葉が落ちた冬は、衣を脱ぎ捨てて木本来の姿を晒す。枝が茂り葉がつく部分を樹冠という。ケヤキは枝別れした樹冠が空に向かって扇を開いたような美しい弧を描く。かつては家の庭にケヤキと桐を植え、娘が嫁ぐとき桐ダンスを作り、孫が家を建てるときにケヤキの大黒柱にする、として大事に育てられた。いまは、お寺や神社の境内にケヤキの大木が残っている。
広葉樹の木の樹形はどうしてこのような形になるのであろうか。それは、先端に葉のつく枝が日光を求めて伸びるからだ。葉が重なるようになると、元気な枝が伸び、その影になった枝が枯れていく。そうした淘汰をくり返しできた姿が冬に見られる樹形である。
まなぶ窓枯木しづかに天を刺す 鷲谷七菜子
カメラを持って散歩すると、いつも新しい発見がある。カメラを持たずにいたときには、つい見逃したものも、ふとその日の空の色は光が刺す具合でまったく別の光景に見えることがある。一期一会のの瞬間にめぐり会える。
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