Polepole Life new

びわ湖の湖南に在住。
亡きA.コッカーNOIRと山歩きを愛すシニアライフを綴ります。

ロッティー、家へ帰ろう

2005-12-07 01:49:54 | 

『Taking Lottei Home』
   Terry  Kay

『ロッティー、家へ帰ろう』
著者 テリー・ケイ 
訳者 佐藤 隆信
2005/4/30 新潮社

いつもは手に取らないジャンル。
話題になった『白い犬とワルツを』の
著者のものだということと表紙絵にひかれた。


 この物語は、主人公ベンがプロ野球選手としての
夢を絶たれて、帰郷するところから始まる。 

 そしてそれは実は彼の豊かな人生の始まりでも
あった。


 
 ベンはずば抜けた才能・能力、あるいは社交術
・錬金術からではなく、誠実さ・素直さ・努力や
継続で人々の信頼と愛情を勝ち得、それがベンの
切り札となっていく。

 実生活の中では人間性の崇高さと社会的地位・
評判は正比例するとは限らない。
 
 そうは思っても、好青年のベンと彼に引き込まれる
ように、善行で彼を支える人々の暖かさは読後感に
爽やかさを残す。

 この、童話のような物語のなかにおいてさえ、暗い
部分はある。明らかに、ベンにとっての故郷とロッティー
にとっての故郷は別物であるということ。

 ロッティーにとってベンの律儀さは冷たさではなかったか?

 そして、・・・紆余曲折しながら、人には認められない
幸せをつかむ主人公の義父レッドフォード氏の存在が光る。
コメント (1)
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