常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

秋刀魚

2014年09月14日 | グルメ


秋刀魚がマグロと同じ値段とマスコミがこぞって報じたのは、ついひと月ほど前のことである。その後、秋刀魚の収穫はどうか、値段はどうかという報道は目に付かない。今日、妻が魚屋で秋刀魚の安売りに出会った。刺身にできるものが5尾で500円、一尾100円で売り出されていたので買って来た。漁のないとき値がはるのは当然である。そんな折に、秋刀魚がマグロ並みの値段だというのは事実かもしれないが、漁が回復すると秋刀魚は大衆魚だ。報道に惑わされることなく、旬の時期、つまりたくさん獲れる時期に買うのが賢い消費者ということだ。

秋刀魚はかつては七輪で煙をだしながら焼くの定番であったが、捌いて刺身で食べられるのも大きな魅力である。値段が安いうえその味は、けしてマグロに劣るものではない。取れたての魚を海岸に住んでいるように食べられるのは、やはり流通の至便性にあるのであろうか。とにかくありがたい限りだ。

落語に「目黒のサンマ」というのがある。鷹狩りに出かけた殿様が腹が空いたところで、サンマを焼くにおいがただよってきた。いかにも香ばしくおいしそうなのおいだ。「あれは何を焼くにおいじゃ」「サンマといって下々のものの食するもの。殿の口に合うようなものではありません」「いや、かまわぬ。余は腹が空いた。そのサンマというのを食ってみたい」供のものが仕入れてきたのは、炭火で寺か直焼きしたおんぼう焼きで、真っ黒に焦げて見かけが悪い。しかし、これを食べてみると、いかにもうまい。殿様はすっかりサンマが気に入ってしまった。

城へ帰った殿様は、サンマの味が忘れられない。「余はサンマを食したい。サンマを持て」とある昼時、食事のものに命じた。慌てたのはサンマなど使ったことのない賄い者たちである。油は殿の身体に悪いからとすっかり抜き、骨が喉に刺さってはいけないとこれも一本残らず抜いて供したが、いかにも不味い。「このサンマはどこで手に入れたか」「は、魚河岸でござりまする」
「うむ、サンマは目黒に限る」

今日食べた秋刀魚は、三陸沖で獲れたものである。


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長井葉山

2014年09月14日 | 登山


長井葉山は朝日連峰の東端に位置する。この山を越えて以東岳を越え、酒田へ至る山道は戦国時代の軍道であったことで知られる。標高1237m、山頂には葉山神社が祀られている。養蚕が盛んであったこの地域で、養蚕業の神として近在の人々の信仰を集めた。

朝、7時霧に包まれた尾根筋を山頂へ向かう。パラパラと雨がきたり、日ざしが射すような変化の多い安定しない気候である。昨年来の、集中豪雨が県内はもとより、近県の山の登山道が痛めつけられていることを実感した。本来、今日の登山は新潟の光明山であり、次週は会津の会津朝日を計画していた。この両山とも昨年の集中豪雨による崩落で登山道が不通で、入山禁止となって変更を余儀なくされた。



尾根筋の開けたところから、眼下に長井農村部の集落のなかを悠然と流れる最上川が見える。田もすっかり黄金色だ。下旬には刈りいれが始まる。高度を上げると登山道はしだいに抉れたような道になる。雨が降るとこの道は雨が流れる川のようになるだろうと思われる。

気温も涼しく登山には快適である。静かな山だ。週末というのに行き会う登山者もいない。頂上付近で一人で登ってきた山ガールに会う。聞けば来週に計画している飯豊登山の足慣らしということであった。「静かですね。」と言うと、せっかくこんないい山なのにもったいない、と残念がっていた。頂上から、大朝日岳へ向かうルートの標示がある。いったいどんな健脚の登山家がこの丁長場のルート利用するのだろうか。



頂上から少し奥まって奥の院がある。誰が積んだのか、ピラミット状のケルンが広場の真ん中にある。ここで持参してきた弁当を広げる。頂上まで長い休憩を入れて4時間。見晴らしのきく奥の院だが、朝日連峰も飯豊の山々もすっかり雲のなかだ。霧のような雲が東の方へと吹き抜けて行く。気温が下がってじっとしていると寒いくらいだ。近くにある白鷹山だけが見える。本日の参加者4名、内女性1名。




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