常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

山形温泉 蔵王荘

2012年04月03日 | 日記



若いころは一日の仕事が終わると、銭湯に通った。
結婚してアパートに住んでも、銭湯通いで、内風呂が夢であった。
アパートで初めて買った木の浴槽の香りは、いまも忘れられない。

しかし老人になったいま、毎日の楽しみは温泉に行くことだ。
山形は方々に安い日帰り温泉があり、老人のそんな楽しみを満たして
くれる。老人福祉施設の温泉は100円で入れるし、山形温泉蔵王荘は
300円で、ことのほかのあったまりの湯である。自宅にも近い。

もう自宅の風呂には入らないで、毎日日帰り温泉を堪能している。
今年の冬は本当に寒い冬であった。こんな寒い冬を無事に過ごせたのも
温泉のおかげだと思っている。

蔵王荘の浴槽は狭い。6,7人も入ればいっぱいになってしまう。
それだけに家族的な雰囲気がある。ここに入ってくる人は、見知らぬ
人でも、「こんにちは、きょうは寒いですね」と気軽に挨拶する。
顔見知りになると、いろんな話題でもりあがる。

ここに来るi社長は、この温泉の女将の兄である。
私とは50年も前からの知り合いだ。昭和34年に、私はある広告代理店
の支局に就職した。iさんはそのときs広告社の社長さんであった。
いわば、同業のライバルであった。

iさんは酒造業の社長の集まりを取り持って、共同広告を色んな媒体を
使って実施した。その会は山酉会といった。どうすればそんなことが
できるのか、若い私は羨ましくもあり、自分の営業について考えさせら
れることが多かった。

iさんと顔を合わせると、昔話に花が咲く。だが、彼も年なのか、前回
と同じ質問が以外に多い。「t支局長は元気かな」「y社のo氏はどう
しているかね」やはり、そんな会話の裏側に失った若さへの懐旧の切
ない思いが潜んでいるのかも知れない。



コメント
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