雑誌“JAZZ批評”で“ジャズ絶対入門”というタイトルで新しいものが発売されていました。
いまさら私が入門かというと、結構入門などと書かれたjazz本を斜め読みですがチェックしているのです。
「JAZZ批評」でアンケートに答えられている83名の方々の選んだ2枚のアルバムですが、どうも入門用とは思えないのです。この雑誌がジャズ初心者を対象にしているとはおもいませんので、この選別も一種のお遊びなのでしょう。
アンケート回答に個性を出したいのは解りますが、本当に初心者にはどうかなと思います。
回答が83のなかで、納得が出来たのは数人。そのうちの一つはいつも悪口を言っているロン・カーターで、選んだアルバムは「Django」MJQと「Seven Steps To Heaven」 M・Davisでした。
図書館で「面白いほどよくわかる ジャズの名演250」日本文芸社
という本を借りてきました。
平成21年に出た本で中村誠一、高平哲郎監修アドリブ編となっています。
そこに惹かれて借りてきたのですが、この2人冒頭に対談しているだけでした。
でも内容がすこぶる良い。
“学校で教えない教科書”というシリーズみたいですが、こんなこと確かに教えてくれません。
内容は楽器ごとの名プレーヤーの紹介で、ピアニスト18人、アルト・サックスが7人、テナーが10人トランペットが10人、トロンボーンが2人でギターが5人ベースとドラムスが3人ずつでヴァイブとオルガンが1人、グループとビックバンドが3ヶづつにヴォーカリストが8人です。
この紹介が良くて、ただウイキペディア的に書いているのでなく、エピソードを挟んで読んでいて楽しい、執筆者は「響」の大木俊之助さん、JAZZ評論家の川原英三氏、そして日本ジャズのプロヂューサーの草分け、昨年87歳で亡くなった石原康行さんでした。
とても納得できました。
ちなみにベースを3人に絞る、C・ミンガスとR・ブラウンがまずうかんで、P・チェンバースかなと思うとその通り、ドラムスはA・ブレーキーとE・ジョーンズが浮かんで後1人がF・J・ジョーンズなんかもおもいうかんだけれど、T・ウイリアムスでこれも当たりで、大勢のJAZZファンが考える通りかも知れません。
各プレーヤーには代表作になるアルバムが3枚から5枚選ばれていて、これが納得できるのです。
たとえばT・フラナガンを紹介する5枚はこのようになっています。
「The Complete Overseas」
「Eclypso」
「Booker Little / Booker Little」
「The Song Book / Booker Ervin」
「The Standard / The Super Jazz Trio」
ここに載っている全てのアルバムを聴いているわけではないのですが、聴いてみたくなります。入門書としてとても良い出来で、初心の方にはこちらがお薦めです