熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

TPPと損害賠償制度

2015-12-07 21:29:52 | Weblog
明治大学知的財産法政策研究所主催のシンポジウム「TPPと知的財産侵害における損害賠償制度ー法定損害賠償・追加的損害賠償をめぐる議論を中心にー」に参加してきました。

今、ホットな話題ですね。

3人の基調講演「米港著作権法、商標法における法定損害賠償・追加的損害賠償制度の概要」「TPPによる要求内容と国内法による対応」「日本の知的財産権に係る損害賠償制度の現状と今後のあり方にゆいて」につづいて、6人のパネリストによるパネルディスカッションがありました。

基調講演は、法定損害賠償制度と追加的損害賠償制度の概要について分かりやすく説明されたので、大変参考になりました。

TPPで日本の国内法がどの程度改正しなければいけないのか、これはTPPの内容が明らかにされていないので分からないというのが正直なところでしょうね。

パネリストの意見も分かれていて、議論が発散していた印象がありますが、無理もないですね。

早く国会を開いて、TPPの合意内容を国民の前に明らかにする責任が政府与党にあると思うのですが、逃げているばかりで無責任ですね。

パネルディスカッションに、2人の民法学者が出席していましたが、民法学者と知財研究者の考え方にかなり大きな差がありました。

民法学者から、知財の損害賠償制度を無体財産の特殊性を強調して独自に解釈することは理解できない旨の意見が出されていましたが、その通りかもしれません。

民法の損害賠償制度の枠組みから外れるのならば、説得力のある理由が必要ですが、現在までのところ、この点については成功していません。

民法学者を説得できるような論理構成を構築しなければ、独りよがりと言われても仕方ありませんね。








ブログランキングに参加しています。よろしければ、以下のURLから投票して下さい。


特許・知的財産 ブログランキングへ

 
弁理士 ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする