Polepole Life new

びわ湖の湖南に在住。
亡きA.コッカーNOIRと山歩きを愛すシニアライフを綴ります。

善き人のためのソナタ

2008-03-20 12:09:20 | 映画・観劇








いつも覗かせていただいている『はんなり・・・』で、
この映画をはんなさんが取り上げていらっしゃるのを読んでいて「」。


見たいのに、見逃していたこの映画の一週間だけの
アンコール上映の情報が記事末尾にありました。


ちょっと無理しても、行って良かったぁ。



+ + +



東西ドイツの時代は、はや記憶から薄れつつありますが
後遺症のようなものを描いたドキュメンタリーTVを
みて、ショックを受けた事があります。

この映画の監督も母親が東ドイツ出身だったということで
幼少のころ、大人たちが感じていた恐怖はとても強い
印象として彼の中に残り、4年という年月を撮影前の
リサーチにかけたという、この映画の誠実な制作姿勢に
反映しているようです。


暗い映画・ツライ映画を覚悟していましたが、
酷い場面やある意味怖ろしいシーンはところどころ
あるものの、たんたんとストーリーが進む中にも
ところどころ日常的なユーモアが含まれていたり、
その後のストーリー展開への伏線があったり、
絵にかいたような悪役が出てきたり・・・引き込まれます。
名画と一緒で、無駄なひと筆がない感じ


セバスチャン・コッホとウルリッヒ・ミューエーはステキでした。
役とはいえ、困難を前にした時彼らのようにに冷静に
それでいて人間としての誠実さを失わず生きたいものです。


ウルリッヒ・ミューエー演じるヴィスラー大尉と
子供のツーショット、エレベーターのシーン、
(良かったなぁ。。。)
体制崩壊後、ラストシーンの最後の内面笑顔の無表情・・・
(あ~~思い出しても涙と鼻水が・・・。)


鼻をすすり上げる大泣きが、あちこちで聞こえましたが
他の人が同じものを観て共感し、なみだしていることを、
嬉しく感じた映画でした。
観た後にすがすがしさの残るステキなヒューマンドラマでした。

(クリスタは悲惨・あわれで、パンズ・ラビリンスの
母親を思い出しましたが。)




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4 コメント

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Unknown (洛中ねずみ)
2008-03-20 23:07:37
私はクリスタのあわれさ悲惨さが妙に印象深く残ってしまったのですが、でもワンシーンワンシーン本当に無駄なく且つこの撮りかたしかないという映像と展開。
いい映画ってやっぱり人の心を動かしますね。
先に観た友人は「ラストシーンにしびれた」とメールをもらったのですが、ナルホドと唸らされた作品でした。

それにしてもハーミットさんの文章は本当に丁寧だなぁ(羨望)
返信する
Unknown (Hermit)
2008-03-20 23:59:23
>洛中ねずみさん

クリスタだけは、なんか悪役以上の
汚れ役というか・・・ちょっとたまりませんでしたね。
女性が人権を維持できるのは国が安泰な
証拠かなぁ。

丁寧でどころか、感情的なので、長所は
ネタバレにならないとこですかね。えへ。

我ながら、観なかった人には、おそろしく、
配慮のない文です。(汗

ラストシーンに関しては、はんなさんも
>ラストシーンの台詞が素晴らしいです
と書いてはりましたよね。

ほんとに大人向け、いい映画でした。

返信する
Unknown (はんな)
2008-03-25 00:09:47
ほんまに観に行ってくださったのですね。うれしいです。

「ブラック・ブック」に比べると、地味で淡々と進むのですが(でも、日本映画のような淡々さではない)、これが「現実」なのかもなあ、って思います。

ラストシーン、良かったですよね~~~!!
芸術が人間の心に働きかけるパワー、というものを信じていいのだ、と、改めて確信しました。

だから、極論ですが、そこらへんのタカ派の政治家なんかより、韓国や中国で人気のあるアイドルの方が、よほど「平和外交」に貢献していると思います。

人間が人間らしい心を持ち続けること、持ち続けられる状況を死守しないといけないのだと、弱い人間である私は、強く思います。
返信する
Unknown (Hermit)
2008-03-25 09:13:17
>はんなさん

地味そうだし、過去の問題だし・・・
と思って、強いて観にいくつもりは無かったので
見逃していた、というより見送っていたのですが
まさか「アンコール上映」とは・・・。

はんなさんも褒めてはったし、やはりいい映画は
人の心を打つようで、私が観にいった平日の朝一番、
かなりの席が埋まっていました。

ラストシーン、報われましたよね。
「本の献辞なんて・・・他の買った人には失礼では?」
という意見を何処かで読んだのを思い出しましたが、
一冊の本に対する著者の思いや、著者の感謝の
思いは、他の人も微笑ましく感じて受け入れるべきだと
この映画を観て思いました。

ほんと、政治家より人と人ですね。
いろいろなところで、自分の人間性を
押し殺さないと生きづらいことがありますが
この映画の二人の男性は、決して正義感振りかざして
敵に体当たりの突撃はしないけれど、
決して自分の正義感と人間性を失いはしない。

日常の些細なことでも、そんな精神のあり方
は、
見習って生きたいと私も思いました。
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