年末の大掃除から、今まで処分できなかった絵を
次々に、枠から剥いで廃棄している。
キャンバスは、釘で打ちつけてあるので中々の大仕事。
・・・そう、Oさんに話すと、
「捨てるくらいなら、ちょうだい。」と
上の油彩を貰ってもらうことになった。
彼女の希望から言うと91.0×116.7㎝のこの絵は
少々大きすぎる。
しばらくあれこれ考えていたけれど、
私の予想どおり、彼女のお眼鏡にかなったのは
程よい大きさの絵ではなくて、この絵だった。
一枚目の画像の左下の赤枠が、保管中に傷ついていたので
引き渡し前に補修し、
「親類から処分をたのまれたけど、使えるなら貰って。」と
以前、Oさん自身がくれた仮縁に入れてみる。
やや古めかしいが、この絵に似合っている。
仮縁は、たぶん里帰りすることになりそうだ。
「大きいので、場所がとれるかどうか・・・
飾れなかった、ごめんね。」と
彼女は言うけれど、それでも「欲しい」と
思ってもらえただけで、すごくうれしい。
この絵は、2000年にスクーリング中の
課題の一つとして描いた。
しばらく見ていると、花が萎れないように
ストーブを控え目にたいた寒い教室の中で
それでも日に日に変化して
下を向いてゆく花に悪戦苦闘した数日間を思い出す。
自分の手で廃棄せずに済んで、うれしい。
誰かに気に入ってもらえて、うれしい。
15年ぶりに、描いた時以上に
愛着を持って修復の筆を入れた。