じょじょに

手を洗ってうがいして、お気に入りの
普段着に着替え、ブレスレットにピアス
台所に立って洗い物し、冷蔵庫のなかを
みわたしてチェック、頭のなかで夕げの
さんだん、入院道具のお片付け・・・



お洗濯は、午後から出社したおっとが
パパっとすませ、すでに風に揺れている

朝、おっとの車にのって帰宅したときは
グッタリして声も出なかったけれど
だんだんとお喋りになり、動きだし
静寂なおっとの暮らしが終了する
暇なし話しかけるから、スッチも煩そう

いい陽気、やっと夏らしい風

どれどれ、世間は何があったかな～と
テレビをつけてみたら、悲しい悲しい
事件、ドラマを地でいくような
他人事ながら、なんでこんな事になる？
なんでこんな極端な決断を、わからん

死ってもんが、急にグインと目の前に
やってきて、そっか人生の終わりって
こんなふうに向こうからやって来るんだ
へーほんと急に来んな、不意打ちだ～
あとどんだけ生きられるか知らんし
あんがい長いかもしれないけれど
鼻先にぶら下がってる死神が消えること
は2度とないと思う、もう昔の自分にも
暮らしにも戻れない、ある日突然、
いきなり知らない場所まで誘拐された
自分の意思なんか1ミリもない
ふ～ん、さいですか、って不貞腐れて
いたけど・・・

自分からバッサリいく手段もあるんだ
そうだったそうだった、忘れてた
いざとなったらその手もあるんだ
なんて書いたら、ビックリされて
正論が書き込まれそうだけど
そういう事じゃなくて、自分の意思で
決められるんだって気がついたら
己の人生を取り戻したような気持ちに
なって少しだけ元気になった・・・

事件を考えてたら、そんな不謹慎な
ことを思う、でも痛ましく残念にも
思う、死ぬって何だろう？とも思う

でも、やりなおせるとは思えない
死んだらそこで終わりなんだと
それは生きてて死んでも、同じかも

どうするんだろ
生きたまま死んじゃって
生きてるときは生きて
死んだらちゃんと死んで
どっちかじゃないとさ

苦しすぎるね
他人事ながら、息苦しくなる

さてと、テレビを消して席をたつ
とりあえず今日のあたしは・・・
生きるを選択する、副作用の苦痛を
やり過ごし、薬を飲みながら台所に

まだ背中が立たないから老婆みたいな
姿勢だけど、野菜を刻みお米を研いで
おっとと自分の夕げをこしらえる
いつものあたしの日常だ

おっとも遠慮せず、生のホッケなんか
買ってくる、フライが食べたいってこと
はぁはぁいいながら、パン粉をまぶす

けんちん汁とさくら飯のおにぎり
退院したばかりの古女房に運ばせ
旨いと食べている、うちの普通の風景

これでも平和な我が家
平和の形を変えただけ
欲張らなくなっただけ

心の抜け道って、けっこ～あるね

ロゼ色の梅酢

退院して帰ってきた・・・
MOSをたべてから、梅酢の様子をみる

大丈夫とは思っていたけれど、今回は
塩分を低くして氷砂糖を加えるという
ほんとに久々なレシピだったから
ちょっと心配だった・・・

ロゼ色の透きとおった、きれいな梅酢

よしよしダイジョブだ、あとは
土用干しを待てばいいのだな


ついでに横にある、小さい味噌だる



手術の前に、ちょっとだけ仕込んだ
うまくいってるよう、酒粕の香りの他に
お味噌の香りも濃くなってきた・・・

今回のは地元の大豆と、十勝の米麹
夏が過ぎたあたりから味見しようかな


台所も部屋もきれいに片付いてるし
とりあえず、ロキソのんで昼寝だな

薬剤師さんも看護師さんも、外は
すごい暑さですから、気をつけて
って言われたけど、30℃にもなって
なくて湿度もなくて適度な風もあり
ものすごく爽やかな夏の日、って
かんじ、いまだに道産子体感には
戻ってないらしい・・・

先月だったか、同室の方が退院してく
とき、表に出たくない～と嘆いていた
から、急に気温が上がったのかと思って
ビックリしたら、26～7℃だった

まったく暑くないって言ったら
確実に浮くから(笑)、YESともNOとも
つかない曖昧な笑顔で答えている

とりあえず退院

強い薬を使うと、一晩たっても頭が
ハッキリせん、病室のベッドで
荷物を整理するも捗らず・・・

ぐあいは悪いけど、ロキソで何とか
なりそうだから、退院することにした

あ、先生が早々にいらっしゃる
あたしがとっとと帰っちゃうから
かるく来週の打ち合わせ・・・

さて、そろそろおっとがハンドル
握って、病院へむかう頃だな
着替えるか、あーかったるー

がんばって帰り支度をしよう
帰り道でMOSを買ってもらうんだ

スッチが待ってる？
お支払して帰ろう

またすぐ来るが😭