我が家で大きな花を咲かせる鉢は、カトレヤとアマリリスだ。
カトレヤは行きつけの歯科医院で咲き終わった鉢を譲ってもらった。アマリリスは亡くなったタマちゃんからいただいたものである。以前は月下美人も育てていたが、木の成長があまりに大きく部屋やベランダに収まりきらないので処分してしまった。
カトレヤは見事な2輪の花をつけるが、鉢の管理が難しく3年に一度くらいしか咲かせられない。その点、アマリリスは毎年4輪の大きな花をつける。本来夏の花なのだが、昼内に置いているため、梅に続いてきょう4輪目を開いた。
この花を見るたび生前のタマちゃんの姿が目に浮かぶ。人の命を越えて咲く、花の生命力に勇気をもらう。
アマリリスはヒガンバナ科の球根草。原産地はアフリカ、メキシコであるが日本へは19世紀の半ば(江戸時代)に渡来した。気温が上がると球根から濃い緑の花茎を伸ばし、その先端に持ち重りのするような大きな花をつける。我が家の花は地味なオレンジ色だが、真紅のあでやかな花もある。
むろぬくし女王の如きアマリリス 杉田 久女
アマリリス跣の童女はだしの音 橋本多佳子
アマリリス月のなき夜をふかねむり 柴田白葉女
春は花が待ち遠しい。部屋のなかで梅が咲き、クンシランに続いてアマリリスのたおやかな花が心を癒してくれる。小学校の音楽教科書のなかにあった「アマリリス」の歌は、童謡として記憶されている。
みんなで聞こう
楽しい オルゴールを
ラリラリラリラ
しらべは アマリリス