参議院議員会館で行われた「102年後に大逆事件を問う」という集会(講演・学習会)を聴きに行って来ました。
講師は明治大学教授で「大逆事件」研究第一人者の山泉進さん、「法学館憲法研究所」所長の伊藤真さん、東京新聞特報部の田原牧さんという個性豊な顔ぶれ。「再び息苦しい社会をつくらせないために」という副題がついていて、2012年衆院選後の政治の行方に対する警鐘の意味もあるようでした。
その中でも特に私は、ユニークな経歴の持ち主で、「中東民衆革命の真実」(集英社新書)の著者でもあり、東京新聞にも鋭い「ひと言」を書く田原牧さんに前々から関心があったので、直接話を聞けることをとても楽しみにしていました。
トランスジェンダー(いわゆるニューハーフ)の牧さんは、スラリと背が高くて格好が良く、吹っ切れ方が爽快な、期待に違わぬ素敵な人でした。彼(女)が提示したテーマは「不逞の復権」。四件の大逆事件の中の「朴烈事件」について紹介しつつ、当時使われていた言葉「不逞」=「不平を抱き、従順でないこと」が、同調圧力が強まっている今、「正気」を保つために必要なこととして蘇っているのではないか、ということを話してくれました。
他の講師、山泉さんの「大逆事件の意味」の話も、伊藤真さんの「自民党改憲案、国家安全保障基本法案の問題点」の話も、とても興味深い内容で、視野が開けたような気がしました。世の中には聡明で刺激的で素敵な人たちが居るんですね。そういう人たちを知るというのも、人生の楽しさ味わい深さです。(三女)