戦国エンターテイメント映画「のぼうの城」を夫と見てきました。戦国物というのは、平和な日常を愛する私にとって、普段は全くの守備範囲外なのですが、一昨日夫が一人で見に行って「面白かった」「クライマックスで、野村萬斎が湖上で踊る‘田楽踊り’はすごかった」というので俄然興味が湧いて、私も行ってみることにしました。そうしたら、夫がもう一度見たいので一緒に行くということに、、、。
ストーリ:『天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は小田原城を落城させ、北条勢を押さえようとしていた。北条勢のひとつ‘浮き城’こと忍城(埼玉県)には秀吉の命を受けた石田三成が2万の軍勢を率いて攻撃を仕掛けることになる。受けて立つのは、領民から「のぼう様」(「でくのぼう」の意)と呼ばれ愛されている成田長親と、丹波、和泉、靱負という個性豊かな3人の武将たち。彼らが率いる軍勢はわずか500人。
すぐに開城するかと思われたが、天下軍の傲慢な態度に長親は「戦う」ことを宣言。意気に感じた他の武将や、長親の人柄に惹かれる農民たちは思いがけない活躍をし、三成率いる大軍を寄せ付けない。その様子を見て三成は「水攻め」を決意する。利根川と荒川に土手を築き水をせき止めて、一気に開放。農地は水に飲まれ、農民たちは忍城本丸に逃げ込む。
いよいよこれまでか、という状況になった時に、長親は城を囲む湖に船を出して、船上で「田楽踊り」を踊り、敵味方の兵士たちの心を掴んでしまう。・・・こうして、結局小田原城落城まで忍城は持ち堪えることになる。』
野村萬斎、佐藤浩市、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、市村正親、西村雅彦、夏八木勲、前田吟など、全く畑の違った役者たちが、それぞれの持ち味を存分に発揮して、楽しそうに演じているので、見ている側も楽しい気分にさせられます。野村萬斎は終始狂言そのものの立ち居振る舞いで、少々浮いているようにも感じますが、それが長親の個性に完璧にマッチしていて、説得力があります。佐藤浩市は実に格好良い。夫はすごく気に入ったようです。山口智充や上地雄輔が思いの他良い演技をしているので、正直驚いてしまいました。
ストーリーは史実ということですが、主役たちから犠牲者がでず、石田三成が長親の人柄に惹かれて下す開城の条件も好ましく(石田三成という人物を見直してしまいました)、平和愛好家の私でも十分に楽しめる、まさにエンターテイメント映画でした。
また、のべ4000人のエキストラが参加したという戦いのシーンや3000トンの水を使ったという水攻めのシーンのすごい迫力の一方で、長閑な農村風景や湖に浮かぶ城、城を囲むいさり火などの映像は、日本映画ならではの美しさでした。
今日は「角川シネマ有楽町」で見てきましたが、ここでの上映は2月8日までとのことです。(三女)