常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

介護

2012年04月11日 | 日記


妻の母が93歳になった。長年住み慣れた古い家で一人暮らしである。
「お前たちの世話にはならない」気丈な義母は、口癖のように言っていた。だが、いずれは一人暮らしはできなくなるから、面倒を見なければという覚悟は、自分にも妻にもあった。

一本の電話が、その時を告げた。「風呂のガス釜が壊れて点火しないのよ。来て見て!」
行って見ると、操作の方法が間違っていた。正しい」操作方法を教えて、数日間はなにごともなく過ぎた。

ところが、また電話がなり、風呂が点火しないと言う。やはり点火操作を忘れてしまっている。こんなことが4,5回繰り返された。風呂だけではない。訪問してくるヘルパーさんへの依頼、お金の勘定、洋服を着ること、食事、処方された薬を飲むこと、どれひとつ満足にできないのだ。

これが昨年の11月、寒い冬が来る前に起こった事態だった。
だが、たったひとつ止めないことがある。膝が痛むためにそれを和らげるために通う接骨院のマッサージである。11月には、これも悪化して水がたまり、整形外科へ連れて行って水を抜いたり、鎮痛剤の座薬を使った。整形外科では、「マッサージは膝関節症よくないから、痛みがなくなるまで休みなさい」という。

投薬のおかげで痛みが治まると、骨折院通いを続けた。
介護サービスのケアマネージャーと介護方針を話し合った。本人の希望を尊重する。つまり居宅生活を当面続ける。マッサージ通院は続けさせる。食事は妻が作って持参する。投薬を確実に飲むようにするため、ヘルパーの協力を得る。

検査の結果、アルツハイマーが確認された。これに伴って、進行を抑える「アリセプト」の投与が始まった。上の写真は、本日持参した朝食弁当だ。きのう畑から採ってきた、アサツキの酢味噌和えが入っている。

食事と投薬の管理を始めて4ヶ月。義母に変化が生じてきた。
顔色がよくなり、感謝の気持ちを口にするようになった。風呂の操作を間違わなくなった。持っていった弁当を食べながら「うまい、うまい」と言う。妻は母が喜んでくれることがやはりうれしいのだろう。

これは昔から好きだったから、これを持っていくと喜ぶわ。
こんなことを言いながら、妻は買い物をし、食事の準備をしている。きょう一日の無事を祈りながら自分たちができるだけのことをする。結果がよく出れば、そのことが自分の人生をも豊かにしてくれる。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする