同代表に映画監督の宮崎駿氏らが就くなど、問題への関心が高まっている。

 翁長知事は今後、米政府をはじめ国際世論にも広く働きかける戦略を描く。

 復帰後も、「本土並み」という願いは踏みにじられてきた。

 「沖縄が再び国の手段として犠牲になってはならない」。琉球政府主席で復帰直後の沖縄県知事、屋良朝苗(やらちょうびょう)氏はこう訴えたという。今またわれわれは沖縄を犠牲にしようとしていないか。本土の国民は改めてこの問いを受け止める必要がある。 


  社説:沖縄の自治は神話か 復帰43年に考える 
2015年5月16日 中日新聞

 沖縄県民の多くが反対しているにもかかわらず、政府は新しい米軍基地を造ろうとしている。沖縄の自治、自己決定権は「神話」にすぎないのか。

 四月五日、那覇市のホテル・ANAクラウンプラザ沖縄ハーバービュー。翁長雄志県知事は記者団が見守る中、沖縄を訪れた菅義偉官房長官に、こう述べた。

 「官房長官の『粛々と』という言葉がしょっちゅう出ると、キャラウェイ高等弁務官の姿が思い出され、重なり合う感じがする。私たちの(戦後の)この七十年間は何だったのかなと率直に思う」

琉球政府の上に君臨
 宜野湾市の米軍普天間飛行場返還のため名護市辺野古に新しい米軍基地を造る「県内移設」に理解を求めようと沖縄を訪問した菅氏と、県内移設阻止を掲げて初当選した翁長氏。翁長氏がキャラウェイ氏の名前を引用したのは、強烈な反撃でもあった。


 ポール・キャラウェイ。米陸軍軍人で、一九六一年から六四年まで琉球政府の上に君臨した高等弁務官だ。

 高等弁務官は現地軍司令官の軍事権限に加え、行政、司法、立法の三権を有する琉球列島統治の最高責任者。中でも強権的として県民の記憶に残るのがキャラウェイ氏で、政治手法は「キャラウェイ旋風」とも呼ばれた。

 それを象徴するのが六三年三月の演説だ。キャラウェイ氏は「現在の時点では自治は神話であり、存在しない」と、当時、高まりつつあった沖縄自身による自治権の拡大要求を拒絶したのだ。

 翁長氏は、自身をはじめ、多くの沖縄県民の反対に耳を傾けようとせず、辺野古への「県内移設」に向けた作業を「粛々と」進める菅氏を、キャラウェイ氏の強権ぶりと重ね合わせたのだった。

首脳には届かぬ思い
 この演説があったのが米将校クラブ「ハーバービュークラブ」。翁長、菅両氏が会談したホテルはクラブの跡地に立つ。

 翁長氏がこの地で、キャラウェイ氏の名を挙げて日本政府の基地押し付けに抵抗したのも、こうした歴史と無縁ではあるまい。

 菅氏に続いて、翁長氏との会談を拒んでいた安倍晋三首相も首相官邸で、会談に応じた。

 翁長氏は「知事選、衆院選で辺野古移設反対の圧倒的民意が示された」「私は絶対に辺野古に新基地は造らせない」と、沖縄の「島ぐるみ」の反対を、オバマ米大統領にも伝えるよう要請した。

 首相は、翁長氏が反対している事実はオバマ氏に伝えたが、同時に「辺野古移設が唯一の解決策」との立場は揺るがないとも強調、両首脳は県内移設推進の方針に変わりないことを確認した。

 翁長氏の思いは結局、日米両首脳に届かなかった。首相の言動は予想されていたとはいえ、翁長氏には裏切りにほかならない。

 沖縄の施政権は四十三年前のきのう五月十五日、米国から日本に返還された。本土への復帰だ。

 六十万県民の四分の一がなくなった苛烈な沖縄戦、日本の独立回復後も続いた米軍による過酷な統治。米軍はこの間「銃剣とブルドーザー」で民有地を強制収用し、米軍基地を拡張していった。

 本土への復帰は、人権無視の米軍統治から、基本的人権の尊重や戦争放棄をうたった日本国憲法への復帰のはずだった。

 しかし、在日米軍基地の約74%は今も沖縄県に集中し、県民に過重な負担を強いる。訓練に伴う事故や騒音、米兵の事故や犯罪、憲法よりも、米兵らの法的特権を認めた日米地位協定が優先される現実、そして何より、米軍の戦争に加担する精神的重圧。

 世界一危険な普天間飛行場閉鎖のためとはいえ、同じ県内での基地「たらい回し」では、抜本的な基地負担軽減にはならない。だからこその国外・県外移設なのだ。

 県内移設阻止を掲げる県知事が誕生し、県内容認の自民党候補が県内四小選挙区のすべてで敗北しても、日本政府は県民の選択を無視し、聞き入れようとしない。

 沖縄に自分たちのことを決める自己決定権、憲法で認められた地方自治は存在しないのか。

基金に県外から連帯
 沖縄では辺野古移設阻止を目的とする「辺野古基金」が十三日、発足した。アニメ映画監督の宮崎駿、ジャーナリストの鳥越俊太郎両氏も共同代表に就き、これまでに集まった寄付件数のうち七割が県外からだという。

 過重な基地負担を強いられ、法の下の平等や基本的人権の尊重など憲法の理念が実現されていない沖縄の状況に、県外に住む私たちが、同じ日本国民として関心を寄せつつある証しだろう

 沖縄の状況を改善することが、日本全体をよくする力になる。そう信じて、本土から連帯のメッセージを送り続けたい。 


『沖縄うりずんの雨(戦後70年、沖縄は問いかける)』公式サイト

 沖縄の叫び聞け 米国人監督がドキュメンタリー映画 
2015年5月16日 東京新聞

 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)への移設問題で沖縄が揺れる中、米国人の映画監督が、沖縄県の近現代をテーマにした長編ドキュメンタリー映画を製作した。戦争を体験した沖縄の人たちに加え、基地に勤務経験のある元米兵計20人に話を聞き、米国人の視点を盛り込んだのが特色だ。沖縄県の本土復帰から15日で43年。「基地問題には、日本政府が取ってきた沖縄への差別的扱いが投影している。沖縄県民の静かな叫びを聞いてほしい」と話している。 (編集委員・五味洋治)

 この映画は「沖縄 うりずんの雨」。うりずんは、沖縄の言葉で、三~五月ごろを指す。沖縄の人たちはこの時季に、米軍との間で行われた一九四五年の沖縄地上戦を思い出すという。

 監督したジャン・ユンカーマンさん(62)は、米・ミルウォーキー生まれ。二〇〇五年には日本国憲法をテーマに製作した映画が公開されている。

 高校時代に日本に留学。大学を卒業した一九七五年、沖縄に半年間暮らした経験などを通じ、「米国人は沖縄のことを知らない。実態を伝えたい」と考えていた。

 今回の映画の準備に入ったのは二〇一一年。十二歳の女子小学生への集団暴行事件(一九九五年)を起こした元海兵隊員の一人に粘り強い折衝の末、証言を引き出した。

 映画の中で、元海兵隊員は事件の夜を「友人が『犯罪を犯そう』という話を始めた。それからすべてが起きた。一巻の終わりだった」と淡々と振り返った。

 沖縄地上戦の記録映像などを挟みながら、幾人ものインタビューが続く。

 ベトナム戦争のさなかにあった六九年に沖縄に配属された元米陸軍憲兵隊員は「沖縄ではレイプはいつも起きていて、大したことだとはされていなかった。捜査もほとんどされていなかった」と証言した。

 ユンカーマンさんとともに沖縄地上戦の跡を歩いた地元の僧侶、知花(ちばな)昌一さんは「米国の屈辱的な支配から逃れるためには日本に復帰するしかないと思った。しかし、復帰後も基地は残ることになり『こんな復帰だったのか』と失望した」と話した。

 映画は六月二十日から岩波ホール(東京都千代田区)をはじめ、全国で公開される。英語字幕を付け、米国での公開も準備中だ。

 公開を前に、ユンカーマンさんは「日本政府は沖縄の負担を軽減するというが、現実は全く違う」と力を込める。「沖縄は『米国の戦利品』扱いであり、沖縄を安全保障政策のための捨て石にする日本政府の姿勢も変わっていない。沖縄の人たちは、もう我慢できないと声を上げ始めている」


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専守防衛の原点に返れ 安保法制閣議決定/【緊急抗議声明】 自治体議員立憲ネットワーク

2015-05-15 21:05:00 | ほん/新聞/ニュース
とうとう安全保障法制が閣議決定されてしまいました。

「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」はどれも憲法違反。
このような法律を国が憲法を踏みにじってつくることなと許されない、と
怒り心頭に発する思いです。

やりきれない思いでいたら、今朝の中日新聞の社説に
法案を提出する政府が憲法や条約をないがしろにする態度では、いくら審議時間を費やしても、法律に正統性は生まれまい。
との言葉を見つけ、強く共感しました。。

既成事実のようにおしすすめる安倍内閣の強引なやり方に、
地方議会からも反対の意見書が提出され、
市民団体も抗議行動をおこしている。

反対する人たちの意見を聞く耳を持たない安倍政権だけど、
あきらめずに、「反対」の声をあげつづけることが
いま、わたしたちにできることだと思う。

  社説:専守防衛の原点に返れ 安保法制閣議決定  
2015年5月15日 中日新聞

 安全保障法制が閣議決定された。海外での武力の行使に道を開く危うい法案だ。戦後貫いてきた「専守防衛」の原点に、いま一度返るべきではないか。

 安倍内閣がきのう閣議決定したのは、集団的自衛権を行使できるようにするための自衛隊法改正案など、十の改正法案を束ねた「平和安全法制整備法案」と、自衛隊の海外派遣を随時可能とする新法「国際平和支援法案」だ。

 これまで「安全保障法制」と呼んでいたものを、二つの法案を合わせて「平和安全法制」と言い換えたのも、「戦争法案」との批判を和らげる意図があるのだろう。

平和安全法制の欺瞞
 それは欺瞞(ぎまん)である。呼び方をいかに変えようとも、法案が持つ本質は変わりようがない。

 その本質は、自衛隊の活動内容や範囲が大幅に広げられ、戦闘に巻き込まれて犠牲を出したり、海外で武力の行使をする可能性が飛躍的に高くなる、ということだ。

 こうした自衛隊活動に、憲法の揺るぎない裏付けと国民の大多数の理解と納得があるのならまだしも、海外での武力の行使は、自民党を含む歴代政権が憲法違反として認めてこなかったものである。

 国会で積み重ねられた議論を無視して一内閣の判断で憲法解釈を変え、自衛隊を地球上のどこにでも派遣して武力の行使を認めることを、憲法破壊の暴挙と言わず何と言う。

 思い起こしてほしい。なぜ戦後の日本が戦争放棄の「平和憲法」をつくり、それを守り抜いてきたのか。思い起こしてほしい。なぜ戦後の日本が「専守防衛」に徹してきたのか。

 それは誤った政策判断により戦争に突入し、日本人だけで約三百十万人という犠牲を出した、先の大戦に対する痛切な反省からにほかならない。

憲法、条約の枠超える
 専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならない「平和国家」としての歩みが、国際社会で高い評価と尊敬を得て、日本の外交力の基礎となっていることに疑いの余地はない。

 何よりも、軍事よりも経済、国民の暮らしを優先する政策は、戦後日本の繁栄の基礎となったことにも思いを至らせるべきだろう。

 安倍内閣は、きょう国会に提出する法案が成立しても、戦後日本を貫く「専守防衛」政策に、いささかも揺るぎないと強調してはいる。果たしてそうだろうか。

 専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使する、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略だ。

 しかし、集団的自衛権の行使を認めることは、自らが攻撃されていなくても外国同士の戦争に参戦する、ということである。

 集団的自衛権は国連憲章で加盟国に認められた権利だとはいえ、ベトナム戦争などその行使例を見れば、大国による軍事介入の正当化に使われたのが現実だ。

 そのような軍事行動に踏み切りながら、「専守防衛」だと胸を張って言いきれるのだろうか。

 整備法案では「周辺事態法」も改正され、日本周辺に事実上限られてきた米軍への後方支援の地理的制約が取り払われ、支援対象を米軍以外の外国軍にも広げる。

 極東を対象範囲とした日米安全保障条約の枠組みを超えるが、条約改定も他国との新たな条約締結もない。憲法や条約があまりにも軽く扱われていないか。

 新法の国際平和支援法案は、国際社会の平和と安全に対する脅威を取り除くために活動する外国軍隊を、自衛隊がいつでも後方支援できるようにする一般法だ。

 地理的な制限はなく、米軍以外の外国軍隊も支援対象とする。

 現に戦闘が行われている現場では実施しないとの条件付きだが、後方支援は戦闘行動と一体であり、戦闘現場以外での活動でも、いつ攻撃されるか分からない。攻撃されて反撃すれば、本格的な戦闘となるのは避けられまい。それでも「専守」を貫けるのか。

 国会の事前承認を例外なく必要とするが、ならばこれまで同様、特別措置法で対応しても、国際的な責任は十分果たせるのではないか。新法の必要性に疑問が残る。

岐路に立つ自覚持ち
 法案を提出する政府が憲法や条約をないがしろにする態度では、いくら審議時間を費やしても、法律に正統性は生まれまい。

 戦後七十年の節目を生きる私たちは日本が今、重大な岐路に立っているとの自覚を持ち、平和憲法を守り、専守防衛を貫いてきた先人たちの思いを胸に刻みたい。

 二度と侵略戦争はしない、自国防衛以外には武力の行使や威嚇はしないという戦後日本の原点に返れば、安倍政権が目指すものとは違う、日本の進むべき道がおのずから見えてくるはずだ。


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 広がる「反対」 平和の危機 安保法案 きょう閣議決定へ
2015年5月14日 東京新聞

 政府は14日、臨時閣議を開き、安全保障関連法案を決定する。成立すれば、他国を武力で守る集団的自衛権を行使したり、地球規模で他国軍の戦闘を随時支援できたりするようになる。憲法の平和主義の根幹が大きく揺らぐことから、市民らの間に危機感が拡大。さまざまな手段で成立阻止を目指すうねりになっている。

 集団的自衛権に関しては、法廷闘争に持ち込む動きがある。

 解釈改憲に反対する市民団体「ピースウイング」(代表・山中光茂三重県松阪市長)は、集団的自衛権行使を容認した昨年七月の閣議決定は憲法違反として、無効確認を求めて提訴する方針。これまで賛同する市民四百十四人(四月二十二日現在)が委任状を寄せた。安保法案が成立した場合も「戦争の不安の中で暮らすことになり、(憲法前文にある)平和的生存権が侵害される」としてさらに違憲訴訟を起こす方針だ。

 地方議会では意見書を可決する動きが続いている。

 衆院事務局には、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回や、安保法案への反対などを盛り込んだ意見書が、今月八日現在で計三百三十三本届いた。本紙が以前集計した三月十三日時点と比べても三十一本増えた。

 反対の民意を数で示そうと、署名活動も広がる。

 日本弁護士連合会が昨年十一月から集めている署名は、四月一日現在で四万一千三百三十二人に。宗派を超えた宗教関係者でつくる「宗教者九条の和」にも約八千五百人分が寄せられた。

 多くの市民団体や労働組合が加わる「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」も署名を集めているほか、十四日午前八時から首相官邸前で抗議集会を開く。

 とっつきにくい安保法案の危険性を、分かりやすく伝える取り組みも。弁護士有志による自由法曹団は、イラストや写真入りのリーフレットを五万部作成した。全国の女性団体でつくる「国際婦人年連絡会」に加盟する新日本婦人の会は紙芝居を制作。護憲団体「九条の会」は「(戦場に)ゆくのは、わたしら」と若者が訴えるポスターを販売する。

 有識者らでつくる「国民安保法制懇」は、十五日に緊急声明を発表する予定。

 安保法案は、武力攻撃事態法など十本の現行法をまとめて改正する法案と、他国軍の戦闘を支援するために自衛隊を随時派遣できるようにする新法「国際平和支援法案」の二本。政府は十五日に衆院に提出する方針。
(東京新聞) 


  安陪政権の「戦争法案」に断固抗議する声明 
2015-05-15 | 活動報告 |自治体議員立憲ネットワーク

【緊急抗議声明】
『安倍政権の「戦争法案」閣議決定に断固抗議し、撤回と廃案を強く求める』

5月14日、政府与党は新しい「安全保障法制」として、「国際平和支援法案」「平和安全法制整備法案」等計11法案を閣議決定した。11本の法律を2本にまとめて審議する強引なやり方は、まさにファシズム政権に近づいている。

本法案は、昨年7月1日の「集団的自衛権行使容認」の閣議決定、そして先日確定した日米新ガイドラインを法的に担保するものとして作成され、「平和」「安全」という名称とは裏腹に、まさに「戦争推進法」とも呼ぶべき内容となっている。

自衛隊はこれまでの「専守防衛」の姿勢をかなぐり捨て、政権の判断によりいつでも・どこにでも、武力行使のできる「攻撃型」の自衛隊へと改変された。

「武力攻撃事態法改正案」においては、「存立危機事態」という定義を加え、他国への武力攻撃であっても、「我が国の存立が脅かされ」「国民の権利が根底から覆される」と政権が判断すれば、「集団的自衛権」行使を容認している。

また、「周辺事態法」は「重要影響事態法案」と変えられ、事実上地理的制約を撤廃し、また米国以外の軍隊をも「支援」できるものとされている。

「国際平和支援法案」においては、本来国会の事前承認を必要とする自衛隊海外派遣が、場合によっては事後承認でも可能としている。

その他、活動地域の拡大、「駆けつけ警護」も含めた武器使用権限の拡大等、自衛隊をまさに海外での武力行使の戦力に変え、さらに主権者の市民生活もそのなかに組み込まれ従属させられることが、各条文に盛り込まれているのである。

これに先立ち、安倍首相は日米首脳会談において、本法案を夏までに成立させると米側に確約した。国会の審議どころか、閣議決定さえ経ない段階での発言であり、立憲主義、議会制民主主義を破壊し、愚弄する暴挙と言わざるをえない。

5月11日の世論調査では、日米新ガイドラインも安全保障関連法案も、反対が賛成を上回っている。このような国民の意思を顧みず、一政権の思惑と利害だけで憲法を一方的に改変する安倍政権に対し、強く抗議する。

私たちは、政府に対し、本法案11本の即刻の撤回と廃案を断固求めるものである。

2015年5月14日
自治体議員立憲ネットワーク 


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『世界』6月号~今大地晴美さん、谷口真由美 さん、三浦まりさん /読みたい本『教団X』(中村文則)

2015-05-14 21:54:20 | ほん/新聞/ニュース
朝日大病院に歯のメンテナンスに行った帰りに、
カルコスに寄って、『世界』6月号を買いました。


『世界』6月号には、友人の今大地晴美さんの対談「やはり司法は生きていた」と、
WANの総会シンポでご一緒する谷口真由美さんと三浦まりさんと、
打越さく良さんと北原みのりさんの座談会
「「北京会議」から20年 「女の運動」をいま作り直す」が載っているので、
ぜひ読みたいと思っていました。

 『世界』6月号 目次   
特 集 安保法制と「戦後」の変質
【“軍事”統制の新局面】
安保法制は何を転換させようとしているのか
  青井未帆 (学習院大学)
【論点整理】
安全保障法制の焦点
  集団的自衛権問題研究会【執筆者からのメッセージ】
【インタビュー】
文民統制をどう機能させるか
  北澤俊美 (民主党副代表、元防衛大臣)
【提  起】
「戦後」日本の岐路で何をなすべきか
  渡辺 治 (一橋大学名誉教授)

世界の潮
● 世界の炭素ビジネスに地殻変動
  石田 力
●「親の賠償責任」はどこまで問われるのか
 ──最高裁新判断の意義
  川村百合
特別対談
日本の歴史認識とアジア外交の未来
  村山富市 (元内閣総理大臣)、河野洋平 (元衆議院議長)
講 演 録
住民投票なくして「辺野古新基地建設」はあり得ない
  木村草太 (首都大学東京)
座 談 会
「北京会議」から20年 「女の運動」をいま作り直す
  打越さく良 (弁護士)、北原みのり (作家)
  谷口真由美 (大阪国際大学)、三浦まり (上智大学)

金融史の転換?
長期化する経済低迷とアジアインフラ投資銀行の意味
  倉都康行 (RPテック代表、エコノミスト)
国際情勢の地殻変動
中国は世界秩序を変えうるか──陸と海をつなぐ「一帯一路」構想の一環としてのAIIB
  温鉄軍 研究グループ
  要約=黄徳興、訳・解説=羽根次郎 (明治大学)
座 談 会
激動する中東と日本のゆくえ
  長沢栄治 (東京大学)、栗田禎子 (千葉大学)
  黒木英充 (東京外国語大学)
座 談 会
孤立する加害者家族に社会ができること
  名越康文 (精神科医)、藤井誠二 (ルポライター)
  松原拓郎 (弁護士)
驚きの愚策
入試制度改革で分断される若者と日本社会──着々と準備される学制改革の意味
  中嶋哲彦 (名古屋大学)
検定から検閲へ
教科書は政府広報ではない
  俵 義文 (子どもと教科書全国ネット21)
公共性の回復のために
NHKの再生はどうすれば可能か
  上村達男 (早稲田大学)
対  談
やはり司法は生きていた
  今大地晴美 (大飯・高浜原発運転差止仮処分申立人代表)
  水戸喜世子 (同副代表)

緊急座談会
山動く日、来たる──高浜原発再稼働差し止め仮処分をめぐって
  河合弘之 (弁護士)、海渡雄一 (弁護士)、鹿島啓一 (弁護士)
逆境に抗して
晩年の吉野作造──敗戦日本の焦土に遺された「一粒の麦」
  三谷太一郎 (東京大学名誉教授)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


帰ってからさっそく読みましたが、他の記事も含めて読みでがある雑誌です。
とはいえ、
全体に字が小さいし内容が堅くてむずかしい(笑)。

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いっしょにかったのは、前から読みたくて気になっていた『教団X』。
中村文則さんの書いた本は、けっこう読んでいます。

選挙の季節も終わって、ちょっと時間に余裕ができたので買ったのですが、
それにしても567ページもの分厚い本。
読み始めるには、気合が要りますね。


  教団X [著]中村文則  
[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授) 
[掲載]2015年03月01日  朝日新聞

■思索と欲望、人間の底抉る戯画
 狭義の「文学」の範疇(はんちゅう)には留まらない話題作、問題作を連発している中村文則だが、彼のキャリアにおいて最も長大なこの小説は、極めつきの問題作と言っていいだろう。
 とつぜん消えてしまった恋人、立花涼子の行方を追って、楢崎(ならざき)透は松尾正太郎という人物を教祖とする新興宗教の拠点を訪れる。松尾は一風変わった老人で、哲学と宇宙論と脳科学が入り交じったユニークな説法で信者を集めていた。楢崎は松尾の教えに興味を抱くが、涼子はすでにそこには居なかった。確かに以前は出入りしていたが、彼女は実はもうひとつの宗教、松尾と旧知であるらしい沢渡という男が教祖のカルト教団「教団X」のスパイであり、何人かの松尾の信者を引き連れて今は沢渡のもとに戻っているというのだ。程なく「X」の方から楢崎は接触され、教団が所有するマンションに連れていかれる。そこで彼を待っていたのは、時間感覚さえ失われるほどの性的な快楽の日々だった。「X」は一種のセックス教団であり、公安にもマークされている。楢崎と涼子、そして「X」に所属しつつ秘密の計画を進めようとしている高原、松尾の信者でありながら高原を深く愛してしまった峰野、以上の四人の男女を軸に、物語は展開してゆく。
 松尾は「思索」を、沢渡は「欲望」を象徴している。だが二人(の教え)は対立しているわけではない。むしろ思索と欲望がお互いに、否応無(いやおうな)しに貫通し合うさまが、ここには描かれている。中村文則の小説の登場人物は、混乱と苦悩に責めさいなまれながらも、こと重要な場面になると、直情や本能に進んで身を任せるようにして、みずから過激な運命へと飛び込んでゆく。楢崎たちも例外ではない。その行動原理は奇妙なまでに切羽詰まっていて、時として戯画的でさえある。だが、この戯画は「人間(性)」の底を抉(えぐ)っているのだ。
    ◇
 集英社・1944円/なかむら・ふみのり 77年生まれ。「土の中の子供」で芥川賞、『掏摸(スリ)』で大江健三郎賞。


 『教団X』 中村文則著 
評・尾崎真理子(本社編集委員)
2015年02月16日 読売新聞

世界映す「総合小説」
 あり得ないフィクションを現実化したオウム真理教の地下鉄サリン事件から20年。

 年月は、カルト教団を動かす教祖や信者らの物語を束ね、世界の全景を描き出そうと試みる、この「総合小説」を生み出す時間ともなったようだ。

 科学が神の領域に近づく時代に呼応した、「教祖の奇妙な話」が序盤に長く続く。教祖の松尾いわく、最新の宇宙生成論はインド最古の聖典「リグ・ヴェーダ」の記述と合致する、質量不明の人間の意識は三次元世界の枠外にある、そして人間とは、<過去から現在の膨大な原子の絶え間ない流れの中に浮かぶ物語です>。含羞にみちた高齢の教祖は、なかなか魅力的だ。対して、引き寄せられる側はいかにも危うい。

 <僕は、自分の人生を侮蔑するためにここに来ました>と語る青年楢崎、かつて松尾の同志で、今では性の享楽によって若者を集める教団「X」の教祖、沢渡、そのナンバー2の高原。彼らは人を見殺しにしたりされたり、飢えた記憶に苛さいなまれ、世界を憎悪している。

 なかでも紛争地域のNGOで活動中に誘拐された高原の体験は、イスラム過激派が人質を惨殺する現実の衝撃と重なる。<私は日本人で、安全な暮らしをしていて、善意によってここに来たのだから、そんなはずはないだろう?>

 大国間の策略、あえて放置される貧困。聖戦を掲げる職業テロリストが、<何の躊躇ちゅうちょもなく人を急に殺し、人を殺し続け、自分達も殺されてまた別の人間が殺されるこの無造作な何か>。それを目の当たりにして帰国した高原は、国家も、日本人も、教団さえ信用せず、<死者を出さないテロ>を企てるが……。

 フィクションの世界を突き破る勢いの、カルトの闇の連鎖。作者は人間への信頼を懸命に持ちこたえようとしながら、結末へ駆け抜ける。生き急ぐ作中の彼ら同様、書き急いだ感もある。だが、2015年、今この困難な時代に、本作が間に合ったことを心強く感じる。

 ◇なかむら・ふみのり=1977年、愛知県生まれ。著書に『銃』『土の中の子供』(芥川賞)『掏摸(スリ)』(大江賞)など。
 集英社 1800円


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<もしかして更年期!?パート2>(上)補充療法の注意点(下)補充療法の他に

2015-05-13 20:17:09 | ほん/新聞/ニュース
紅枝垂れモミジの下に丁子草が咲いています。
ちょっとナンシャモンジャに似た花の形の
淡いブルーの5弁花です。

横から見ると丁の字に似ていることから「丁子草」。

半日陰を好む山野草なので、
この場所が気に入ったのか、毎年、忘れずに咲いてくれます。

すすしげな花です。

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3月に連載した「もしかして更年期」の第二弾が、
昨日今日と、中日新聞の生活面に載りました。
もっと知りたい、という反響が大きかったそうです。

だれにも訪れる更年期。
わたしはもう過ぎましたけどね(笑)。

  <もしかして更年期!? パート2>(上)補充療法の注意点 
2015年5月12日 中日新聞

 「更年期についてもっと知りたい」という声に応え、二回に分けて続編を掲載します。

      ◇
 「私の症状とぴったりなんです」。三月三、四の両日、本欄で更年期に関する記事を掲載して以降、NPO法人「女性の健康とメノポーズ協会」(東京)には、読者からの電話相談が相次いでいる。


 「職場に理解がない」と会社を退職した人、六十代以降も更年期のような症状に悩む人…。明らかに更年期症状とみられる人でも、婦人科ではなく心療内科に通っている人が目立ったという。

 ホルモン補充療法に関する質問も多く、「怖いので避けていた」という人も。自身、十年以上補充療法を続けている理事長の三羽良枝さんは「世界的な標準治療である補充療法を拒否する人が多いのは残念」と話す。

 補充療法は二〇一二年、関係学会が指針を改訂。エビデンス(科学的根拠)を踏まえ、専門医の委員が討議し、合意した内容を採用した。期待される効果は、ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)、膣(ちつ)乾燥感、性交痛の緩和、骨密度の増加、糖・脂質代謝や血管機能、抑うつ症状の改善、大腸がんリスク低下など。

 一方、副作用として性器からの不正出血、乳房の痛み、片頭痛の悪化、乳がん、虚血性脳卒中、静脈血栓塞栓(そくせん)症などのリスク増加などを挙げた。

 副作用について、指針作成委員の一人、飯田橋レディースクリニック(東京)院長の岡野浩哉さんは「補充療法をしてはいけない人や慎重に投与した方がいい人以外は、数年間の短期投与では、性器の不正出血や乳房の張りなどマイナートラブル程度」と説明する。

 気になる乳がんは、五年以上の長期投与でリスクが上昇するとされているが、薬剤の種類によりリスクは異なる。ただ、そのリスクは出産経験のない人や家族に乳がんがいる人より低い。「子どものいない人に『乳がんになるよ』と言わないでしょ。『検診受けてね』と言うでしょ。補充療法を受ける人も同じ。検診を受け、定期的に受診することが大事」と岡野さん。

 女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンがある。子宮がある人の場合、エストロゲンだけの単独処方だと、子宮内膜がんのリスクを高める。

 プロゲステロンとの併用で予防できるが、静岡県の女性(55)からは「子宮があるのにエストロゲン単独で投与され、子宮内膜増殖症に。二回も手術をした」という体験談も寄せられた。岡野さんのもとにも、同様の患者が疑問を感じて受診するという。

 更年期医療は婦人科の中でもマイナー領域。専門外の医師から「補充療法をやったら、がんになるよ」と言われ、不安になる患者も。医師選びの一つの目安は、一般社団法人日本女性医学学会が認定する更年期の専門医であること。全国に約二百三十人が認定されており、学会ホームページで確認できる。女性の健康とメノポーズ協会も独自調査に基づき、医療機関を案内している。

      ◇
 「女性の健康とメノポーズ協会」の電話相談は、毎週火、木曜の午前十時半~午後四時半(祝日・八月・年末年始は休み)=電03(3351)8001。
 (砂本紅年) 


  <もしかして更年期!? パート2>(下)補充療法の他に  
2015年5月13日 中日新聞

 ホルモン補充療法以外の治療法にはどんなものがあるか。

 「漢方専門医の立場から言うと、更年期症状にはまず漢方を試していただき、それでも改善できない症状に対してホルモン補充療法などをするといいですね」。表参道福沢クリニック(東京)副院長の福沢素子さんは話す。


同院は患者の八~九割が女性で、その半数程度が更年期世代。「のぼせて汗がふき出る」「疲れやすく、だるい」「頭痛、肩こり、めまいがする」「生活が不安」など、さまざまな症状を訴える患者が訪れる。「更年期はさまざまな領域の症状が現れる。西洋医学では不定愁訴とされるような多彩な症状は、漢方の得意とするところ」

 漢方は、心と体は切り離せないという考え方に基づいて治療する。まず漢方独特の問診、脈や舌、腹部の診察をして、体力や抵抗力を表す「虚実」、新陳代謝を表す「陰陽」、体の中をめぐっている「気・血・水」のバランスを見極める。

 漢方において更年期症状は、ホルモンの変動によって「気・血・水」のバランスが乱れる「血の道症」の一つとされ、漢方薬でそれらの過不足や滞りがなくなるよう調整していく。漢方薬は、複数の生薬が組み合わされているのが特色。一つの処方で心身のさまざまな症状が改善されるという。食生活などの養生も指導する。

 代表的な処方は、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など。薬が合えば、二週間~一カ月ぐらいで改善が感じられるといい、中には二、三日でほてりがよくなったという人も。

 漢方薬にはショウガやナツメ、シナモン、クチナシの実など食べ物も多く含まれ、副作用は少ない。ただ、全くないわけではないので自己判断は避け、なるべく漢方専門医を受診したい。漢方専門医は全国に約二千二百人おり、日本東洋医学会のホームページで調べられる。「西洋医学と漢方の特徴を理解した上で治療を選んだり、組み合わせたりしてほしい」

    ◇
 症状が軽く、病院に行くほどかどうか迷う程度の人には、豆腐やみそなど大豆食品を積極的に食べるよう心掛ける方法がある。大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするとよく知られている。ただ、その効果を受けやすい人と受けにくい人がいる。

 大豆イソフラボンには三種類あり、その中の一つが特定の腸内細菌によって変換されてできるエクオールという成分が、よりエストロゲンに似た働きをする。この種の腸内細菌を持っている日本人は半数程度とされ、持っていない人は大豆を食べても効果はあまり期待できない。自分がエクオールを作っているかどうか尿で確認する有料検査や、手軽にエクオールをとることができるサプリメントが発売されている。

 長年更年期医療に携わる小山嵩夫クリニック(東京)の小山嵩夫院長は「エクオールの摂取はホルモン補充療法ほどの効果があるわけではないが、治療への導入や、補助的なものにはなるだろう」と話している。
 (砂本紅年)


○もしかして更年期!?(上)ホルモン補充療法 効果高いが、普及率低く(2015年3月3日 中日新聞) 
 ○もしかして更年期!?(下) 適切なケアで安定 精神症状(2015年3月4日 中日新聞)


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統一地方選:所得減の自治体、2割が議員選無投票/事前運動容疑で市議ら逮捕 静岡市長選

2015-05-12 21:15:00 | ほん/新聞/ニュース
統一地方選が終わってマスコミの報道も減ってきた中で、
毎日新聞が「無投票」選挙について、おもしろい分析を出しています。

所得減と無投票との関係は、このとおりなのか、
たまたま、だったのかはわかりませんが、
財政力の低い自治体の議員のなり手が少ないのは事実なのでしょう。

議員になりたい人が少ないのが深刻な問題だと認識するなら、
もっと女性や若者が議員になりやすいシステムを
本気でつくったらよいのに、と思います。

統一地方選:所得減の自治体、2割が議員選無投票
毎日新聞 2015年05月11日

 先月26日に全日程が終わった統一地方選で議員選挙(道府県議選は除く)が告示された全国706自治体のうち、2013年の住民平均所得が前年より減った自治体の23.9%で議員選が無投票だったことが毎日新聞の調べで分かった。所得が前年以上の自治体では10.9%で、2.2倍の開きがある。所得が減り、かつ議員選が無投票となった自治体の大部分は町村だった。

 総務省が毎年公表する統計に基づき毎日新聞が全国1741市区町村について納税者1人当たりの年間平均所得(住民平均所得)を求めたところ、アベノミクスで好況と言われる中、約3割の513自治体で13年の住民平均所得が前年を下回った。その約7割は町村で、513のうち全国平均を超えたのは20のみで、平均所得の低い自治体で前年割れが多いことが分かった。

 一方、今回の統一地方選で議員選挙があった706自治体について13年の住民平均所得を見ると、所得が減ったのは約3割の201自治体で、このうち議員選が無投票となったのは48自治体(23.9%)に上った。48のうち44は町村だった。また、48のうち34自治体は前回11年の議員選が選挙となっていた。

 一方、所得が前年と同じか上回った505自治体で、無投票は55自治体(10.9%)にとどまった。706自治体全体で無投票の割合は14.6%だった。

 都道府県別に平均所得と議員選が無投票となった自治体が占める割合を見ると、平均所得トップ10は首都圏の1都3県、中京圏の愛知、関西圏の大阪・兵庫などが占め、無投票の割合は低い。25位の山梨あたりを境に下位の県で無投票の割合が高かった(富山の議員選は1自治体、島根は2自治体しかなく、いずれも無投票で両県は100%となった)。【小田中大】

 ◇大半が町村、人材難反映か 宮崎雅人・埼玉大経済学部准教授(地方財政論)の話 平均所得が低下し、議員選挙が無投票という自治体はほとんどが町村である。こうした町村では人口規模が小さく、財政力の低さから議員報酬が低くなっており、高齢化や人口減少の影響もあって議員のなり手が少ないのではないか。これまで町村議会議員は60歳以上の男性自営業者(農業者や商工業者)が多くを占めてきたが、無投票の自治体ではこうした人材の供給が難しくなっているのだろう。無投票を回避するために議員定数を削減する自治体もあり、深刻な状況だ。


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ところで、
静岡市長選で、落選した候補者の陣営の市議ら3人が、
事前運動容疑で逮捕されました。
そのうちの一人はポスティング業者で、違法チラシの配布を請け負い、
じっさいにチラシを配布した労働者(有権者)への賃金・報酬が「買収」になる。
これは、選挙期間中にしかできない選挙運動と同種の行為を告示前にやったという
「事前運動」にあたります。

わたしたちも選挙講座で再三、「これをすると公選法違反」と説明している、
「選挙の特定」「立候補表明」「投票依頼」(禁止の3原則)。
この3点をしないように気をつけて政治活動をすれば、
リーフレットやチラシを配布しても問題にはならないのですが、
文書に違法なことを書けば違法、さらにここにお金がからめば
「買収」ということで逮捕されるということです。

この事件の問題点は、毎日新聞が簡潔に整理しています。
 
 市選管が過去の判例などを基に定めるビラに明記を禁止する内容は、(1)何の選挙に関するものか(2)候補予定者の名前(3)投票依頼−−の3要素。13日に配られたビラは(1)、(2)の二つの内容が書かれていた。担当者は「配る際に候補予定者の名前を発したり、『よろしくお願いします』という文言があれば投票呼びかけに当たる可能性がある。県警は、ビラの内容と配り方を合わせて違法と判断したのではないか」と話す。
以下は、中日新聞と毎日新聞の記事です。

  事前運動容疑で市議ら逮捕 静岡市長選
2015年5月8日 中日新聞

◆チラシ「違法性ない」 業者説得
 四月十二日投開票の静岡市長選で、落選した薬局チェーン役員高田都子(ともこ)氏(62)陣営の運動員に告示前に選挙運動をさせ、報酬として現金を渡したとして、静岡県警は公選法違反(日当買収、事前運動)の疑いで、静岡市議の宮沢圭輔容疑者(36)=同市駿河区大谷=ら三人を逮捕した。宮沢容疑者は、ともに逮捕された業者二人を「選挙違反ではない」と説得し、チラシ配布を依頼していたことが、捜査関係者らへの取材で分かった。県警は七日、宮沢容疑者が所属する市役所の市議会会派控室を家宅捜索するとともに三人を送検し、現金の出どころなどを調べる。

 業者二人は、同市葵区城北二、ポスティング会社「静岡プロフィットサービス」社長井上有樹(30)と同市清水区緑が丘町、同社員大石翼(26)の両容疑者。

 捜査関係者や会社関係者によると、宮沢容疑者は三月初旬から告示日の同二十九日にかけ、同社にチラシ配りを複数回依頼。チラシに高田氏が立候補する旨が記載されており「公選法に違反する事前運動ではないか」と不審に思った井上容疑者らを「高田氏ではなく別団体が発行したチラシなので選挙運動には当たらず違反ではない」と説得していた。同社幹部は七日の取材に「宮沢さんに問題ないと言われ信じたが、認識不足だった」と説明した。

 三人の逮捕容疑は告示前の三月下旬、共謀して高田氏への投票を呼び掛ける内容のチラシを運動員二十数人に配らせ、時給千二百円のアルバイト代計十数万円を渡したとされる。

 宮沢容疑者は逮捕前の本紙の取材に「選挙違反は何もしていない。弁護士に相談しながら活動していた」と話していた。

 捜査関係者によると、井上、大石両容疑者は容疑を認めている。

◆告示前からポスター 陣頭指揮も警告数回
静岡市長選で高田都子氏(左端)の選挙応援をする宮沢容疑者=3月29日、静岡市清水区で
写真
 静岡市長選では市議の大半が現職田辺信宏氏(53)の支援に回り、高田氏を応援したのは二人だけだった。宮沢容疑者は選挙運動全般を率いる中心的立場の一人として県外の選挙プランナーらと政策や戦略を助言。選挙知識がない組織の陣頭に立ち、遊説でマイクを握った。

 陣営は、告示前からポスターやのぼりを繁華街や自社店舗などに掲示し、大量のチラシを配布。市選管は、高田氏の名前を挙げ「よろしくお願いします」と呼び掛けた行為が事前運動の投票依頼に当たると指摘する。市民からも「女性市長を連想させる車で活動している」などと問い合わせがあり、県警が複数回警告したが、陣営は政治活動の範囲内で違法ではないと主張していた。市選管担当者は「公正な選挙を呼び掛けてきたので残念」と話す。

 無所属の宮沢容疑者は民主党とともに五人でつくる会派・静翔会の政調会長を務めている。会派の白鳥実代表は七日に控室が県警の家宅捜索を受け「選挙の違反行為も重々承知していたはず。誠に遺憾」と述べた。

 宮沢容疑者の支援者の一人は「市を変えよう、無投票はいけないと、一生懸命やった。いずれは市長にと思っていたが、悔しい」と残念がった。

 高田氏の兄で選対本部長だった隆右(りゅうすけ)氏(66)は「宮沢さんは清廉潔白な人だと信じている。全貌がつかめず、(容疑が)何のことか分からない」と話した。 


  静岡市長選公選法違反:宮沢容疑者が否認 弁護士会見、活動の正当性主張/静岡
毎日新聞 2015年05月09日 地方版

 先月12日投開票の静岡市長選を巡る公選法違反事件で、逮捕された静岡市議、宮沢圭輔容疑者(36)の弁護士2人が8日、県庁で記者会見した。宮沢市議が容疑を否認していると明らかにし「事前運動とされた行為は政治活動であり、運動員へ支払ったお金も買収にあたらない」と主張した。【井上知大、松岡大地、早川夏穂】

 県警は6日、公選法違反(日当買収、事前運動)容疑で宮沢容疑者と、広告代理店役員と同社員の男2人を逮捕。容疑は、落選した高田都子(ともこ)氏を当選させるため、3月下旬ごろ、運動員二十数人に高田氏への投票を呼びかけるなどさせた報酬として、現金計十数万円を支払ったとしている。

 会見した栗原孝明、小川央(よう)両弁護士は、宮沢容疑者らが告示前にビラを配布し、報酬として現金を支払ったとする事実関係は「争わない」と説明。ただし、一連の行為は「選挙を見据え、広く認知してもらうために告示前からPRするのは当然の活動。宮沢さんがやったのは、『高田都子はこういう人物で、こんな政策だ』というもの。投票を呼びかける行為ではなかった」と述べ、「政治活動だった」と県警の認定に真っ向から反論した。

 両弁護士によると、宮沢容疑者が広告代理店に支払った現金は高田陣営の資金だったという。3月13日に静岡市内で陣営が行った街頭活動では、顔写真入りで「高田とも子」「市長選出馬」と記載したビラを「高田都子です。よろしくお願いします」と言いながら配布した。しかしその日に県警から警告を受けたため、ビラの内容を一部変更し、配布時には「こんにちは」などとかけ声を変えたとしている。

 市選挙管理委員会によると、3月13日に配布したビラは政治団体「元気で明るい静岡をつくる会」が発行し、この団体のニュースという体裁だった。市選管は同ビラを県警に報告したところ、県警は「ビラ自体は問題無い」と回答したという。

 市選管が過去の判例などを基に定めるビラに明記を禁止する内容は、(1)何の選挙に関するものか(2)候補予定者の名前(3)投票依頼−−の3要素。13日に配られたビラは(1)、(2)の二つの内容が書かれていた。担当者は「配る際に候補予定者の名前を発したり、『よろしくお願いします』という文言があれば投票呼びかけに当たる可能性がある。県警は、ビラの内容と配り方を合わせて違法と判断したのではないか」と話す。

 新人で選挙経験のない高田氏は、県内のある元国会議員の紹介で、選挙プランナーとして国政選挙や首長選挙の運動をサポートした経験がある、県外在住の男性のアドバイスを受けながら選挙戦を展開したとされる。この男性は毎日新聞の取材に対し、宮沢容疑者らの逮捕について「『買収は気をつけろ』とアドバイスしてきた。宮沢さんや陣営はそれを分かっていたはず。逮捕は解せない」と語った。


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