常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

暴風

2012年04月04日 | 日記
夜通し暴風に見舞われた。
強風が建物に当たり、大きな音を出す。この地方では台風もそれほど
通ることがないので、こんな暴風はめったにないことだ。

気象庁の発表におよると、日本海で異常に発達した低気圧が原因である
という。そもそも、低気圧は南の暖気と大陸の寒気がぶつかりあって
発生する。今回の暖気と寒気の落差が非常に大きいため、低気圧が台風
並に発達したのだという。

昨日山形市で吹いた最大風速は22m。今日の未明、山形県日本海よりで
40mを観測したいう報道もあった。昨日の最高気温は夕方17℃を記録し
ている。低気圧が北東に抜けたあと、気圧配置が冬型なり今朝は雪が降
っいる。

次々と日本列島を襲う異常気象は、炭酸ガスを発生せする人類の文明の
なせる業なのか。ガソリンが高騰し、電気料金が値上げになっても経済
への悪影響を心配する声はあっても、生活全体を見直そうという声は
高まっていない。

こんな日は読むことが中心になる。
「源氏物語」(瀬戸内寂聴訳)須磨の巻を開いてみる。

  全く思いもかけない悪天候に急変して、突風が何もかも吹き飛ばし
 たちまち未曾有の暴風雨になりました。
  海はこの上もなく波立って来て、人々は恐怖で足も地に着かない有
 様です。海面はまるで夜具をひろげたように盛り上がり、稲妻が走り、
 雷鳴が鳴りとどろき、今にも雷が落ちかかってきそうな気持ちがしま
 す。
  ようやく、ほうほうの態でどうにか源氏の君はお住居までたどり着
 かれました。
  「こんなひどい目にあったのははじめてだ。大風などが吹き出すと
 きは、前にその気配が前兆としてるものだ。何という呆れ返った無気
 味な天気だろう」
  と、皆々気も動転していますと、雷はまだ鳴りやまず、物凄い勢い
 で轟きわたっています。雨脚のあたったところは地が抜けるかと思う
 ほど、激しい音をたてながら降りつづけています。このままでは、や
 がて世界は滅びてしまうのかと、人々は不安にただもう惑乱して生き
 た心地もありません。

この時代の人々が不安をとり除くよすがとしたのは、神仏への祈りであ
った。京では厄除けの仁王会が執り行われ、源氏の君は色とりどりの幣
帛(みてぐら)を供え、住吉の明神にお祈りするのであった。
コメント
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