熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

安保法制

2015-12-08 14:23:42 | Weblog
長谷部恭男、杉田敦編「安保法制の何が問題か」を読みました。

安保関連法案が深刻な問題点を数多く含んでいて、明白に憲法に違反していることを明らかにするという観点で、法学、政治学の各分野の専門家が執筆した本です。

この本には、「安保法制の違憲性」について3つの執筆、「集団的自衛権の限定容認のまやかし」について3つの執筆、「抑止力は高まるか」について座談会と3つの執筆、「何が起こるか、どうすべきか」について座談会と1つの執筆が収められています。

私が参考になったのは、元内閣官房副長官補の柳沢協二さんが書かれた「安保法制で日本は安全になるのか?」です。

今回の法案は11件もあるので、その内容を理解している人は少ないと思いますが、柳沢さんの書かれたパートは、今回の法案の概略と、従来法との相違、今回の法案の問題点について、分かりやすく書かれています。

健保学者の90%以上が、今回の安保法制を違憲であると指摘しており、自民党推薦の憲法学者も違憲であると明言しています。

それに慌てたのか、自民党の副総裁が「憲法学者は安全保障を考えていない」という趣旨の滅茶苦茶な反論をしていますが、そもそも安全保障の内容を議論しているのではなく、法案が違憲かどうかを議論しているのであって、論点が異なります。

本来の進め方は、先ず、日本の安全保障の在り方について、外交・軍事等の観点から考えてどのような法制が必要かを考える。

そして、その法制が現行憲法の範囲内で立法可能か否かを検討して、可能であれば法案化し、可能でなければ憲法改定を行うということでしょうね。

憲法改定は時間がかかるとか国民の理解が得られないとかの理由から、「解釈変更して合憲にしちゃえ」という荒っぽいやり方では、国民の反対にあうことは当然でしょう。

今後、違憲訴訟、反対運動等が激しくなってくるでしょうが、安倍政権はどのように対応するのでしょうか。

独裁政権の末路が迫ってきています。










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