もっと人気が出てほしいピアニストがいます。ずっと好きですが新しいアルバムがなかなか出ません。
このアルバムは1982年の録音で、デビュー後数年のピアノソロ、すべてフォアマンのオリジナルです。
1曲目、長い曲名を聴き始めると、数音からフォアマンが語りかけてくるような、とてもやさしい気持ちになるのです。
天気の悪い日曜日、オクサンと二人でDVDを見ました。日本タイトルが「新しい人生のはじめかた」というもので、ダスティ・ホフマン主演、話はたわいないもので、人生にぶきっちょな二人が新しい人生を見つけるという話。
内容は調べてもらうとして、落ち目のCM音楽作曲家が本当になりたかったのはジャズ・ピアニスト、冒頭のシーンは作曲途中のピアノのソロ場面です。とてもきれいなジャズ風の曲ですが(一瞬身構えます)、数小節まで行くとうまく先が続きません。
この曲が後半の場面で完成するのですが(そこが見せ場です)、なかなか美しい曲です。
でその後このフォアマンを聴いているのです。ですから、そんな気持ちをひっぱって、自分の人生を考えてしまいます。
アルバムの方はとにかく素晴らしいソロ、5曲がすべてつなっがっているようで、ひとつひとつ感想を書く必要はありません。とにかくこころにしっとりとした余韻を作っていく演奏が続きます。
映画の主人公、ジャズ・ピアニストにはなれなくて、作る曲も時代とそぐわなくなって来た音楽家、でも映画の後半で最後まで曲がつながります。
この1曲がきっとこの人の人生に残っていくのでしょう。最近のフォアマンにはなかなか出会えませんが若い時ののみずみずしい感性といぶきが伝わってきます。23年たっても演奏にはありありとその感じがあること、ミュージシャンってうらやましいと思います。
映画の英語のタイトルは「Last chance Harvey」でそちらのほうがぴったり合っています。
このアルバムのフォアマンのピアノソロは素晴らしいですので、探してみて下さい。
ちなみに同じような雰囲気のソロが2曲、Mitchel Formanのサイトで、フリーで聴くことが出来ます。(サイト貼り付けたいのですが、gooのデザインがかわってどうしたらよいか解りません。)
曲名は“A Deeper Dream”“gorgeous”で聴いてみてください。
このアルバムの雰囲気が解ります。
ONLY A MEMORY / MITCHEL FORMAN
MITCHEL FORMAN piano
1 | ANYWAY? WHAT DID YOU THINK IT WAS THAT NEEDED TO BE LOVED | ||
2 | KNOW THE POLICE NOW YOU SEE IT | ||
3 | YOU DON'T | ||
4 | RAMONA'S FANTASY | ||
5 | REPLEASE | ||
6 | ONLY A MEMORY |