手染め体験の作品
何年も前に着付けを習っていた頃、
「さぁ、キモノを買おう。」と一大決心をして、
まず、雑誌とキモノ通の著作本を購入、机上の泥縄学習をはじめました。
高いものは買えない。沢山は買えない。買い足しは控えたい。
お値打ち且つ、着回しが広くできて、年齢の幅も広いおキモノ・・・。
実益が掛かっていましたから、熱も入っていたようで、
その時の覚えたことが今のお仕事に役立っています。
でも、藍染に関しては現在どのような現在きものが
創られているのかまったく知らなかったので、浴衣や昔高山で
購入した刺し子の暖簾などから、藍染といえば質素で地味、
カジュアルなものをイメージしていました。
ところが・・・。
この所立て続けに目にした藍染展のキモノは目からうろこ。
辻が花の振袖、なんともいえない絵羽になった染め大島、
江戸小紋(伊勢型を使って、藍染めができるのか不思議
。開発に年月が掛かったという。)、お召し、
表情豊かな色無地、・・・いろいろなタイプの
おキモノが揃っている。
それらは物によってはその美しい濃い藍色の為に
80回の染めを重ね、一年の年月をかけられているとのこと。
また、染料自体も、花が着く前の阿波徳島の上質の
『蓼』の葉を刈り、干し、体育館のような広いところに
積み上げて、80度も熱が出るほど発酵させて染料の元となる
『すくも』を創る『天然灰汁発酵建て』の場合、聞くほどに
気の遠くなるようなたいへんな手間の掛かる行程を踏んで
創り上げているのです。
藍の草冠のしたの監の字が、藍がどんなに手間かけ注意を
払わなくてはいけない大変な染料か現しています。
機会があったら、ぜひ袖を通してみてください。
藍のアルカリに鍛えられた上質な絹糸の軽さとしなやかさに
きっと驚かれるはず。
重い程上質といわれた昔のおキモノとは異なる上質の心地よさ
と草木染№1の美しさ、一見地味に見える藍色の華やかさを
味わってみてください。
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